転身だァァッ!おやじィィッ!大王剣・疾風怒濤!【五星戦隊ダイレンジャー・配信1〜12話感想】

転身だァァッ!(wow wow wow)

気力だァァッ!(wow wow wow)

剣よ舞え 拳よ唸れ〜♪(以下略)


こんにちは、灰色です。

一部の方やTLをご覧のフォロワーはタイトルのやかましさからお察しかと思いますが、現在YouTubeにてマイベストスーパー戦隊である五星戦隊ダイレンジャーが毎週2話ずつ配信中です。

ちなみに自分は通しで見るのももう何週目か分からないのですが、とりあえず最後に観たのはたしか2014〜15年頃にかけてニコニコで毎週一話配信してたときだった気がします。思えばこれほどコメントやタグで遊ぶのに最適な戦隊もないですね。

そこでこの度は、もう配信も12話まで進んでしまった後ではあるのですが、改めてこのダイ傑作を皆様にご紹介すべく、各エピソードごとの簡単な見どころと12話通しての感想……というか溢れる気力の限り湧き出す言葉を殴り書きしていきたいと思います。

毎週2話なのでそのペースでやるのがいいか、それともちょうど12話区切りで4回やるのがいいかはまだどうしようかという感じですが、とりあえず1話から通していきましょう。


第1話「転身だァァッ」

伝説の始まり、記念すべき初回エピソードです。こちらだけはYouTubeで常時観られますので、まずはあなたの今夜の20分をダイレンジャーにください。

さて開幕、一番最初に画面に登場するキャラは主人公でも師匠でもボスキャラでもなく、長渕剛の巡恋歌を歌いながらヨーヨーで遊ぶ怪しげなガキ。あまりにも先行き不安な幕開けです。続けて登場した今作のレッドポジション、リュウレンジャーこと亮は世界一の餃子職人を目指す中華屋のバイト。しかし、まだ出前やゴミ出し、洗い物くらいしかさせてもらえないレベルです。他のメンバーの職業と比べても割と生活が不安になりますね。18年後、ゴーカイジャーで無事に店を出していて感動しました。

さて、ここから特撮第一話特有の異常テンポ+ダイレン特有の放送時間20分弱縛りによる超速展開ジェットコースターが発進。ナレーションすらなく、奇人変人がゾロゾロ出てきます。また途中、東京駅にて怪しげな男たちに囲まれて拉致られますが、そいつら3人がグリーン、ブルー、イエローです。ダイレンジャーのアジトは東京駅の地下にある設定になっており、個人的には大きくなってから駅舎を見てこれだ!と感動しました。今だとロケとか難しそうですよね。

間髪入れず、トップクラスにヤバい雰囲気を漂わせる髭のおっさんが何やら一方的に語り始めます。本作品を象徴するお方の一人、道士・賈詡ですね。この人のヤバさはとりあえず見てほしいのですが、六千年の眠りからゴーマ一族が目覚めた!お前には気力が秘められている!考えるな感じろ!はいナイフシュート!亮ギリギリのところで避ける!はいリュウレンジャー任命完了!5人目がそろそろ来るから迎えに行ってこい!

この有無を言わさぬスピード感。何かキメてるとしか思えません。同時に配信されているジュウオウジャーの1話を改めて見てみたら、あまりにもちゃんとしてて涙が出そうになりました。

ピンクポジションのホウオウレンジャー・リンは中国からの留学生なのですが、来日早々に敵兵士との自転車チェイスを繰り広げます。序盤から異常に駆け足だった分、ここの自転車アクションはやたら尺を割かれて力が入っており、ここだけ切り取ると謎の映画に見えます。

で何やかんやあって、長渕大好きな怪人・紐男爵に捕まる5人。しかし彼らの腕には既に変身アイテムが!気力転身・オーラチェンジャー!天に輝く五つ星!五星戦隊・ダイレンジャー!尺がないんで、無から装備が出てきたとか言わないでください。

