宝塚「HiGH&LOW THE PREQUEL」が6年越しにくれた「ムゲン」 7 灰色 2022年10月24日 08:49 こちらはTwitterへの連続投稿をまとめた記事です。宝塚ハイローが与えてくれた新たな切り口から、これまでのハイローシリーズを振り返ってみる話。ヅカロー以前には観客一人一人に解釈が任されていた「永遠じゃなくムゲン」という言葉は、ヅカローによって「生命は永遠でなくても、遺された意思や魂は無限に受け継がれる」という新たな定義を授かった。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 これを前提にすると、龍也さんや尊龍兄貴、そしてスモーキーという、残酷で早すぎる死を迎えた者たちもまた、その生命こそ永遠ではなかったけれど、その意思と魂はムゲンになったのだと思う。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 龍也さんの死によって、自らを追い詰めた琥珀さんは闇に堕ちた。けれど、それだけでなくコブラとヤマトを導くことにもなり、そして琥珀さんと拳を交わした末に彼が「間違わない」「正しく生きる」ことを誓うに至った。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 更には、それに伴って九十九さんもまた救われ、本来の無邪気で素直な性格を取り戻し、まっすぐ琥珀さんの横に立つことができた。そして、龍也さんの魂を受け取って戦ったコブラや琥珀さんの変化は、最終的にバラバラだったチームたちをまとめ、巨悪を倒すことに繋がっていく。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 尊龍は、自分がいなくなっても雅貴と広斗が「強く生きる」ことを最期に願った。彼らは暴力による復讐という、修羅へ堕ちていく道と決別し、これからも最強で最高の兄弟として「強く生きる」ことを兄貴に約束する。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 一見すると大きく変わっているようには見えなくとも、今までのような孤高の立場を貫くだけでなく、琥珀さん・九十九さんやSWORD連合軍と共闘し、自分たちの役目として最凶の敵・源治との決闘を引き受けるほど、確かにその心には変化があった。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 そしてスモーキーは、自身の終わりを悟りながらも、「今のお前たちなら、どこでだってやっていける」と、仲間達の未来に無限の可能性を見て、成長したタケシに後を託し、笑顔で逝った。守護神が街と共に滅びても、その魂を受け継いだ者たちは、前を向いてどこまでも、ムゲンに高く飛ぶことができる。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 永遠の生はなく、大切な者との別れはときに唐突で残酷で、十分な言葉を遺すことさえ叶わないかもしれない。それでも、死んでいった人たちがくれた想いは時間を超えて伝わるし、それを受け取った者たちが変わっていける可能性は、ムゲンに広がっている。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 さらに言えば、スピンオフのDTCでさえも、早逝した者が悲しみ以外に遺してくれたメッセージを真摯に描いている。父親が録音していた言葉から、自分の名前に込められた祈りを知った愛は、新たな家族の形で生きていくことを決める。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 少しだけ脱線するようだが、そんな彼女の背中を押したダンの「もう一回だけ頑張ってみること」という言葉も、苛烈な戦いの中で一度は仲間と袂を分かちながらも、その先にある可能性を信じて再起し、仲間たちと自由に走るという未来を掴んだ、彼だからこそ言えることだったのだろう。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 長い長い戦いの果てに、「何にも縛られず、自由に走れ」というかつての龍也さんの言葉を作中で実現したのは、彼と直接の関わりが一切なかったDTCだった。そしてまた彼らとの出会いが、まだ幼い愛とその周囲にも、大きな変化をもたらす。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 テッツが語ったように、たとえそれが喧嘩でなくても、或いは拳で解決できないことでも、同じように熱い思いを持って臨めば、きっとその戦いは新たな未来に繋がっている。そうして様々に形を変えながらも、死んでいった者たちの想いは、生き抜くことを決めた者の心へとムゲンに伝わり、広がっていく。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 ザライブの最後で語られたように、きっとそのことは物語の内外を問わない。その想いを受け取った一人一人がムゲンの継承者であり、これからの可能性に満ちた主人公……「全員主役」なのだ。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 「永遠はなくても、ムゲンはある」「全員主役」宝塚が愛に溢れたHiGH&LOWの前日弾談を丁寧に作り上げてくれたおかげで、6年以上ずっと心のど真ん中にあったこの言葉を改めて振り返ることができた。物語の半ばで散っていった男たちも含めた、最高のキャラクターたちの系譜を一層愛することができた。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 このことに、老いたハイローファンの端くれとして、最大限の感謝と賛辞を贈りたい。HiGH&LOW THE PREQUEL、本当にありがとう。— 灰色 (@mtkflying) October 23, 2022 ダウンロード copy #舞台 #宝塚 #ハイロー #HiGH_LOW #ヅカロー #High_LOW_THE_PREQUEL 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート