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【遊戯王】1103ゲートボール 寒波亭(東海ルール) ヒーロービート

0. はじめに

少しだけ、自己紹介を書きたいと思う。
2015年ぐらいから競技シーンへ参加し始め、進学・引越し等もあり、2018年11月まででCS等の競技シーンから引退。その後は友人と04・1103ゲートボール・ドラフト等を楽しんでいた。
今回、1103ゲートボール大会で有名な寒波亭さんで東海ルールCSが開催され、それに参加してきたため、使用したデッキに関して記録したいと思う。
当大会のルールに関しては、寒波亭さんの以下ノートを参考にされたい。


1. ヒーロービートの選択理由

1103環境ゲートボール大会へ参加するにあたって、

  1. 環境上位デッキ

  2. 目指すべきチームプラン

以上、2つの認識をチーム全員と共有した。
環境上位デッキに関しては、
今までのシェア・入賞歴から、ガジェット・ヒーロー・六武衆・カラクリ・代行天使・兎ラギア・デブダン・暗黒界と定義した。

チーム全員が社会人であり、また居住地も比較的離れているため、週一回半日程度しか練習会が開催できなかった。そのため、対戦の試行回数が稼げず、他の参加者に比べて練度で見劣りすることが考えられた。その結果、デッキ内のカードの効果を確実に把握しているテーマを選び、テキスト間違えなどのケアレスミスを減らす方が勝率が見込めるという結論に辿り着いた。

また、東海ルールの都合上、三人全員が原則として別々のアーキタイプを選択しなければならないことがある。
上記を加味した上で、シンヤがカラクリを、してぼが暗黒界を選択した。
私は、ゲームプランの明確さ・トリッキーの少なさ・あらゆるテーマに対するメインデッキの丸さ から、E・HEROビートダウン(以下:ヒロビ)を選んだ。
チームメイトの構築や、暗黒界のブログも公開されているため、共有させていただく。


1.1 補足:アーキタイプごとの組み合わせ

東海ルールでは”同一カードはチーム内3枚まで”という縛りが存在する。そのため、”代行天使×3”というようなチームは原則構築できない。
(理論上は組めるが、アース等のキーカードを分け合ってまで組む意義が存在するか?という話である。)
この縛りはもちろん汎用カードにも適応されるため、似たような汎用カードを採用するテーマをチーム内に複数採用することが難しくなる。

例えば、採用する罠が似通っている、”ヒロビ”と”ラギア”、TG・謙虚を使う”TG天使”と”TGガジェット”があげられる。
また、逆の発想として、制限カードはチーム内で妥結の必要なく採用可能である。

そのため、制限+固有カードで防御が成立するデッキテーマである、デブダン・六武衆・暗黒界・アライブ(・カラクリ)を採用しやすく、
また、関東でシェアの大きいTGガジェと採用カードが被る、ラギア・ヒロビ・TG天使はガジェより少ないと考えた。

我がチームでは、永続に完封されやすい暗黒界にバック破壊を、前除去魔法罠をカラクリ・ヒロビで分け合う方向性となった。


2. デッキリスト


高打点の下級モンスターを良質な魔法罠で防御し、メインデッキのモンスターでのビートダウンによる決着を目指すテーマと解釈し、このリストを組み上げた。


3. メインデッキ

オネスト

ビートダウンの成立に最も大切な"バトルに負けない"ことを手助けしてくれる一枚。ミラー・ラギア・六武衆等の戦闘破壊が除去のメインとなるテーマが多い今環境では必須と考えた。

召喚僧サモンプリースト

実質、召喚権のかさ増しとなるカード。
ライオウ維持下ではエマコ・謙虚・増援が死に札となってしまい、マウントを取れている状況であるにも関わらず攻め札を追加できず、時間を稼がれてしまい、ゲームをひっくり返されることが気になった。そのため、これらの死に札を攻め手へ変換できるサモプリを採用した。
このデッキの問題点として、アナザーにアクセス出来ないと腐るカードが多いことがあるが、デッキからピンポイントに好きなモンスターを抜いて来られることも評価できる。
本戦でも、対ラギア戦でライオウの横にNSし、オネストをリクルートしてライオウ・オネストの構えを作ることで盤面を渡さずに勝利できた。

