社員をやめるまで その1 Web屋編

そろそろ酒屋の仕事は続けられないな。でも次にやりたいこと、よくわからないんだよなあ。
というのが、退職したくなって、最初に思ったことだった。

高校くらいからずっとWeb制作を仕事にしたいと思っていた。

子供の頃からかなりの空想癖があり(今もだけど)、自分の拙いイラストやポエムを載せた黒歴史サイトを運営したりしていた。
異世界ものの小説も書いてたっけ。全部未完だけれど。

当時から、なんでこうなってるの?と疑問に思ったらひたすら調べるタイプの人間だった。

DOCTYPE宣言がなくてもサイトが表示されるけどこれっているの?いらないの?なんでついてるの?
と、かなり長い間調べていたことを今でも覚えている。

文法が間違っていても表示される、HTMLという曖昧なマークアップ言語に興味を持ったのはそこからだった。

Webについて学べそうな大学に入り、業界がかなりハードワークだということも理解した上で就活をし、運良く採用が決まった。

HTMLとCSSは入社前からほぼマスターしていたので、会社に入ってからはJSとCMSの知識を吸収した。

入社3年目以降は仕事がつまらなくなって上司に悪態をついたり、メンタルを壊して精神科に通ったり、会社に泊まったり、タクシーで帰ったり、休日出勤したり、典型的な受託型Web制作会社でやれることは大体やった気がする。

それでも、その働き方は会社に強制されたわけではなく、自分で望んだことだったから、キツかったけど辞めたいとは思わなかった。

プライベートでもWebの勉強をしていたし、早く定時にならないかな〜と愚痴っている同僚の気持ちが、当時はわからなかったくらいだ。(もちろん今はわかるけど)

でも30を迎える前に、ずっとこの働き方はできないな、もっと年取っても働ける職業に就こう、と突然思い立ちWebを捨てることにした。

マネージメント職についてゆるゆると働く道もあったけれど、コーディングしないならWeb制作会社にいる意味がないと、若かった自分は思っていた。

案件もほぼ放り投げるようなはた迷惑な状態で、持っていた専門書のほとんどを会社に置いて退職した。

当時は、もう仕事としてWebと関わることはないだろう、と思っていた。

役に立ったらサポートしていただけるととってもうれしいです。