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バッテリーからカメラを考察【LUMIX&SONY】

皆さん、こんにちは。I'm a graphic designerです。
今回は、バッテリーサイズからカメラを考察するという何ともニッチでマニアックな回となります。どうでも良いような地味な内容で、皆さんにご興味を持っていただきお読みいただけるのか未知数ですが、カメラ愛、LUMIX愛にあふれる者の戯言として温かい目でお読みいただけたら幸いです。

今回の主役は、LUMIX S5のバッテリーパック「DMW-BLK22」とSONYのバッテリー「NP-FZ100」を中心に語らせていただきます。それでは、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。では、はじまりはじまり〜。


カメラの大きさが違えば、バッテリーサイズも異なる。相対関係はいかに?
1999年発売のオールドデジカメNikon COOLPIX 950。こちらのバッテリーは、と言いますと
なんと、単三電池4本でした。オールドデジカメでは単三電池を採用するカメラが少なくなかった。
電池と電池の間に余計な隙間が生じてしまい、無駄な空間が生まれる。


バッテリーとカメラ

カメラによってバッテリーの品番が異なります。単三電池や単四電池とかだったら、汎用性が高くなりますが、ボディサイズと長時間撮影で制約が生まれます。まぁ、そういうわけにもいかないですね。

〈 バッテリー → カメラ 
DMW-BLJ31 → Panasonic LUMIX S1
DMW-BLK22 → Panasonic LUMIX S5
DMW-BLF19 → Panasonic LUMIX GH5
NP-FZ100 → SONY FX3
BLX-1 → OM SYTEM OM-1
NB-4L → Canon Powershot TX1
NP-FC10 → SONY サイバーショットDSC-P2

バッテリーの重量

続いて、バッテリーの重量をはかってみましょう。LUMIX S1のバッテリーは、ずいぶんと巨体ですから、どれくらいの重量なのか気になります。

フルサイズ界でもヘヴィ級として知られているLUMIX S1。
カメラボディがでかけりゃ、バッテリーも重量級だ。
LUMIX S1のバッテリー「DMW-BLJ31」。重さはなんと110g!大きいだけに大容量。
長時間撮影が可能なはず。

LUMIX S1のバッテリー「DMW-BLJ31」

〈DMW-BLJ31 主な仕様〉
電圧:7.4V
電力容量:23Wh(3,050mAh)
寸法:約幅72.35mm×高さ21mm×奥行き41.7mm
質量:約110g

LUMIX S1のバッテリー「DMW-BLJ31」から。
重さは110gとヘヴィー級。貫禄があります。
2023年11月17日現在の対応機種は、S1、S1R、S1Hの3機種。かなり大柄なので、このバッテリーを採用すると当然カメラは大きくなりがち。今後どの機種に採用されるか要注目のバッテリーです。S1の後継機はこの「DMW-BLJ31」を採用するのでしょうか?気になります。

2011年12月22日に発売した1インチセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラNikon1 J1は、バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く質量が、約277g。本体のみであれば、わずか約234gでした。S1のバッテリー約2本分しかありません。

2011年12月発売のNikon1 J1は、バッテリーおよびSDメモリーカードを含む質量が約277g(ボディーキャップを除く)。S1のバッテリー3本よりも軽い。



Panasonicのカメラで最も重要なカメラがこのS5系でしょう。
S5系が売れなくては、Panasonicのカメラ事業の存続が危うくなる。
LUMIX S5のバッテリー「DMW-BLK22」は81g。

LUMIX S5のバッテリー「DMW-BLK22」

〈DMW-BLK22 主な仕様〉
電圧:7.2V
電力容量:16Wh(2,200mAh)
寸法:高さ20.9mm×幅56.6mm×奥行39.3mm
質量:約81g

続いて、LUMIX S5のバッテリー「DMW-BLK22」。こちらは重さは81gでした。
2023年11月17日現在の対応機種は、S5、S5M2、S5M2X、GH5、GH5S、GH5M2、GH6、G9pro、G9 proM2の9機種。(もし間違っていましたら、コメントでご指摘ください)LUMIXのバッテリーとして最重要バッテリーがこの「DMW-BLK22」と言って間違いないでしょう。SONYのバッテリーFP-Z100と同等のサイズ感ですし、S1のように大柄なサイズのバッテリーではないので、このバッテリーを採用すればSONY機のように小型軽量で設計が可能でしょう。