超融合

基本的にアド損なため、複数回発動することを前提としたゲームプランは適切ではないと考えた。しかし、1ターン内で繰り出すことが出来る手数が少ないヒロビにおいて、貴重な後手の解決札でもある。
練習過程では、カラクリ相手の後手でのみ複数枚欲しい場面に遭遇したため、メインは割り切りピン差し採用とした。
実際にはサイクロンを分け合う都合から、アライブが想定よりも多く、本来なら有利マッチであるものの超融合の枚数差で不利に立ってしまった。

禁じられた聖槍

基本的にはサイク・デュアスパのかさ増し。ヒロビ相手の定石として、
”アナザーに奈落・幽閉といった単体除去を当てない”
というものがある。しかし、こっちがデュアスパを持っていようがいまいが、当ててくる相手はいるのが現実であり、デュアスパでは弾ききれないことを問題点と感じていた。また、リリースしてしまうため、一時的なボードアドを得られていても、戦線維持できていない事もあまり好ましいと思えなかった。
上記を軽減しつつ、オネストと同様に"バトルに負けない"ことを補助してくれるため採用。

リビングデッドの呼び声

単純な打点としてだけでなく、HERO以外の下級は”場に存在する”ことが強いモンスターが多いため、繰り返し呼び出す方法として採用。

心鎮壷のレプリカ

サイクロンのかさ増し。永続に弱い暗黒界をチームに抱えるため、砂塵を採用できないことからこのカードを選択。優先権で発動することで、伏せを無視して着地・攻撃が出来ることが巧ぶりポイント。
マジシャンライラが良かったかなと思う場面はあったが、攻撃宣言時に優先権で発動し、ミラーフォースを透かすことで勝利したマッチがあったため、これでよかったと思う。

4. エクストラデッキ

E・HEROガイア

カラクリ相手の後手で、1ターン目にガイアを使うことがあり、その場合だと2枚目が必要なタイミングが発生するため、2枚採用とした。

波動竜騎士 ドラゴエクィテス

超融合用。パルキオンとスタダが渋すぎて採用。

エヴォルカイザー・ラギア

サイドプランとしてグアイバを採用したため。

5. サイドデッキ

異次元の女戦士

六武衆・暗黒界・代行天使・マシンガジェ等の高打点モンスター対策として採用。練習段階でラギア・HERO相手の信頼性を測れておらず、日和った結果、本戦でサイドinせず負けたマッチがあることを反省したい。

霊滅術師 カイクウ

ジャンド・暗黒界のリソースを刈り取りつつ、門を封殺しソーサラーをケアできるため採用。
DDクロウと比較して、このカードが正解だったかはわからないが、ビートダウンに寄与できる打点を有しつつ、ラヴァルもワンチャン見れそうと思い、このカードを選択した。

ジュラック・グアイバ

ジャンドの裏守備を踏むためのカードとして採用。
バルブ等のブラフだとラギアが成立し、ライコウであった場合も前を残せることを評価した。

抹殺の使徒

サイドチェンジ後、ヒロビに対して裏守備が多用される傾向にあると感じたため採用。基本的に裏守備に対してノーリスクで発動できることを評価した。デッキチェックは効果処理の一部なので、必ずお互いに実施する必要がある。(04で勉強するはず)

超融合

特定のマッチアップでは複数回の発動を狙うゲームプランをサイド後選択するため。

転生の予言

暗黒界・デブダン・HEROに対して、墓地リソースを刈り取る目的に採用。

ダスト・シュート

先攻でしか入れたくないため、サイド後からの採用にした。

次元幽閉

対ビートダウン・暗黒界向けカードとして採用。
東海ルールで暗黒界が増えること・サイク砂塵を分け合うことから、普段より攻撃反応が通りやすいと考えた。

強制脱出装置

元々、ビートダウン向けに "魂を削る死霊" の枠であった。しかし、東海ルールなので8強以外のデッキが普段より多いこと・調整段階で死霊の強さに疑問を抱いたことを考慮し、あらゆるデッキに対して丸い脱出装置を採用した。

6. 各デッキへのプラン

先ほど定義した8強に対するゲームプラン等の雑感を記載する。

vs ガジェット

メイン戦はヒーローの打点やライオウが刺さるため有利な傾向。フォートレス・パルキオン・トリシューラ・血の代償に注意してプレイすれば、モンスターさえ維持できれば負けないと感じた。
サイド後は墓守の偵察者が流行しているため、一転不利といった印象。Def2000を超えるために展開したところで罠を踏み、戦闘破壊できても後続を残されるため、ランク4・6シンクロで解決されることが多い。

