パラレルキャリアが何なのか分からなかったから、何なのかめっちゃ考えた:後編

2019年9月27日に、大阪市のOBPアカデミアで行われた人生100年時代の働き方を考える交流会、コレハタナイトに参加した感想と考察です。

前半では世間が言うパラキャリとは何か、そして誰にとってパラキャリという言葉が必要なのかについての私なりの考察を述べました。

後半ではパラキャリという言葉が必要になる環境の考察と、結局我々はパラキャリしなきゃいけないのか、するのであれば何からすれば良いか、について話したいと思います。

理由②パラキャリをしたくても出来ない環境の打破のため

前半で述べた理由①は「シンキャリ(会社に週5日お勤めで本業を1つしか持たない会社員=シングルキャリア)がこれから意識的にパラキャリに向かうため」でしたが、理由②はいざパラキャリをはじめる時に発生する問題の解決のために必要では?という話です。

理由①で思い立ったシンキャリマンが「パラキャリしてみよう!」となった時に壁となるもの。
それは…シンキャリ環境です!

これまでの環境はシンキャリをすること前提で整っていました。
それを変えなくてはいけなくなります。
家と会社の往復をしているシンキャリが変えなきゃいけない環境は、当然「家」と「会社」です。家=家庭環境に関しては、個々の事情がさまざまにありすぎるので、ここでは言及しませんが、パラキャリという言葉によって変わるであろう、会社=職場の環境についてお話します。

・変えなきゃいけない職場の環境
みなさんのお勤めの会社はどんな職場環境でしょうか?
もし、会社も社員も本業に全てを注ぐ前提でいたとすると、この環境を変えるのは中々大変です。
本業の時間を減らし、空いた時間で他のことをしたいところですが、残業しないと、休日出勤しないと、仕事が回らない…ここまで余裕がない働き方だと、パラキャリ以前に厚生労働省推進の働き方改革を、と言いたいところ。
会社の働き方改革を率先して進めるか、あるいは諦めて転職してしまうか、という二者択一になりそうです。

では転職すればどうなるか?新しい環境に慣れるまではパラキャリどころではないかもしれませんが、慣れてきて以前より時間が確保出来るようであれば、パラキャリへの近道となりそうです。

また、「きっちり定時で帰れるよ!」という環境でも、体力面の心配があります。
当たり前ですが、年齢と共に体力は衰えますし、もともと体力に自信のない方もいると思います。そうなると、勤務日数を週5日より少なく出来れば…と思うのですが、これは現在の正社員雇用としてはとてつもなく高い壁ですよね。

今現在の世間で言われているパラキャリは、正社員で週5日フルタイム働いた上に、さらに何か別のキャリアを形成しているというイメージがあります。

今回コレハタナイトにパラキャリ人材としてお越しになっていたゲストのお二人をはじめ、パラキャリ人材として活躍されている皆さんは、お話しを聞いていると、驚くほどの活動量なんですよね。
同じペースで活動するなんて、体力がない私には到底無理です。なんで休みの日までマラソンしてるの…私は寝たい…( ˘ω˘ ) スヤァ…

何事も始まりは、このような強い人が先駆者として切り開いてくださいます。
しかし、そのあとに続け!となると、自分と先駆者を比べて、同じことはとても出来ないなと、夢の話で終わってしまいそうです。

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頑張りたいのはやまやまですが…


・変わりそうにない職場環境は諦めるしかない?
今の職場環境を変えることが出来ないのであれば、もうパラキャリは出来ないのでしょうか。

さてここで再び働き方改革です。下記は厚生労働省の「働き方改革」のページから引用しました。

「働き方改革」の目指すもの
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

厚生労働省ウェブサイト 「働き方改革」の実現に向けて

「一人ひとり、多様な働き方(週5日フルタイム以外の働き方)を選択できる社会を実現」とあります。

とは言っても、普通の一会社員が組織の中から自分の「働き方」を「改革」するって、そんなの普通に考えて無理じゃないですか?
パラキャリ先駆者のみなさんも、「会社での環境をいきなり変えようとしてはいけない、ゆっくり変えていかなきゃいけない」と助言をくださっています。
屈強な先駆者ですら、ここまでゆっくり時間をかけて進めてきた自身の「働き方改革」。私のような体力・気力共に自信ありません…みたいなタイプは、そもそもスタートすることすら出来そうにありません。
会社に週4日勤務の交渉、出来ると思うならもうやってますよね?!

なので、この国からのお達しを皮切りに、大企業からじわじわと、最後は中小企業までくまなく改革される、それが世の流れとなってほしい、と先駆者となるような人たちに比べて弱い自覚がある私は願っております。(とっても他力本願ですが…)

というわけで、やはり日本では働き方改革とパラキャリがセットだと思います。

大企業は時代の最先端を行きたいでしょうし、世の中がその風潮になってしまうと「うちはシンキャリのみ!」と動かなかった企業も、働き方改革せざるを得ない状況になるのではないでしょうか。

人間は変わることには抵抗がありますが、変わってしまったことに対してなら、きっと慌てて対応するはず!