めでたく初変身した後は早速一人一人がアクションを披露していくのですが、特徴的なロッドアクションの妙技に加えて、初回から各自に設定されている拳法の流派が強調されており、動きが大きく違ってて見応えがあります。リュウレンジャーは拳に加えて剣を使いこなす「赤龍拳」、グリーンのシシレンジャーは棒術で金的を打つのが印象的な「獅子拳」、ブルーのテンマレンジャーは蹴りやヌンチャクを使う「天馬拳」、イエローのキリンレンジャーは酔拳をベースにした「麒麟拳」、そしてホウオウレンジャーの跳躍を多用する「鳳凰拳」。いつ修行したんだよとか言ってはいけません。

ダイレンジャー最大の魅力の一つである格闘シーン、初回から既に見応えがありますが、回を増すごとにキレに磨きがかかっていき、しかも変身後だけでなく生身の姿でも拳法を披露しまくります。これは是非直接ご覧いただきたいところ。それに加えて、「火」「幻」「重」「時」「風」とそれぞれが司る属性の必殺技があったり、その回で機転を利かせて怪人に特効の技を閃いたりと、とにかくバトルに力が入っており、毎回飽きさせません。ちなみに敵怪人も一応「紐拳」とか「鍵拳」「磁石拳」とか各流派を極めているようなのですが、ほとんどの場合そっちは無視していいです。

最終的に紐男爵はリュウレンジャーに追い詰められ、巨大化!リュウレンジャーは一号ロボにあたる巨大な赤き龍、「気伝獣・龍星王」を召喚!

ついに復活したゴーマ族と正義のヒーローダイレンジャーの戦いが始まった!はい第一話終わり!俺たち無敵さダイレンジャー!(ED)

めちゃくちゃ省いたように見えますが、これでも書きすぎというか、ほぼ全編をカバーしてしまいました。次回以降は見どころに絞っていきましょう。何はともあれ、この第一話にはダイレンジャーのエッセンスがグッと詰め込まれてますので、是非ご覧くださいませ。無料ですので。


第2話「気力だァァッ」

第一話の続きで、開幕から巨大ロボ戦が繰り広げられます。龍星王は「武人変化」によって人型ロボット形態にチェンジ、スマートなフォルムを活かしてガンガンに動きまくります。ゴーバスターズの劇場版で出てきたときは嬉しかったなー。

前半でようやく紐男爵を片付けますが、まだ話は続きます。まずは今作敵組織の中心であるゴーマ三幹部が初登場。続いて、ヒモに続く第二の変態・ガマグチ法師が出てきます。こいつはバスケ選手風の風貌なんで他ほど変態指数は高くないですが、「スラムダンク!」とか言っちゃいます。色々大丈夫なのか?

ガマグチ法師は拉致した子供や女性になんかキモいお面を被せ、ゴーマ復活を祝う生贄にする儀式「ニードロブードロ」を幹部たちの前で行おうとしますが、ダイレンジャーがそれを阻止。そのままバトルになり、最後は巨大化しようとしたところをロッド5本に囲まれて阻止され、そのまま必殺技の直撃を受けて死亡という哀れな最後を遂げます。ここまで全部20分に詰め込んだ第二話、いつ見ても目まぐるしいですね。

ちなみにカラオケでダイレンジャーのOPを入れるとこの回が流れるので、ニードロブードロの儀式は親の顔より見ました。逆にいうと第二話は見なくてもここ読んでカラオケで歌えばだいたい分かります。


第3話「魂ちょうだい」

第4話「俺たち甘いぜ!!」

ダイレンジャー特有の、2話かけて一つのエピソードを展開するパターンがしばらく続きます。平成ライダーなんかだとお馴染みですね。というわけで、紹介も2話同時に。

ゴーマ第三の変態、その名は鍵道化師。人間態はかなりキてますが、心の鍵なる魔道具を使って子供たちの魂を奪うという曲者の怪人です。魂を奪われた子供たちは昏睡状態になってしまうのですが、こいつの真の厄介さはそれに留まらず、西洋人形に魂を移し替えることでチャッキーのような残虐人形の軍団を生み出します。こいつらはかなりタチが悪く、車を運転して人間を轢き殺そうとしてきたりします。いや、子供の魂でそうはならんやろ。

