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音楽歴回顧:爆風スランプ

中学卒業後の春(1985年)、従兄の住む大阪へ遊びに行った。

一つ年上の従兄の部屋には田舎に住む僕には神々しいくらいの青年雑誌や洋服、レコードが置かれていて、とてつもなく嬉しかった。

そのとき「このバンド、面白いぜ」と聴かされたのが爆風スランプのファーストアルバム「よい」だった。

スキンヘッド、サングラスにタキシード。張り裂けるような歌声が自分にはグッときて、その後、レコードアルバムを買っては擦り切れるほど聴いた。

1988年3月、4枚目のアルバム「ジャングル」を引っ提げて、大分県農業会館でのワンマンコンサートが行われるとの噂を聞き、早朝から並んで3列目という距離で彼らを目の当たりにした。

「ランナー」がヒットしたのはこの年の暮れのこと。

1989年夏に再び同会場でワンマンコンサートが開かれ、その時にサンプラザ中野さんがMCで「ようやく多くの人が口ずさんでもらえるヒット曲を持つことができた」と話したことを今でも覚えている。自身も心底嬉しかった。

爆風スランプの数ある楽曲の中で最も好きな曲は「ジャングル」に収録されている「夕暮れ物語」だ。

学校卒業後のクラス会を前に、好きだったあの娘に会えるかもしれない淡い期待を歌にしたものだが、「サンプラザ中野のオールナイトニッポン」の最終回(1987年10月。自身は高校3年生。)、嗚咽をこらえながらの最後のメッセージのBGMに流れたせいもあってか、この曲を聴くと、いまでも放送終了時間の午前3時頃、ラジオの前で号泣した自分を思いだす。

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