【読む】インタフェースデザインの心理学❸
備忘録。以前読んでいた本の気になった箇所だけめも。
❷はこちら。
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針 Susan Weinschenk
第3章 | 人はどう記憶するのか
<019:ワーキングメモリの限界>
例えば電話中に電話番号を告げられたものの、近くに紙もペンもなく、忘れないように頭の中で何度も繰り返し、電話を早く切ろうとする。
このように短い時間だけ覚えておくことを、短期記憶、ワーキングメモリ、作動(作業)記憶と呼ぶ。この本では1分足らずの間だけ覚えておく時に使う記憶を「ワーキングメモリ」と呼んでいる。
ワーキングメモリに覚えておける情報量はそれほど多くなく、電話番号を覚えようとしている時に話しかけられると番号を忘れてしまう。ワーキングメモリは集中する能力と深く結びついているため、情報を留めておくにはそこに注意を向け続けなくてはいけない。
なお、ストレス(前頭前皮質の活動低下)でワーキングメモリの効率は低下する。
感覚系からの入力量とワーキングメモリの間には逆の相関がある(一方が増加すると一方が減る)。ワーキングメモリの機能が優れている人は、自分の周囲で起こっていることを選別して無視する能力に長けている。
周囲からの感覚刺激をすべて遮断し、ワーキングメモリだけに注意を向ければ、それを覚えていられる。
※ワーキングメモリの容量と学校の成績は比例している。(研究結果あり)
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<020:一度に覚えられるのは4つだけ>
人は情報の処理を邪魔されなければ、3〜4個をワーキングメモリに覚えておける。
記憶力を補う工夫のひとつは、情報をいくつかのまとまりに分けてグループ化すること。
0120999373
0120-999-373
同じ数字でも、まとまりをつくることによって覚えやすくなる。さらにフリーダイヤルの0120は数字の並びを覚える必要がないため、ひとつめのまとまりを無視できる。
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<021:情報を覚えておくには使うことが必要>
記憶したことを短期記憶から長期記憶に移動させるにはどうしたらよいか。
脳の中には情報を保持するたくさんの神経細胞ニューロンがある。単語、文章、歌、電話番号などを覚えようとするものを繰り返すたびに、ニューロンが発火する。
その電気信号がニューロンの中を流れていき、隣のニューロンとの間のシナプス間隙(かんげき)を伝わる。ふたつのニューロンが活動すると、その間の結合が強まる。それを何度も繰り返すと、発火の痕跡が形成され、最初の刺激だけで残りの項目が想起され思い出すことが可能になる。繰り返すことで脳の物理構造が変化する。
新しい情報がすでに記憶されている情報と結びつけられれば、長期記憶に入れることが容易になり、取り出しも容易になる。
「頭」とは何かと聞かれたら、目、鼻、口、耳、髪の毛などの部位をあげることができる。情報をひっるめて統合し、頭と呼んでいる。こうした「関係を表現する枠組みや図式」をスキーマと呼ぶ。多くの情報を整理し結合するのに役立つ。
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<022:情報は思いだすより認識する方が簡単>
この記事の冒頭に記載した単語を思い出してみよう。
リストにないものをあげていたら、それは「オフィス」というスキーマに合致したものではないか。オフィスというスキーマに気づいていたが、間違ったものを含めてしまった。これを包括エラーという。
このテストは想起課題とよばれ、たとえば実際にオフィスに行ってどのアイテムがリストにあったかを尋ねると、認識課題というテスト法になる。認識は想起よりも簡単。認識にはコンテキスト(文脈、周囲の状況)が利用され、記憶を助ける。
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