そんな折、将児(テンマ)・知(キリン)・大吾(シシ)の3人は弟が目覚めないという女の子の相談を受けますが、将児と知はまともに取り合わず、メンバーの中でも生真面目な大吾だけが女の子の話を信じて調べてみることに。結果として鍵道化師にたどり着くことに成功しましたが、大吾がいくら無線で呼び出しても他の4人が通話に出ず、ダイレンジャーが揃いません。こうして孤軍奮闘も虚しく、女の子の魂までも奪われてしまい、大吾はブチ切れて男性陣に怒りの鉄拳。そのままアジトを出て行ってしまいます。

これにはさすがに他の四人も反省……かと思いきや、クソバカの将児と知は喫茶店でグダグダお喋りをしており、「やれやれ、こうなっちゃダイレンジャーは終わりだよ」「それじゃ、僕はこれで。短い間でしたけど」と勝手に解散しようとする始末。誰か本気でお灸を据えてやってくれ。

というところで、街中では本格的に人形が暴れだします。その所業は子供の悪戯どころではなく、仕込みカミソリで顔に切り掛かったり、火炎瓶で街を火の海にしたり、爆弾をばら撒いたりとやりたい放題。だからなんでその辺の子供の魂がそんな邪悪なんだよ。

あまりのヤバさに焦ってアジトに集まるダイレンジャーですが、道士は「いいから座れ」と言って落ち着かせ、古代の戦いの顛末やゴーマの恐ろしさを改めて説きます。地球を守るためには戦うしかない、そのことを頭でなく心で理解したダイレンジャーは甘さを捨て、一人前の戦士として覚醒。大吾を中心に鍵道化師へ再戦を挑み、見事に勝利。子供の魂も無事に戻りました。

将児と知の言動がひどすぎるのは戦士としての自覚がなかったので仕方ないにしても、改めて見るとゴーマの作戦のテロレベルがいきなり半端なくて引きます。というかこの回の人形が刃物振り回すのがマジ怖くて、当時3歳の俺にはガチトラウマでした。


第5話「あッたまきたッ」

第6話「風よブッちぎれ」


ごめんなさい、配信見逃しました。

記憶はあるので簡単に語ると、ホウオウレンジャー・リンのメイン回。リップを塗った女性を洗脳してゴーマ聖歌隊にし、その歌声によって破壊活動を行う口紅歌姫が今回の怪人です。

口紅歌姫に敗れたダイレンジャーは古代中国の砂漠に飛ばされ、そこでついに龍星王以外の四体の気伝獣、星獅子・星天馬・星麒麟・星鳳凰を解放。四体は合体して乗り物型の天空気殿となり、龍星王を載せて空中から攻撃するスタイルで口紅歌姫を討伐しました。古代中国に飛ばされるくだりが一番インパクトあるのにあんまり覚えてないんですが、それを除けば比較的まともな回だった気がします。


第7話「裏切り者ォッ!」

第8話「おやじぃぃッ!!」


序盤最大の山場エピソードです。

復活したにも関わらずダイレンジャーに敗戦続きのゴーマ幹部の元へ、まだ見ぬゴーマ皇帝の側近、大僧正・李儒がわざわざ神輿に乗って現れます。ちなみに幹部はリーダー格のシャダムと紅一点のガラの二人が中佐で脳筋キャラのザイドスが少佐と、実は肩書きである程度ちゃんと階級が分かれてるんですね。よって現場にいきなり常務クラスが来たような面倒くささに幹部たちも帰れよお前ムードを出しますが、大変態李儒は意にも介さず、愛弟子・鉄面臂張遼(てつめんぴちょうりょう)を刺客として放つと言います。全身黒鎧の戦士張遼をなぜか幹部たちは信用できない様子、バカのザイドスに至っては即攻撃を仕掛けますが、反撃されてぶっ飛ばされてしまいます。第7話にして異様な勢いでゴーマ内のインフレが進みます。

