いよいよ6人目だと思いましたか?残念、バカ回とトラウマ回です!ダイレンジャー15・16話感想

観るのが遅くなり、公開時間終わってしまって恐縮ですが、今週もサクッとやっていきましょう。


第15話「3バカサッカー!」

前回あれだけ強烈な引きで終わったので、普通の展開ならいよいよ6人目のダイレンジャーがお目見えするはず……ですが、残念ながらまだそれはもう少し先の話。というわけで、このタイミングで単発のギャグ回です。

まずは今回のOPから、各回ごとに3カットずつ、その回の本編映像が差し込まれるようになります。とはいえ15〜16話はザイドスやガラが袋から怪人を出すシーンだったりして、本編の尺が足りないことを補完する苦肉の策だったのかもしれません。それでもこの演出、毎回OPが違うワクワク感は当時の自分にとってはものすごく特別感があり、OPから1秒たりとも見逃せない!とエキサイティングさを一層増してくれました。この手のOPって、初めてやったのはやっぱり「レイズナー」なんですかね?もっと昔に先例があるんでしょうか。

さて本編。ザイドス曰く「今回ダイレンジャーを始末できなければお前らに帰る場所はない」「一人じゃ何もできない落ちこぼれのお前らをチームにしてやったんだ、感謝しろ!」と、開幕早々散々な言われようの有名無実三怪人・ゴーマ3ちゃんず(公式呼称・3バカ)が初登場します。

暴走族の改造バイクをモチーフにしているくせにバイクなしだと足がクソ遅い、どこかの勇者王みたいな声で叫ぶ「神風大将」をリーダーに、ピンクのプッシュホンそのまんまの「電話先生」(一応ダイヤル式ではありません)、ボディ兼頭の墓石が割れるたびにモニターや火炎放射器、おみくじが出るなどボーボボのアフロみたいなギミックの「墓石社長」という、愉快でイカれたメンバーです。だから六千年前に暴走族は絶対いないだろ。

あらすじですが、亮の妹・葉子ちゃんが3バカに拉致され、助けたければ一人で地獄谷(いつもの採石場)にゴーマ式サッカーの勝負に来いと挑戦されます。ルールは簡単、亮がシュートを決めたら葉子ちゃんは解放、ただしゴーマがシュートを決めたらネットから高圧電流大爆破エネルギーが放たれて亮は爆散、という仕組みです。そのパワー普通に攻撃に流用したら?

しかしそこはギャグ回でも熱血全開、演技も気力満点の亮、仲間たちにも事情を告げず一人でサッカーに挑みます。ちなみにもう予想がついた勘のいい方もいらっしゃるかもしれませんが、当時はJリーグに世間が沸いていた1993年。試合中はBGMもそのまんま例の曲(オーレー×n回のやつ)が流れます。便乗しすぎだろ。

しかし、バカとモブ兵士とはいえさすがに怪人11人vs1人。一人ドリブルで無双していた亮も、手を使わなければ何でもあり理論によって神風大将のバイクアタックを食らい、そこからは少林サッカーを思わせるような(古い)リンチを受けます。「お前らも日頃の恨みを晴らせ、リュウレンジャーをやっちまえ!」と言われたコットポトロも加わってボコボコにしますが、やっぱりこいつらたまに人間くさくなりますね。

囲まれてサッカーボールぶつけられてるだけで弱ってくリュウレンジャーがシュールだなとか思ってると、神風のシュートによって異常な火薬量の爆発が起こり、亮は瀕死に。ダメ押しでとどめのシュートがもう一発打ち込まれ、リュウレンジャー死す……と思いきや、爆破トラップは作動せず。そう、ゴールはいつしか大吾の天幻星・幻ゴールと差し替えられており、援軍に駆けつけた4人のおかげで亮は間一髪助かったのでした。一人で来なかった場合に葉子ちゃんを始末する手段とかは特にないあたり、いかにも3バカらしいですね。

改めて全員で転身したダイレンジャー……もとい、亮曰く「今日は特別!サッカー戦隊・東京気力ボンバーズ!」だそうです。急に元気になりましたね。お前あと三発くらい爆破耐えられるだろ。

そこからはBGMもED「俺たち無敵さ!ダイレンジャー」に変わり、殴り合いは序の口で竜巻でボールを吹き飛ばすわ、ゴールキーパーのキリンレンジャーに至っては時を戻してシュート決められたのをなかったことにするわ、やりたい放題です。いくらなんでも酷すぎるだろ。最後はゴールキーパーの一般兵もろとも亮が天火星・稲妻シュートでぶっ飛ばし、無事に人質を助けました。3歳の頃の自分はサッカーのルールを知らないでこの回を観ましたが、もちろん何も分かりませんでした

3バカも巨大化して意地を見せますが、大連王を使わないで久々に龍星王ソロという舐めプをされた末に惨敗します。龍星王の龍形態でのアクションは地味に貴重でしたね。

エピローグでは亮が世界一の料理人を目指す修行のため、手製の餃子パーティーに皆を招待し、やたらテンションの高い大吾の食レポなどで和気藹々と過ごしています。一方、3バカも大王剣を喰らわなかったので松葉杖を突きながらも生き延びており、夕陽に向かってリベンジを誓うのでした。

というわけで、3バカがめでたく孔雀に次ぐ因縁キャラの一角となりました。扱いの差がひどいけど、かわいい奴らなんですよ。次回もよろしくお願いします。


第16話「ゴロゴロ子供石」

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OPから変なのがダイレンジャー面して混じってますが……。

実はこの回、30年近く前に自宅でのビデオ録画をミスっており、ニコニコの配信時にも見逃したため、まさかの今回が初見です。どんな回なんだろうなーと見ていたら……

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タイトルまででクソ怖すぎるだろ!!ふざけんなよ!!