マイクロフォーサーズ LUMIX GH5のバッテリー「DMW-BLF19」。
名機GH3やGH4も同じバッテリーでした。GH5は、S5のバッテリーが使えます。
LUMIX GH5のバッテリー「DMW-BLF19」。76gと意外に軽い。

LUMIX GH5のバッテリー「DMW-BLF19」

〈DMW-BLF19 主な仕様〉
電圧:7.2V
電力容量:14Wh(1,860mAh)
質量:約76g

参考までにLUMIX GH5のバッテリー「DMW-BLF19」も調べてみましょう。
対応機種は、GH3、GH4、GH5、GH5S 、DC-G9の5種。重さは76gとS5のバッテリーよりも5g軽かった。ちなみにGH5は、S5のバッテリー「DMW-BLK22」にも対応しています。注意したいのは、その逆で、S5にはこのGH5のバッテリーは使えません。バッテリーの形状が微妙に異なっており、カメラに収まりません。つまり体積はこGH5のバッテリーの方が大きいということですね。


SONY FX3のバッテリーはSONY定番のバッテリー「NP-FZ100」を採用。
バッテリーの背は低いので、カメラの背も低く抑えられるはず。
SONY FX3のバッテリー「NP-FZ100」は83g。
このバッテリーがカメラバッテリー界のベンチマーク的存在。自動車業界のVWゴルフみたいなもの。

SONY FX3のバッテリー「NP-FZ100」

〈NP-FZ100 主な仕様〉
電圧:7.2V
電力容量:16.4Wh(2,280mAh)
大きさ:約 幅38.7×高さ22.7×奥行51.7mm
質量:約83g

SONY FX3のバッテリー「NP-FZ100」。SONYの多くのカメラで採用されているカメラバッテリー界のベンチマークとも言える存在。
対応機種は、α7III、α7SIII、α7IV、α7RIII、α7RIV、α9、α9 II、α9 III、α7C II、α7CR、α6700、α6600、FX3、FX30、ZV-E1と数え切れないくらい無数に存在します。(抜けていたり間違っていたら、すみません…その時はコメントをくださいませ)。重さは83g。意外にもS5のバッテリー「DMW-BLK22」と比較すると「NP-FZ100」の方がわずかながら2gだけ重い。

ちなみにフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラとして世界最小・最軽量(2023年3月広報発表時点)がSONYのVLOGCAM ZV-E1です。バッテリーとメモリーカードを含む重量が約483g。ZV-E1もこのバッテリー「NP-FZ100」を採用したモデル。小型軽量に徹すれば、LUMIXでもこれくらい小型軽量なカメラが開発できるはず。ぜひLUMIXから小型軽量モデルをリリースしていただきたい。


OM SYTEM OM-1のバッテリー「BLX-1」。重さ82g

OM SYTEM OM-1のバッテリー「BLX-1」

〈BLX-1 主な仕様〉
電圧:7.2V
電力容量:17Wh(2,280mAh)
質量:約82g

マイクロフォーサーズのカメラのバッテリーはどうなんでしょうか。OM SYSTEMのフラッグシップカメラOM-1のバッテリー「BLX-1」は、重さ82g。

S5のバッテリー「DMW-BLK22」→ 81g
OM SYTEM OM-1のバッテリー「BLX-1」→ 82g
SONY FX3のバッテリー「NP-FZ100」→ 83g

マイクロフォーサーズといえど、フルサイズのカメラのバッテリーと比べて同等サイズのバッテリーです。厚みや体積は若干ですが「BLX-1」が小さいですね。フルサイズと遜色ない大容量バッテリーでありながら、OM-1はコンパクトなカメラに仕上がっています。



オールドデジカメCanon Powershot TX1。
こんな変態的なデザインって、今のカメラには存在しない。
小型軽量なのに高級感がエグいくらいプンプンと出てます。
Canon Powershot TX1のバッテリー「NB-4L」。今回計測したカメラの中で最も軽い17g。

Canon Powershot TX1のバッテリー「NB-4L」

〈NB-4L 主な仕様〉
公称電圧:3.7V
公称電力容量:17Wh(760mAh)
寸法:35.4×40.3×5.9mm
質量:約17g

オールドコンデジ Canon Powershot TX1のバッテリー「NB-4L」はどうでしょうか。今回計測したカメラの中で最も軽い17gをマーク!1円玉17枚分ですね。これは軽い!カメラボディを小型軽量にするには、バッテリーを小型化しなければ実現しない。