その頃、亮は妹と二人で両親の墓参りに。幼い頃に両親を亡くした亮は、どうしても父親の顔だけが思い出せないと言います。こうして亮が不在の中、現れた張遼は残る4人と交戦しますが、彼らの気力必殺技をそのままレベルアップさせて返すという戦い方で赤子の手を捻るように圧勝。将児の心をへし折った上で1人だけ送り返し、捕らえた残りの3人を助けたければ賈詡が自ら出てこいと伝えさせます。

気力と妖力の両方を使いこなす張遼の桁外れの強さ。彼の正体は、過去に更なる力を求めて戦いの最中にダイ族からゴーマ族へ寝返った裏切り者でした。道士はそれを伝えると、共に戦おうとする亮をなぜか幽閉。将児に門番を言いつけて一人で決闘に向かいます。

こうして始まる最強vs最強の決闘。互角の戦いが続きますが、気力が互角なら妖力がある分有利ということなのか、道士でさえも張遼相手には分が悪い様子。そのまま追い詰められたところで、将児を上手く出し抜いて追ってきた亮が参戦します。しかし亮一人で挑んでも勝てるはずがなく、変身を解かれた亮に張遼の刀が振り下ろされ……

はい。この先は、どうか是非とも皆様の目でお確かめください。実はもっと長々書いていたのですが、見ろォォォッ!ということでバッサリ切りました。ただ、ダイレンジャー特有のタイトル芸で何となくお察しの方もいらっしゃるかとは思いますが……ジュウレンジャーとかでもありましたしね。

ただ、それが見え見えでも尚、このエピソードは是非とも観ていただきたいです。終盤、8話にしてついに気伝獣が合体し、大連王が降臨します。その堂々たる風貌と絶対的強さから来るカタルシスたるや、これぞ戦隊ロボ!という感じです。

当時の俺はどうしても大連王の玩具が欲しかったのですが、先に龍星王を持っていたため、わざわざ愛媛への帰省中に親父が残りの4体セットを探し出して買ってくれたのが強烈に記憶に残っています。龍星王が他の気伝獣を鎧のように装着するという稀有な合体システムで、ものすごく風格があって格好いいんですよ……。

ちなみにこの大連王ですが、戦隊史上最強クラスの一号ロボ(龍星王を一号としない場合)とも呼ばれています。巨大化したゴーマ怪人に対して無敗なのは当然。具体的にはダメージを受けて怯んだことも片手の指で数える程度という法外な防御力と、大王剣・疾風怒濤という水墨画をバックに太刀で一閃する即死技を併せ持ち、そのカッコ良さに夢中になるとともに当時の俺に疾風怒濤という四字熟語を教えてくれました。

画像1

大王剣・疾風怒濤!!

今になって考えると大連王の最強っぷりは20分の中で巨大戦に尺を割けなかったのもあるのかもしれませんが、レジェンド戦隊ロボの一角なのは間違いありません。というわけで、いかにして大連王が降臨するのか、それは是非とも皆さんの目でお確かめください!


第9話「うぬぼれるなッ」

シシレンジャー・大吾は動物を愛し、ペットショップで働く心優しき男。そんな彼はある夜、何者かの不思議な気力と共鳴する感覚を覚えます。戸惑う大吾の掌には、いつのまにか輝くクジャクの羽根が一つだけ舞い落ちていました。

ところかわって街中。今回の変態、もといゴーマ怪人は鏡道化師です。鏡に擬態して街中に佇み、自分の姿を映して自らの美しさに自惚れた女性を鏡面から出したベロで絡め取って捕らえてしまうというトラップ型の怪人です。やってることは大概なのですが、人間態がないので変態指数が低く感じられます。鏡を見る女性の髪型とかから時代が感じられるシーンでもありますね。ちなみに男が髪型をいじりながら自惚れると飲み込んだ後で吐き出し、「六千年前には美しさに自惚れるのは女だけだった!近頃の男は堕落した、軟弱だ!」とかほざきます。これも今は放送できません。