一応説明しましょう。子供を石にするのがハニワ腹話術師の能力ですが、ゴーマの血を引く子供は石にならないため、探し出したゴーマの末裔を怪人に改造するというのが今回のガラの計画。それはまあいいんですが、公園で遊んでいる子供に小さいハニワ人形が「アソボウヨー」と声をかけ、振り返ったら怪光線を浴びせて石にしてしまう(しかもゴロゴロっていうより若干人型っぽさがある)、そしてカメラが引くと既に公園の子供が全員石にされていた、というOPの入りは大人でもトラウマものです。子供泣くだろこれ……。

さて、場面は切り替わり大吾が働くペットショップに。いつも店の外から見ている少女・ユミちゃんを店に招く大吾ですが、彼女は団地暮らしで親も共働きのため、ペットは飼えないと言います。そんなユミちゃんを喜ばせようと、大吾は店内の動物への餌やりをお願いしました。さらに、かつて人間に虐待されていた犬が怯えてなかなか餌を食べなかったときには「傷ついた者には、恨んだり憎んだりせずに接するんだよ」とも教えます。大吾は子供との交流で優しさが際立つエピソードが多いですね。

今回は展開盛りだくさんなのでテンポも超早く、既に他の4人は子供を石にしたゴーマの捜索に乗り出していました。しかしそんな中、ユミちゃんは大吾の留守中にペットへの餌やりをすると外出。そこに現れたのは……なんとあの孔雀!復讐心に未だ取り憑かれている彼女は、なんと少女に催眠術をかけて囮にし、ガラを誘き寄せるという鬼畜作戦を仕掛けます。彼女の気を追って加勢しにきた大吾の奮闘も虚しく、ユミちゃんはゴーマのアジトに攫われてしまいますが、催眠術をかけたときの自分の気が発信機になるからそれを追えばいい、と平然と言い放つ孔雀。この催眠囮作戦を知らされ、大吾は流石にブチ切れました。ここで後半戦へ。

結局孔雀はそのまま大吾の前から消えたのか、単身敵のアジトへ乗り込みます。一方のユミちゃんは別にゴーマの末裔でも何でもなく、催眠術がバリアになって石化しなかっただけ。激昂したガラは彼女を餌にする意趣返しを仕掛け、「お姉ちゃん来ちゃダメ!」とのユミの声も無視した孔雀は床にやたらカラフルに描いてある結界(物理的に鎖が伸びてくる)に引っかかって大ダメージを受けてしまいました。足元見ろ。

謎の孔雀明王パワーによるワープで何とか窮地を脱した孔雀。すると、共に脱出したユミちゃんは彼女を責めることもなく、傷の手当てを始めました。囮に使い、恐ろしい目に合わせた私を恨まないのかと尋ねる孔雀に、「誰かが傷ついていたら、恨みも憎みもせずに助けるんだよって、大吾お兄ちゃんが言ってた」と彼女は返します。その優しさは、奇しくも孔雀が六千年の間囚われの身となったきっかけでもある、負傷したガラを助けたときの彼女の精神と同じものでした。大吾の純粋な優しさに触れたことでかつての自分を思い出したのか、孔雀の美しい頬を一筋の涙が流れます。

そこに三度ゴーマが襲撃してきますが、気をリンクさせて察知した大吾が参上。「私を置いてこの子だけでも」という言葉に孔雀が優しさを取り戻したことを感じ、気合いを入れ直すと、霧隠れで身を隠して移動。仲間4人と合流して、ハニワ+雑兵と再戦します。この回は戦隊恒例の工場っぽいロケーションでの高所アクションなど、スーツ格闘が特に堪能できます。また、サッカーでは使いようがなかった大輪剣も、販促のために二刀流で使用されるなど大活躍です。6人目のグッズが出る前に売らないとだから!!

問題のハニワは苦戦しつつも大吾によって倒されますが、身体がバラバラになっても復活。そこへ孔雀のエネルギー体(鳥の姿)がアドバイスを授けに飛んできて、小さな腹話術人形こそが本体だと伝え、ようやくトドメを刺せました。巨大化すると本体の顔+デカい人形のボディというガワになり、地味に芸が細かいです。石化以外にも能力盛りだくさんで実に厄介な敵でしたが、人形縛りという名のロープ投げで大連王の手足を拘束しようとしたのが最後、大連王・大放電という無体な技でカウンターされ、怯んだところに疾風怒濤で今日も10割コンボです。お疲れ様でした。

エピローグ。大吾によって、過去持っていた優しさをわずかに取り戻せた孔雀でしたが、明王の絵の前に足を引きずりながら現れます。どうもそのダメージは戦いの傷だけではない様子……そして、彼女を象徴する金属の羽飾りが一枚、地に落ちて音を鳴らします。優しさを取り戻しつつある孔雀との再会を願う大吾でしたが、まだ彼女の身体に起きている異変については何も知らずにいるのでした。

三十年近くの時を経てようやく観られた16話、トラウマもすごいですがストーリー的にも非常に重要な回でしたね。やっと積年の思い残しが解消されました……。

というわけで、ダイレンジャーでも最大のサブストーリーである孔雀編はまだまだ続きます。が、それは今回で一休み。なぜなら次回は……

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では、また来週!!

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