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「Graph」と識る 003-レンゾ・ピアノ-


イタリア出身の建築家レンゾ・ピアノ氏をご存知でしょうか。
大型建築を中心に活躍を続ける彼は現在86歳、氏の名前が世界に轟いた代表作はフランスにある「ポンビドゥー・センター」です。

建設現場を支える足場の様に複雑に重なる無数のパイプと建物側面に設置されたガラスのエレベーター。

カラフルで無性に好奇心を掻き立てられる外観の巨大なビルは総合文化施設として使用されており、その佇まいはフランスの落ち着いた街並みの中で強い存在感を放っています。

レンゾ・ピアノ氏は日本の建築物も多く手掛けており、現在建て替えが進行中の東京海上日動ビル、関西国際空港旅客ターミナルやメゾン・エルメス銀座が特に有名です。

熊本県民の方には牛深ハイヤ大橋が一番身近な建築物になります。
美しくなだらかな曲線を描く橋の構造をよく見てみると前述で紹介したポンビドゥー・センターのような風合いを感じられる部分もあるのではないでしょうか。

独創的でダイナミックな建築作品を作り続けながらも“レンゾ・ピアノ”という自分自身のブランドに決して囚われない、絶えることのない発想力としなやかな柔軟性、求め続けるのは重力に抗う極限まで無駄を削ぎ落した軽やかな美しさ。

関西国際空港旅客ターミナルでプロジェクトを共にした彫刻家・新宮晋氏との対談では「僕らは何を残すか?」という質問に対し氏は「感動を」と回答しています。

レンゾ・ピアノ氏が生み出してきた建築作品、そしてこれから生み出される新たな作品は私達に何度でも感動を与え続けてくれることでしょう。