オールドデジカメSONYのサイバーショットDSC-P2。小型軽量で可愛いやつ。萌えますっ!
SONY サイバーショットDSC-P2のバッテリー「NP-FC10」。重さ23g。わずかにCanonに及ばず。

SONY サイバーショットDSC-P2のバッテリー「NP-FC10」

〈NP-FC10 主な仕様〉
電圧:3.6V
電力容量:2.4Wh(675mAh)
寸法:約 幅22×高さ11.7×奥行50.2mm
質量:約25g(SONY公表値)

オールドデジカメ、SONY サイバーショットDSC-P2のバッテリー「NP-FC10」はどうでしょうか?Canon Powershot TX1のバッテリー「NB-4L」と比べ、6g重い23gでした。



バッテリーの背比べ

私の所有しているカメラのバッテリーを机の上に並べました。
こうやって眺めるとひときわLUMIX S1のバッテリーが、背高ノッポですね。大きいカメラはバッテリーも大きいという法則ですかね。間違いなく相対関係がありますね。S5、FX3、OM-1のバッテリーはどんぐりの背比べ状態。わずかにSONYの背が低いようです。

左からCanon Powershot TX1、SONY サイバーショットDSC-P2、OM SYTEM OM-1、SONY FX3、LUMIX S5、LUMIX S1のバッテリー。S1のバッテリーはひときわノッポで大きい。
左:S1のバッテリー 高さ72mm/右:S5のバッテリー 高さ約56mm
16mm程度の差がある。S1とS5のボディを見ての通り。当然カメラボディサイズに差が出てますね。
S1のバッテリーを採用して、カメラの小型軽量化は困難。
注目のパナ/ソニー対決!
左:S5のバッテリー 高さ約56mm/右:SONYのバッテリー高さ約52mm
わずかながらSONYのバッテリーは背が低い。
この差はどこまでカメラボディサイズに影響するのでしょうか。
オールドコンデジ対決! SONY VS Canon
幅こそあれどCanonのバッテリーは背が低い。王者Canon、小型を追求していますね。


バッテリーの厚み

バッテリーの厚みはいかがでしょうか。またまたLUMIX S1のバッテリーが厚いのだろう…と思えば、最も厚みのあったバッテリーは、意外にも22mm厚のSONY NP-FZ100でした。最薄はキャノン。その厚みわずか6mm。わずかな差がカメラボディのデザインとサイズに影響する。

バッテリーによって厚みも異なります。コンパクトが売りのSONYですが、
バッテリーNP-FZ100は、他社のバッテリーと比較して、わずかながら厚みがある。



バッテリーサイズからカメラを考察。

一通りバッテリーの重量をはかったり、サイズを測ったりしてきました。LUMIXとしてはSONYを最もライバル視していることでしょう。S5のバッテリーもα7IIIやFX3のバッテリーは、ほぼ同等の大きさ。つまりはLUMIXが、S5のバッテリーを採用しつつもZV-E1並みにコンパクトなカメラをつくることが可能だということです。

これからLUMIXで発売するカメラはS5よりも軽量でコンパクトなZV-E1に肩を並べるくらいコンパクトなカメラをラインナップにぜひ加えていただきたい。そう、私は願います。市場は小型軽量なカメラを求めているはず。そうすれば自ずとLUMIXのシェア拡大に繋がることでしょう。


バッテリーサイズからカメラデザインを考察

小さなバッテリーを採用すれば、当然カメラボディも小型軽量に設計しやすいですが、長時間撮影を可能にするにはバッテリーの容量を増やす必要があります。SONYのバッテリー「NP-FZ100」をベンチマークとして考えれば、LUMIXとしてはS5のバッテリー「DMW-BLK22」を基準として、カメラを設計してラインナップを拡充することが懸命でしょう。