凶行の現場にはいち早く大吾が駆けつけ、鏡道化師と交戦しますが、変態のくせにステゴロも強いのがゴーマ怪人。鏡からエネルギー弾を撃ち出して大吾を怯ませ、そのまま撤退します。しかし、なぜか大吾は怪人の背中から、あの美しく不思議な気力と同じ残光を見るのでした。

自由になった鏡道化師は女性をさらに飲みこみまくり、満腹になると「鏡拳・自惚れ返し」なる技……というかゲップを繰り出します。汚え怪人だな……と思っていたら、なんとこれは室内外を問わず周囲の鏡を一斉に叩き割り、人間の顔を傷つけるという技でした。挙げ句の果てには鏡面ガラスの高層ビルまでも粉々に爆破します。変態のゲップで東京がヤバい。

敵の尋常じゃない破壊力に焦るダイレンジャーですが、導師賈詡は相手の手強さを説き、鏡道化師はかつて、ダイ族の戦士にして慈愛と生命を司る孔雀明王の化身・「孔雀」をも破った敵であると語ります。古代の戦士孔雀と、自分に共鳴した何者か、そしてあの羽根。大吾はこの符号に考えを巡らせつつ、リベンジに臨みます。

再戦を挑んだ大吾は、得意技の天幻星・霧隠れによって敵を霧の中に誘い込み、エネルギー弾を誘ったところを他の4人が鏡で反射するという作戦でダメージを与えます。それでもしぶとく、鏡怪人らしく分身して大吾を幻惑してくる鏡道化師でしたが、万華鏡のごとく惑わしてくる敵の群れの中に一つだけあの輝く気を感じたことで見事に敵本体を看破。鏡面を破壊して被害者を救い出します。あ、巨大戦は大連王が無傷で仕留めました。

被害者の無事を確認して家へ帰すダイレンジャーでしたが、その中からクジャク型のエネルギーが舞い上がり、次の瞬間には美しき姿で気品を溢れさせる戦士・孔雀がそこにいました。なぜか鏡道化師に封じ込められていた、謎多き彼女は敵か味方か?待て次回!

第10話「あァ復讐の女神」

前回ラストからそのまま続くエピソードです。孔雀はダイレンジャーが自分を救い出してくれたことに感謝を告げると共に、大吾の自然と生き物を愛する優しい気が自分と共鳴したことで六千年もの長き束縛から逃れることができたと話します。孔雀明王の化身らしく、周囲の鳥たちを愛でる孔雀。その優しげな笑顔に大吾は思わず見とれてしまい、仲間たちに「大吾なんかにゃ勿体ねえや」などと言われてしまいます。

場面は変わり、桜を眺めて人々が花見を楽しむ公園。しかしその桜は新たなる変態ゴーマ怪人・サクラ子爵による罠で、その匂いを嗅いだ人間はどんどん凶暴化して争い合うという作戦でした。ただ、こいつも人間態がない上に鏡ほどのトリッキーさもないため、インパクトはだいぶ薄い部類です。

同じ公園の一角では大吾と孔雀が穏やかな時を過ごしていましたが、大吾が離れたところにゴーマの女幹部・ガラが現れると、孔雀の表情が一変。ダイ族とゴーマ族の女戦士2人による決闘が始まってしまいます。周囲のことなどお構いなしに羽根を打ち出して爆破するなど猛攻を仕掛ける孔雀を見つけた大吾は、周りの生き物を案じて必死で止めに入りますが、孔雀は並々ならぬ形相。