なので敢えて「パラキャリ」という言葉を先行させ、事例が世の中に広がることで、世の中の空気はすでに変わった、だから自分たち企業も変わらなきゃ!となれば、現在の職場のまま、堂々とパラキャリ道を進むことが出来るようになるのではないでしょうか。

・働き改革による職場環境が変わるまでに出来ること
そうすると、「パラキャリになるには、働き方改革で会社が変わるまで待たなきゃいけないの?」とお思いかもしれませんが、できることはただ待つだけではありません。パラキャリしたいと思っている人は、そのタイミングが来た時に存分に活動出来るよう、今からでも情報を集めるとか、少しずつでも興味のあるものになるべく触れておくなど、準備をすると良いと思います。

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ご自身の活動の説明を交えながら「簡単なことからやってみよう」と後押ししてくださったゲストスピーカーの中西さん


もうすでにパラキャリの活動を始めていて、職場の環境が整わず歯がゆい思いをされてるという方には、もうご存知かもしれませんがこちらの本を紹介しておきます。
仲山進也著『組織にいながら、自由に働く。』


楽天の正社員でありながら自身の会社を立ち上げたり、Jリーグ加盟のサッカーチームとプロ契約したりと、周りから見るととても自由な働き方をされている仲山さんが、いかにこの状況を作っていったかのプロセスが書かれています。

これから始めたい人にもちろんおすすめですが、特に自分一人ではどうしようも出来ない環境だと思われている方は、仲山さんが辿ったプロセスから、何か参考に出来そうな対策が見つかるかもしれません!グッドラック!

結局パラキャリはしなきゃいけないのか?

いうわけで、結局「パラキャリ」という言葉は

・今は本業しかないシンキャリな人に向けて、シンキャリ以外の選択肢、可能性があるということを伝えるため

・そしてシンキャリの人がこれからいろんな可能性に進めるよう、パラキャリという言葉で環境を整える一助とするため

にあるのかなと思います。

私はドラッカーの名著たちを読んでいないので、彼が元々どういうつもりで言っていたのかは断定出来ませんが、今の日本で「パラキャリ」という言葉が必要なのは、上記の理由ではないかと思っています。

言葉の話なんか聞いてないよ!と言いたい方がいると思いますが、結局、その言葉が必要な人だけの問題なのだろうと私は思います。

というわけで、ここまできたらもうお気づきだとは思いますが、パラキャリしなきゃいけないのかどうかは、ご自身がそれを必要と思うかどうか、です。ただ、これからどんどん社会は変わっていき、これまで当たり前とされていた常識がどんどん変わっていきます。なので、これからを生きる私たちも、今の常識が何か、これからの常識がどうなるかを知り、考えた上で、自分の人生をどうしたいかを判断する必要があると思います。

もし今あなたが既にパラキャリ状態だと思われたら、今のまま、パラキャリという言葉なんて気にせず、今ご自身が取り組まれていることにこれまで通り向かってください。わからなくなったら、こんな記事なんて読まず(でもここまで読んでくれてありがとう!)、具体的に聞きたいこと(が、きっとあるはず)を知っていそうな人に聞きに行ってください。

自分はシンキャリだけど、今の仕事は最高に楽しいし、これからもシンキャリで問題ないけど、という方。会社勤めがうまく行かずにフリーランスになった私は昔、あなたにとても憧れていました。ひとつのことをずっとやり続けることが出来るのは、本当にすごいことです。これからも、憧れのあなたいてください!

さて、自分の将来を考えた結果パラキャリしようと思った方
「じゃあ何したらいいの?」と次の行動が見えていない場合を踏まえ、私なりの次の行動を考えてみました。少しでも参考になることがあれば幸いです。

今から何をすればいいのか?

自分にはパラキャリという言葉が必要と感じた方は、自分は本当はどうしたいのか、将来どうなっていたいのか、一旦世間の声は置いて、今一度自分自身に聞いてあげてください。

もし、実はもう既にやり始めている、もしくはやりたいものがあるという方は、その実現に向かって、現実的で具体的な道筋を考えて、ご自身のキャリアをぜひ築かれてください。戦略的に環境を変えて!情熱的にやりたいことを楽しんで!

やりたいものがあるけど、どう始めればよいのか分からない、という方は、まずはその道のプロや先輩を訪ねてみてください。
仲間が欲しい、と思う方もいるでしょう。仲間は、頑張ってやり進める中で自ずと出会えると思うのですが、もしなかなか出会えないという場合は、コミュニティーを頼るのもひとつの手です。今はSNSやオンラインサロンなど、目的に沿って集まる仲間と気軽に出会うことが出来ます。1人でやり遂げるのは至難の技ですが、仲間がいれば励まし合って、お互いフィードバックして、一緒に進むことが出来ます。

最後に、何をしたいのかすらわからないという方。全然焦らなくていいと思います。パラキャリという言葉は一旦置いて、まずは興味があるもの探しをしてみてください。見ているのが好き、やってみたらちょっと楽しいな、くらいの感覚で、ゲームでもスポーツでも気まぐれに試してみると、そのうち思わぬ出会いがあるかもしれませんし、色々試すうちに、興味をもつというスキル自体も成長します。たくさんのことやもの、情報に触れてみてください!

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自分でやることも応援することも、新しい一歩!

それでも、どうしても、何からすれば良いか悩む、ということでしたら、私が今回参加したコレハタナイトのような今の生活で出会わない人たちが集まりそうなイベントに出かけてみるのはどうでしょう?何かヒントが得られるかもしれません。
ちなみにコレハタナイトの開催情報はFacebookページでチェックできます!
だいたい月1回の開催なので、何度でも行くチャンスがあります、安心!

これを読んでくれたみなさん(ついでに私も)、それぞれ望んだ道を、自分の意思で進めるようになれますように!

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