そこそこ大きなバッテリーをカメラに収めるためには、必然的にカメラグリップがあるカメラボディになる。フラットなカメラのデザインは非常に困難。

S5のバッテリー「DMW-BLK22」を採用しつつ、コンパクトなカメラを設計するには制約がでます。バッテリーをカメラに収めるためのスペースを確保しなければなりません。そうなれば、自ずとバッテリーグリップ部にバッテリーを収めることが好都合でしょう。必然的にバッテリーグリップを持ったカメラデザインに仕上がります。
「DMW-BLK22」採用では、SIGM FPやFUJIFILM XE-4のようなフラットなカメラボディに仕上げることは困難。「DMW-BLK22」よりも小型軽量なバッテリーを設計しなければならない。


カメラのバッテリー収納部。
上からSONY FX3、中央:SONY サイバーショットDSC-P2、下:Canon Powershot TX-1。
バッテリーサイズはカメラボディのデザインに大きく影響を与える。
カメラのバッテリー収納部。パナ/SONY対決。
上:SONY FX3  下:LUMIX S5
素人目には、グリップ部をもう少し薄く造ることができそうに思える。
握りやすさや強度を考慮した答えが、FX3やS5の導かれたカメラのデザインなのでしょう。
上:FX3/下S:S5
バッテリー収納部にはコイル状のバネが存在する。バネにも大小違いがあるようです。
例外的にコイルバネを持たないのは単三電池を採用したNikon COOLPIX950のようなモデル。それでも板状の金属パーツがあるので、板バネと考えれば、どのカメラのバッテリー部にもバネがある。
バネを持たないカメラがあるのだろうか。


バッテリーサイズが違えば、カメラのデザインに自由度も増える。
逆にいえば、バッテリーサイズでカメラボデイのデザインに制約が生まれる。
たかがバッテリー、されどバッテリー。
カメラのデザインばかり注目しがちですけど、バッテリーって重要。


おわりに

いかがだったでしょうか。バッテリーサイズからカメラデザインを考察してきました。カメラが新発売すると、カメラのことばかりに注目しがちですが、実はバッテリーの設計デザインがとても重要だと私は考えます。カメラのモデルチェンジに合わせて、バッテリーが変更されてることがあります。メーカーとしても極力、既存バッテリーを採用したいが、どうしても制約が生じる。新設計のバッテリーを採用すれば、従来のバッテリーは互換性がなくなる。ただカメラを進化させるためにバッテリーのモデルチェンジもどこかでしなければならない。そんな葛藤があるのだろうと、素人の私が考えていたりしてます。
GH5等で採用していたバッテリー「DMW-BLF19」から、S5が発売した際にあらたに設計されたバッテリー「DMW-BLK22」は、体積を減らした上で容量を引き上げ、なおかつGH5などの旧機種でも新バッテリーを使用可能にしました。目立たない地味なことですが、少しでも既存ユーザーを裏切らない姿勢は、素晴らしいと感じます。こういったところはスペックに現れないけど良心的なモデルチェンジですね。

バッテリーの設計/デザインが、カメラのデザインに大きな影響を与えることは間違いのない事実。PanasonicもSONYもバッテリーサイズは同等ですから、フルサイズLUMIXでも、 その気さえあればSONY ZV-E1のようなコンパクトなモデルも造れなくはないはず。S5系よりも小型軽量のモデルを望んでいるのは私だけではないでしょう。フルサイズLUMIXで真のエントリーモデルS7の登場を私は心から望んでいます。(次回、私の妄想LUMIXとして「LUMIX S7」について投稿予定です。)
カメラ好きのエンジニアでもない素人の私が、好き勝手「あーだ、こーだ」と言うのは簡単です。しかし、メーカーの技術者の方は、様々な制約の中で、試行錯誤し、日々絶え間ない努力をされているのだと思います。そのおかげでカメラ愛好家が楽しい日々を送らせていただいているのだと。感謝ですね。現実的に開発予算、売らなければいけない重圧もあることと思いますが、これから登場するカメラに期待してます。
そして、カメラだけでなく、バッテリーに注目しながら、カメラライフを満喫させていただきます。


執筆の励み

最後まで、マニアックな話題にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。皆さんの「スキ」や「コメント」、「フォロー」が執筆の励みになります。また私のnoteに足をお運びいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、I'm a graphic designerでした。良い一日をお過ごしください。さようなら〜。




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*なおこの投稿でのリンクは、Amazonアソシエイトを利用しております。リンク先はAmazonとなります。商品の詳細はAmazonでご確認いただけたらと思います。これから機材のご購入を検討されている方の参考になればと思います。

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