サイド後は相手の場にガジェットを残さないことをより意識してプレイした。ガジェット単体では脅威にならないがガジェットが2体並ぶことでエクシーズモンスターに繋がりヒロビにとっては脅威になる。
ガジェット自体のプレイはハンドアドバンテージを失わない行為なので、ガジェットに除去を打つとこちらが一方的に損をする形になる。
そのため、ガジェット自体の除去方法としてはハンドアドバンテージで損しない戦闘破壊をメインプランに定めた。ただガジェット側はヒロビ相手に当然除去を使用するため、その除去をどうやって避けて、戦闘破壊を達成するかが課題として上がった。

超融合はそのガジェット+除去に対してのキレイな回答で、相手の除去に合わせる形でガジェットを吸い込みつつ超融合を使用することでアドバンテージを失わず前にモンスターを維持し続けることができる。ついでに相手の場のガジェットを退かすため、場に残させないコンセプトにマッチする。超融合自体は消費の激しいカードで、除去にチェーンしつつ相手のモンスターを吸い込まないとアド損するカードではあるが、 ”除去を打たないガジェット”・”ガジェットを召喚しないガジェット”は存在しないことからサイドから追加するプランを取った。
また、墓守の偵察者をサイドインするガジェットが増えている都合、こちらも抹殺の使徒という専用メタを用意して相手プランの破壊を試みる。抹殺の使徒という選択自体は、相手の取るプランによっては腐るカードだが、超融合のコストになることが積極的な3枚採用を後押ししてくれる。
そもそも超融合自体が、誤って効果起動を許してしまった偵察者をアド損してはいるがまとめて処理を任せられるカードなのも評価できる。

vs 代行天使

ライオウが刺さるマッチアップであり、メインにクリスティアの回答があるため、比較的有利な印象。ヒュペリオン・トリシューラに気をつけながらプレイしたい。

vs デブリダンディ

完全な不利マッチ。ハンターライコウがどうしようもなく、裏守備をデュアスパで弾くにも限界がある。また、シャイニングがソーサラー・ブリューナクに無力であり、ブレイカーを採用していないため、カタストルの回答も基本的に汎用魔法罠に頼るしかない。除去罠が薄い傾向にあるため、リビデ・ミラクル・超融合を駆使して最速でライフを削り取ることを心がけた。

vs カラクリ

ライオウが刺さるマッチアップではあるが、小町のDefや兵のキレイな処理が難しいため代行やガジェほど有利ではない。また、先攻ナチュビ・無零怒を返すのに、超融合もしくは良質な罠が必要となるため、ゴリ押されることも珍しくない。
今回はキメフォを採用していないため、それだけ他マッチよりは寄せ切れていない部分が否めない。しかし、チームメイトがカラクリ使用者であり、自分自身も理解度に関して自信があったため、超融合・抹殺の使徒・グアイバで対応出来ると判断した。

vs HERO

最も理解度が低かったマッチアップ。デュアスパ・超融合などの読み合いに関して、もっとしっかりと練習しておけばよかったと感じた。
ゴーズ・魂を削る死霊の不採用も響いたと思う。理解度が低いからこそ、イージーウィン出来るカードをサイドボートに採用するべきだった。
余談にはなるが、プレイ難易度は上がるがアライブHEROの方がチーム編成の面ではフィットしていると感じていた。しかし、R-ライトジャスティスをブッパ気味に発動する行為が生理的に無理で、練習中に使用を断念した経緯がある。

vs 六武衆

周りに使用経験のある人がおらず、対戦経験もほとんどないため、正直かなり不安であったマッチアップの1つ。サモプリがシエンを踏まずにパールを立てれるため、従来のヒロビに比べて対応力は高そうではある。
本戦でも対面する機会が無かったため、正直わからない。

vs 暗黒界

事故が多く、下級に打点で負けないため、回っていないタイミングでは基本的に有利マッチではある。しかし、門の成立や上級が着地すると一転してかなり不利になるため、かなり前のめりなゲームプランを意識した。

vs 兎ラギア

元々少ない読みであり軽視していたテーマ。基本的にあまり有利ではないマッチアップではあるが、本構築では戦闘破壊の成立に重きを置いているため、結果的にある程度寄せたような構築になっていた。
Atk2601以上のモンスターの回答が向こうに少ないため、高打点の維持を心がけてプレイした。