実は六千年前、孔雀は戦いで重傷を負った敵のガラを助けており、傷ついた者に敵も味方もないと説きます。ガラはその心根に感謝して水が欲しいと伝えますが、孔雀はその際に容姿と精神と強さをベタ褒めされまくり、水を汲みに行った際に思わず水面に映った己を見て微笑んでしまいます。次の瞬間、水中から湖さえも鏡面とした鏡道化師のベロが!ガラの負傷も偽りで、心の隙を作る策謀によって見事に無双の戦士孔雀を捕獲し、彼女は一瞬の自惚れの代償に六千年もの生き地獄を味わうことになります。そうして永い時を過ごすうち、心の優しかったはずの孔雀は復讐の鬼と化してしまいました。

サクラ子爵が大吾の必殺技・孔雀斬りに敗れると、凶暴化させられていた分の心がいくらか落ち着いたのか、ガラが撤退したこともあって孔雀は姿を消します。どうでもいいけど大吾、一目惚れしたからって即座に技名にするのはどうかと思うよ。その後も彼女のことが頭から離れない大吾はどっかの美術館で孔雀明王の肖像(仏様です)を眺めながら、彼女に優しい心を取り戻してほしい、そしてもう一度会いたい……と願うのですが、その声が届いて2人が再会する日は果たして来るのでしょうか……?

ということで、ここに来てダイレンジャー特有の作劇である因縁キャラエピソードシステムが発動します。これは読んで字のごとく、戦隊の全員に因縁のあるキャラクターが設定され、その絡みを複数回にわたって展開することでストーリーに厚みを持たせるという手法です。他の4人の因縁キャラがどんな奴なのか、それは是非ともお楽しみに。面白いよ、ダイレンジャー!


第11話「磁石でガウス!」

11話にしてはじめての単発回です。いくらなんでも極端すぎるだろダイレンジャー。今回メインを張るのは将児。彼はボクシングで世界チャンピオンになるのを夢見て日々トレーニングに励んでいます。天馬拳が蹴りなのになんで?という意見もよく見られますが、世界を獲る拳をゴーマごときに使えるかという彼なりの矜持のようです。サンジの手のエピソードみたいでカッコいいですね。

そんな将児、日課のジョギング中に出会ったアケミちゃんという女の子と仲良くなり、「ボクシングのこと教えてください!」なんて言われて完全に舞いあがっちゃいます。「なーにが泣く子も黙る将児様だ、それを言うなら『『泣く子も笑うだろ』』!」と、知と亮に声を合わせてバカにされますが、「ひがむな君たち」と完全に調子に乗っており、そのままプレゼント選びに付き合ってくれとリンを強引に連れ出します。

ひとまずどんな子か見てみろよ、とバイト先に向かう将児でしたが、そこに今回の変態、磁石親父がすれ違います。前後しますがこの男、六千年前から蘇ったくせに聖書を小脇に抱えている異常者で、口癖も「シャクシャクシャク」「〜でガウス」「コシャクな!」などストレート。動きも含めて久々の筋金入りゴーマ変態です。主に愛し合う者に反発するNとNとかSとSとかの曲を張り付けて引き離し、事故らせるのが目的のようです。

そんなこんなでアケミちゃんと同時にNとNを貼り付けられて、助けようと思っても吹っ飛ばされて万事休すの将児。しかし彼はただ黙っているだけではありません。生身のバイクチェイスで襲いかかる暴走車を回避したりして、アケミちゃんの安全を確保しつつ、磁石親父との再戦に挑みます。ちなみに中の人は元暴走族で、バイクも短ランも自前だとか……そのためノーヘルです。

しかし、磁石神父もタダではいません。全員に反発するNのマークを付けて、集合技の気力ボンバーを阻止します。決め手に欠き、万事休す……かと思われたダイレンジャーですが、将児が攻略法を閃く!ダイレンジャー名物の単発必殺技が発動します。その名もリニア拳・中央新幹線!磁力の反発を利用して、よく分からないですが頭突きをブチ込みます!

要するに磁力の反発を生かした突撃なのですが、磁石神父にこれがクリティカルヒット。ダウンを取り、巨大戦に持ち込みます。あとは大連王が何とかしてくれました。

危険な磁力が消えてめでたしめでたし、なのですが、将児はというとアケミちゃんから「ボクシング部の先輩に告白する勇気が貰えました!」とまさかのクリーンヒットを貰ってしまいます。まあ、そりゃそうなるわな。同情する仲間たちに涙を見せないよう、傷心の将児も「人生はワンツーパンチだぜ!」と叫び、顔を見せずに練習に戻るのでした。青春ですね!

第12話「豆腐で酔ったァ」

ここまでのダイレンジャーで一番狂ってるエピソードです。初めてキリンレンジャー・知(かず)が主役になるのですが、まあ珍回です。

美容師というオシャレな仕事をしながらも、実は豆腐が大好物で出前を頼むほどの知。しかし、常連の豆腐店の娘さんから店が存続の危機だと伝えられます。何事かと出動したところ、豆腐にアルコールを混ぜて人間を酔い潰すという未曾有のテロが繰り広げられていました。この作戦はゴーマ怪人・豆腐仙人によるもの。「人間とは愚かなものよ。嬉しいと言っては酒を飲み、悲しいと言っては酒を飲み、そうして自ら堕落している」と幹部のリーダー格・シャダムからも名台詞が飛び出し、俺も反論できません。応援要請に応じた大吾と将児に至っては怪人のアルコール直吹きかけで酔っ払い、道士賈詡の叱咤も効かないくらい泥酔してしまいます。なんかこの回はつくづく共感しますね。

同じ酔拳使いとして、事態の元凶・ゴーマの豆腐仙人を許しはしないと意気込む知。麒麟感が酔拳をルーツにしていることは彼も意識しているようですね。そうして敵陣に一人乗り込みますが、豆腐屋の娘さんを人質に取られ、アルコール度数90%のゴーマ老酒の一気飲み勝負を受けざるを得なくなってしまいます。

しかし、そこはさすがダイレンジャーで一番の色男にして切れ物の知。ある作戦を用いて飲み比べを乗り切ると、怯んだ豆腐仙人に改めてタイマンを挑みます。彼が繰り出す必殺技は……「急性二日酔い・頭痛拳」!!

頭のおかしい技名に対して具体的に何をするかというと、瓢箪を相手にぶつけて気力酒なる謎の飲み物を2回一気飲みさせ、その上で弱った腹と脳天を連続で殴りまくるという、何もかもが狂っている必殺技です。いい加減にしろよ、ダイレンジャー。

二日酔い頭痛拳で弱りきった豆腐仙人は苦し紛れに巨大戦を挑みますが、大連王の前には全てが小細工。それでも一の太刀をかわし、牽制技で怯ませながら大王剣を奪うという、ダイレン基準では凄まじい活躍を見せますが、あわれ剣を謎の気力パワーで取り戻され、そのまま疾風怒濤で昇天しました。ちなみにこの活躍、ダイレンジャーではベスト5に余裕で食い込む頑張りです。

事態も収まり、顧客が戻ってきた豆腐店。縁のあるダイレンジャーもついでに手伝いますが、当の本人である知はスポーツカーの運転席で冷奴を食べるという謎のトレンディ?ムーブを見せ、平穏を取り戻したことを満喫するのでした。

さて、ここまでで現在配信されているダイレンジャーの感想・あらすじ記事は終わりです。

もしこの記事でご興味を持たれた方は、この後の15話〜あたりから物語が大きく動いて主要キャラクターも増えたりするので、是非今からでも配信をご覧になってみてください。序盤最大の山場である7〜8話こそ過ぎてしまいましたが、まだまだ四分の一が終わったばかり。激熱エピソード・迷エピソードの数々、暑苦しいほどの熱血台詞、本格的な拳法と武器術による迫力のアクション、胃もたれするほどの変態怪人たち、戦隊史に残る異常事態、etc……があなたをお待ちしております。

というわけで。ここまで根気強く読んでくださり、かつダイレンジャーをまだ観てない貴方に伝える言葉はたった一つだけです。

見ろォォォッ!

後悔するなァァッ!

語れェェッ!!


以上だァァッ!!!






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