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SF機体列伝No.5「天を裂く者たち」長距離射撃機R-9Dシリーズ

ライター:いさや(ゲームデザイナー)

このコーナーでは、SFサイドビューシューティングゲーム『R-TYPEアール・タイプ FINALファイナル 2』『R-TYPEアール・タイプ FINALファイナル 3 EVOLVEDエボルブド』に登場する主人公機体である次元戦闘機をご紹介してまいります。
過去分は↓こちらでご覧いただけます。

また、このゲームの舞台となる世界観につきましては、R機体列伝の第1回目をご覧いただけると幸いです。

『天を裂く者たち』
長距離精密射撃機R-9Dシリーズ

R-9D シューティング・スター及びR-9D2 モーニング・スターは、長距離精密射撃用ユニットを装備した次元戦闘機。
戦闘機単体の主要火力である「波動砲」の射出にはこのユニットを用いる。

「R-9D」を冠する機体は上記2機以外にも複数の派生シリーズが開発されており、『Rの系譜』から見た際、一般的に「R-9Dシリーズ」といえばこれらすべてを含む。
その総数はR-9Aシリーズに次ぐ種類を誇ることでも有名で、いずれの機体も攻撃用の特殊ユニットを装備しているという特徴がある。

「R-9Dシリーズ」とはいわば『専用武器ユニット装備型』の機体群を意味するが、ここでは特にその基礎となったR-9Dと直系機R-9D2について述べる。

長距離精密射撃用ユニットを装備したR-9Dシリーズ

カスタマイズモジュールから歩み出した軌跡

R-9Dが制式に採用されロールアウトしたのは作戦オペレーションコードLast Danceラスト・ダンス"の発動時であったが、武装の構想自体はその十数年も前から考案されていた。

第1次対バイドミッションにおけるR-9Aのロールアウト以後、次第に活発になっていく機体開発の中で、最初期に設計されたものは特に『R-9バリエーション』と呼ばれる。
当時はまだ固有名はなかったものの、後にR-9Dと名付けられる機体もその中の一つであった。

その他の『R-9バリエーション』も後にR-9Aの後継機として開発されることとなる

安全圏からの遠距離射撃による攻撃支援を目的とし、前線に赴く味方の生存率を上げるために設計された。
機動力よりも安定した射撃姿勢と反動軽減に重きが置かれており、射撃用ユニット以外にもいくつかの外部ユニットが専用に取り付けられている。
射撃目標の位置を正確に捕捉するために、遠く離れた味方からの情報も取得するディスクレドーム。機体の重量バランスを均一化し、照準を安定化させるバランサー。射撃後のオーバーヒートから機体を守るための強制冷却ダクトなど、いずれもR-9Aにはないユニットである。

初期構想では、個別の機体を製造するのではなく、既存のR-9Aフレームに外部ユニットを脱着させるカスタマイズモジュールとしての運用で考えられていた。これは、まだ機体の量産体制がR-9Aしか整っておらず、いち早い運用を見据えて計画されたためである。

様々な独自ユニットを装備したR-9D

しかしながら、肝心の射撃用ユニットが重大な問題を抱えていたために、この計画が実現することはなく、長期的な研究を前提に専用機体としての開発方針にシフトされていった。

超長射程兵装『圧縮波動砲』

R-9Dの長距離精密射撃用ユニットは機体の下部に備えられている。
他の戦闘機が機体の外側に力場を形成している中で、こちらはユニット内部に力場を形成、内向きのベクトルによって波動エネルギーを一度圧縮している。
細く長い砲身は、素粒子が拡散しないよう指向性を揃える構造となっているため、圧縮したエネルギーを収束したまま射出することができる。
この機構から、R-9Aの波動砲に対して『圧縮波動砲あっしゅくはどうほう』と命名された。

遠く離れた敵を狙い撃つ圧縮波動砲

圧縮波動砲のために特別に開発されたこの射撃用ユニットは、提唱された理論通りに超長射程の攻撃を可能とした。
しかし、エネルギー圧縮時に発生する熱が想定を上回っており、用意した強制冷却ダクトでは不十分であることが判明した。既存のR-9Aフレームではオーバーヒートの可能性が高く、パイロットの命が危険なため、フレームから改良を加えた専用のものを用意することとなった。

専用フレームの設計には第1次バイドミッション以降の多くの戦闘データが使用されている。
これにより研究は飛躍的に進んだが、最大出力での使用は自他に甚大な被害を及ぼしたため、軍上層部から圧縮波動砲の出力制限を義務付けられた。

