#3 ピッチングにおける下半身の動作について〜第1回「はめ」

【下半身を使え】って何?

さて、投手をやったことある人はきっと
指導者にこんなことを言われたことがあるでしょう。

「下半身をもっと使え!」

「足腰を鍛えろ!」

「走り込んで下半身を作れ!」

そう、昔から下半身の重要性というのは
野球界で言われ続けていることです。

しかし、
下半身を使うとはどういうことなのか?
具体的な内容は理解はされているのか。

今回から下半身の動作について
私の意見を3回の記事に分けて紹介していきます。

その3回の記事の内容は

①はめ

②横移動

③爆発

です。

この表現の仕方は私独自ですが、
1番しっくり来るので私はよく使ってます。

今回はシリーズ第1弾として

**「はめ」について説明していきます。 **

ちなみに以前、理想的な下半身の使い方を習得するための練習方法をYouTubeで紹介しています。
見てないという方は⬇︎下の画像押したら見れるので、良かったらポチッと⚾️

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「はめ」とは

(投球場面でいうとこの場面 ヒップリフトあるいは立ち動作と表現される)

**「はめ」とは、形としては力みを抜いたまま
軸足と反対側の足を上げ、重心移動開始までの準備段階のことです。 **

ヒップリフト(踏込脚を上げる動作)を行った後、重心を前方へ崩す場面の際に

しっかりと軸足側の股関節が
安定したポジションである必要があります。

その後のフォームの中で
パワー発揮しやすい形を作るためには
ヒップリフト(※立ち動作)の時点では股関節をしっかりと「はめる」必要があります。

※立ち動作はヒップリフトとほぼ同義です。
以下はヒップリフトと全て表記します。

**つまり「はめ」とは準備です。 **

普段は解剖学的な単語を沢山使って解説してますが、ここのシーンでの「はめ」という言葉はまあまあ感覚的なものです。

「骨で立つ」
という表現をする指導者もいますね。

ヒップリフト時に余計な力が入っていない動作となれば再現性が高く、安定したパフォーマンスを発揮します。

**よくあるエラー動作はヒップリフトを行う際に"骨盤が後傾"してしまう事です。 **

先程までの話の立ち姿勢では
骨盤は※ニュートラルポジション(前傾でも後傾でもない状態)である事を前提にしています。

(※厳密には足を上げた際に綺麗に骨盤を立てているように見える場合でも、骨盤は若干後傾位ではある。 今回の記事では見た目上、綺麗に骨盤を立てている状態をニュートラルポジションであるという体で話を進めます。 )

ちなみに
骨盤前傾と骨盤ニュートラルの状態でヒップリフトを行う選手はプロでそれぞれよく見かけますが、骨盤後傾でヒップリフトを行う選手は殆どいません。

ヒップリフト時の骨盤後傾を悪と考える理由

スポーツ動作で下半身のエネルギーを上半身で伝達する動きをする際は、骨盤後傾で行う動作はパワーロスが起きるとされています。

ヒップリフト時だけを考えるのであれば、
ここで骨盤後傾するのは大きな問題はありません。
(特にパワー発揮しないから)

投球動作であれば
着地をするまでに前傾の形を作れれば良いから、ヒップリフトでは骨盤は後傾していてもも構わないという意見も耳にしたことがあります。

が、私はそれは好ましくないと判断しています。

ヒップリフト(立ち動作)で骨盤後傾になるということは、ハムストリングや臀筋群が硬い可能性があります。

立ち動作ですら骨盤後傾しているのではれば、日常のあらゆる動作で骨盤後傾が癖になってる可能性があります。
(普段の座り姿勢や立ち姿勢)

日常で使わない筋肉というのは硬くなる傾向がありますが、日常の癖で骨盤が後傾していて特にケアをしていないのであれば骨盤後傾の原因となる筋肉の硬さは酷くなる一方です。

もし、今まっすぐ立てない事に悩んでいる投手は骨盤後傾の原因となる筋肉に目を向けてください。

(⬇︎下記動画是非参照ください)

YouTube動画
全身を伸ばすセルフストレッチ
⚾️

また、投球の立ち動作ですら骨盤をニュートラルな状態を作れないのであれば、その後の動作にエラーが起こりやすいと考えています。

何故なら、骨盤後傾を許す立ち動作では
日常の姿勢の乱れ具合(疲労など)に
度合いが左右され日によって骨盤後傾が酷い日とあまり酷くない日などバラツキが生じるからです。

**とするならば、
骨盤後傾のヒップリフトで安定したフォームを作り上げることは難しいはずです。 **


まず、パワー発揮しやすい姿勢とは骨盤前傾です。

次の記事で詳しく書く予定ですが、
軸足がパワー発揮する際は骨盤は前傾状態であるべきです。

つまり、ヒップリフトのその後の骨盤の動作とは骨盤ニュートラルポジションから骨盤前傾状態へ持って行く必要があるということです。


**立ち動作が骨盤位置ニュートラルな人は
そこから前傾へ持って行く距離は日によるバラツキは少なく安定しますが、 **

**骨盤後傾している人は、その日の後傾具合によって骨盤前傾への距離が変わるはずです。 **

**つまり、日によるフォームにバラツキが出ます。 **


ヒップリフトを深く考えている人は少ないようで、私がアドバイスしている選手でここが出来ていない選手は非常に多いです。

ただ、先程も書いた通り私が表現で使う
「はめ」とはあくまで感覚的な話です。

今回は分かりやすいように

骨盤前傾と後傾についてスポットを当てて解説しましたが、足を大きく上げると多少は骨盤は後傾せざるを得ませんし

どこからがダメなのか線引きは難しいです。

ですが、

私は普段足を上げた時に軸足の股関節が「はめ」られているか?
フォーチェックをする際も「はめ」が出来ているかを重視しています。

感覚的とはいえ「はめ」については知ってほしい内容だったので今回の記事を作成しました。

最後に「はめ」の感覚を得るための
エクササイズを2つ紹介します。

字だけだと分かりづらいと思うので、
そのうち私のYouTubeでも紹介しようと思います。

今回は参考程度で。

乗せエクササイズ①
**・軸足ジャンプ **

骨で立つ感覚を得るために、
軸足で立った状態でジャンプします。
しっかりと体重を股関節で受け止める感覚を掴みます。

私はよくキャッチボールの合間にやったりしています。

数回ジャンプしてから、そのままボールを投げると軸足に乗る感覚も掴めてオススメです。
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乗せエクササイズ②
・股関節挟み込み
足を開いた状態から、踏み込み足を軸足側の後ろ側へ小刻みに持っていきます。

慣れてきたら、小刻みではなく
すーっと持っていきます。

最初は軸足側にかなり力を入れなくては
できないでしょうが、感覚を掴むと
余計な力が入らなくなってきます。
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「はめ」の感覚はピッチングフォームにおいて日によるバラツキの少なく出来る部分であり、また個人的には調子のバロメーターにもなっています。

まさしく、私にとってはピッチングフォームの原点です。

今までヒップリフトをあまり重視していなかった方は是非見直してみてください。

そして、
この「はめ」の感覚を実感してください。

少年野球からプロの選手まで、
ここをないがしろにしてはそれ以上の
向上は望めないと考えていいでしょう。

ヒップリフトだけでこれだけ長文になりましたが、下半身の使い方はそれだけ奥が深いということですかね。

まとめ

①「はめ」は感覚的な話だが重要な準備である

②骨盤をなるべくニュートラルにして立つべし

③骨盤後傾で立つとフォームが安定しない

今回の記事はここまでとします。

次回、
「横移動」
について書いていきます!

お楽しみに!

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では、また。

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