7. 不採用カード

調整段階で検討したがボツとなったカード・プラン、検討しなかったが試してみてもよかったカードを一部紹介する。

サイバー・ドラゴン(キメラテックフォートレスドラゴン)

無零怒・ナチュビに対する解答とはならないこと。ガジェ相手に超融合メインのプランを選択したため不採用とした。

魔導戦士ブレイカー

サモプリと迷った枠。サモプリでライオウ出した方が全てのデッキに強くね?となりメインから撤退。
サイドラ・プリズマーと共にサイドに居続けたが、グアイバで罠全部踏めるやんとなり、完全にボツ。

E・HERO バブルマン

ランク4のパワーが低いのと、欲しくない時に引くストレスに耐えれずボツ。

冥府の使者 ゴーズ

致命的に使い方が下手でボツ。

魂を削る死霊

調整段階で毎回召喚権が被り、手札でダブつくのがウザくなりボツ。

未来融合 フューチャーフュージョン

ゼピュ+未来融合の枠と警告2枚を比較した結果、ランク4のパワーが低いこともあり罠の採用を決断した。

R ライトジャスティス

多伏せに対して、ブッパ気味に発動する行為が生理的に無理でボツ。

ヴァイロン・ディシグマ

結果論にはなってしまうが、ガジェ・カラクリが少なく、ガイア2枚目の必要性が低かった今回のマッチアップにおいて、ディシグマを挿しておくことで、メインでのカタストルの解答が増えるため、エクストラ15枚目として採用する価値があったのでは?と思った。

ライトロード・マジシャンライラ

サモプリで出てきて、後ろ割ってランク4(主にメロウガイスト)になる動きがジャンド・アライブ相手に必要と感じたことがあった。サモプリnsで奈落激流以外の召喚反応を大体踏んでいるため、攻撃反応をケアしながらランク4へ向かえるライラは試す価値があるカードだと思った。


8. 最後に

東海ルールの仕組みから、普段以上に相手のカードの把握が大切になるため、B卓は暗黒界が座り、カーガン・ライロで採用カードを吐き出していくジャンドはA, C卓に多いと検討した。
そのため、暗黒界への相性から、あえて自分がB卓に座り、してぼがc卓でピーピングしたカードから相手チームの組み合わせを予想することとなった。

本戦結果は以下の通りだった。
ジャンド × ◯ ◯
Bye
ジャンド × ET◯ ED◯(相手ロス)
サイキック ◯ ◯
アライブ × ×
ラギア × ◯ ED◯
アライブ × ×
ジャンド ◯ × ×
Bye込み 5-3だった。
調整環境の都合、HERO・ラギア・六武衆相手の理解度が低かったことが悔やまれる。特にHEROミラーは経験値の差が露骨に出るため、不安要素ではあったが、本戦でもしっかりと負けてしまった。 また、ジャンドがBに座ることが多く、苦戦を強いられたことは言うまでもない。
ジャンド・暗黒界が多いことは想定通りだった。また、六武衆が想定よりも少ないことは、理解度が低い我がチームにとって追い風だった。
一方で、ガジェットではなくラギアを選択した人が多かったため、チーム全体としてラギアに対する経験値不足が目立った。

現代遊戯王では、目まぐるしくゲーム環境が変わるため、事前に考えていたデッキがCS本番の頃には時代遅れとなるケースがある。
一方、ゲートボールはカードプールが変わらないため、どれだけ前からでもデッキを考えることが出来るから、社会人向きだと思った。
しかし、1103.1209などの実際にその時代をプレイしていたプレイヤーに対して知識・経験が明らかに劣っているため、新参で勝ち抜いていく難易度はとても高いと感じた。

チームを組んでくれたシンヤくん・してぼさん
調整を手伝ってくれたあまよるさん・ぽんこつさん
大会を開催してくださった寒波亭運営のみなさん
本当にありがとうございました。

もし御厚志を賜れるのであれば、有料部分購入から投げ銭していただければとてもありがたく思います。
(2024/4/30の時点、有料部分の内容はありません。もし気が向いたらGw中に出場した個人戦のレポートを記載するかもしれません。)

最後にガジェット相手のプランを考えてくれた、チームメイトのシンヤくんにこの言葉を送りたい。
”死せるガジェット生けるシンヤを走らす”

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