以上の長年にわたる研究と出力制限により、ようやく実用性が認められ、
R-9Dは実戦配備へと至ったのだった。

満を持して戦場へ投入されるR-9D

光をもたらす明けの明星
長距離精密射撃用ユニット強化型 R-9D2

更なる強化を『圧縮波動砲Ⅱ』

R-9Dのロールアウト以降も、射撃用ユニットの研究は続けられていた。
冷却ダクトユニットの改良・増築では機体のバランスが崩れてしまい、まともに航行できない状態となってしまったため、同程度の熱量でより効率的に圧縮する強化型射撃用ユニットの開発にシフトしたのであった。
幸いR-9Dから送られる実戦データのおかげで、比較的スムーズに開発は進められた。

結果として最大出力によるオーバーヒートの解決は完全には至らなかったものの、エネルギー効率が改善された分、より長時間照射することが可能になった。
4機のリアアームバーニアは、元々冷却用ダクトの増設に伴う不安定さ解消のために設備されたものだったが、照射時間が伸びた波動砲の照準を安定させるうえでの有効性が認められ、ダクトを撤去した後も残された。

機体後方に設備された4機のリアアームバーニア

逆境に挫けず広げた活躍の場

一方で同時期に進められていたR-9DHシリーズの開発が本格化したことにより、R-9D2の開発予算は大幅に削られてしまうこととなる。
既に射撃用ユニットの改良に一定の成果が認められていたため、波動砲以外の武装強化は見送られた。

ただしその分、極力無駄を省いたスマートな機体に仕上がっている。
特に先述のリアアームバーニアのおかげで、惑星の周囲に広がるアステロイドベルトのような、通常の航行が困難な領域でも安定して戦闘を行えることが判明し、開発予算に反して実際はかなり量産された機体でもある。
波動砲以外の武装が据え置きで、結果的に費用が抑えられたことも量産体制の後押しとなった。

航行が不安定な戦場でも的確に狙いを定めるR-9D2

現在では安全圏からの遠距離射撃による攻撃支援という開発目的を、存分に達成した機体として評価されている。

長距離精密射撃機R-9Dシリーズ Data

長距離精密射撃用ユニット装備型 R-9D シューティング・スター

・フォース:ディフェンシヴ・フォース
 - 赤:ツインレーザー
 - 青:着弾分散レーザー
 - 黄:ディフェンスレーザー
・波動砲:圧縮波動砲
・搭載可能ミサイル:爆雷 / 誘爆ミサイル
・装備可能ビット:ラウンド・ビット / シャドウ・ビット
・スペシャルウェポン:ヒステリックドーン

長距離精密射撃用ユニット強化型 R-9D2 モーニング・スター

・フォース:ディフェンシヴ・フォース
 - 赤:ツインレーザー
 - 青:着弾分散レーザー
 - 黄:ディフェンスレーザー
・波動砲:圧縮波動砲Ⅱ
・搭載可能ミサイル:爆雷 / 誘爆ミサイル
・装備可能ビット:ラウンド・ビット / シャドウ・ビット / シールド・ビット
・スペシャルウェポン:ヒステリックドーン

攻略情報

圧縮波動砲および圧縮波動砲Ⅱは、他の波動砲よりも照射時間が長く、かつ遠くまで瞬時に攻撃が届くため、進行方向から迫る敵の群れを一掃することが可能です。時間当たりの攻撃力は多少他の武器に劣るものの、照射時間最大まで狙い続けることで、かなりの高火力が期待できます。

R機体列伝について

この機体列伝は、ゲームソフト『R-TYPE FINAL 2』『R-TYPE FINAL 3 EVOLVED』のマニュアル「機体列伝」に掲載されている各機体に関する解説に一部加筆・修正を施したものです。
今後も、様々な登場機体をご紹介していきます。

R-TYPE FINAL 2 情報

- 公式Webサイト: https://rtypefinal2.com/ja/
‐ 公式ツイッター:https://twitter.com/rtypefinal2_jp
- 公式フェイスブック: https://www.facebook.com/rtypefinal2jp/
- YouTubeトレーラーリスト: https://www.youtube.com/watch?v=8pN6qmij-pQ&list=PLXby4npuTQJ4pSgGpTbbcVFGwASw2tss3

R-TYPE FINAL 3 EVOLVED 情報

・公式Webサイト: https://rtypefinal3.com/ja/
・公式ツイッター:https://twitter.com/rtypefinal3_jp
・トレーラー: https://youtu.be/8pN6qmij-pQ


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