社員をやめるまで その2 ワインEC編

Web制作会社で働いていたころ、家の近くにあった某輸入食品販売店のお菓子を代理で購入し、同僚に売って申し訳程度のお駄賃をもらっていたことがあった。

それが個人的に面白くて、次にやるならこれだ、これなら年を取っても続けられるぞ、とすさまじく軽いフットワークでそちらの方向に舵を切ることとなった。

当たり前ではあるが、20代後半、しかも未経験で仕入れ販売要員を募集している会社などほぼなかった。

将来的に仕入れ販売の仕事ができそうな会社含め転職エージェントに探してもらったところ、そのうちの一つにワインの輸入をしており、EC担当のスタッフを募集している会社があった。

正直、今後もWebを続けていく気持ちはあまりなく、この転職は『ものを仕入れて売る仕事をするためのステップ』としてしか考えていなかった。

とはいえ、せっかくワインの仕事に就くので、とりあえずはソムリエの資格を取れるまで頑張ろうと思っていた。

ただ面接時に、なんかこの人なんとなくヤバそうだな、と思っていた上司との相性が全く合わなかった。

上司からは入社後、ワインの知識をイチから教えてもらった。
今身についているワインの知識は、ほとんどそこで得た物だ。それは本当に感謝している。

悪い人ではなかった。
ただ、自分との価値観が、致命的に合わなかっただけ。

色々と書くとただの愚痴になってしまうから書かないけれど、1点だけ上げるとするなら、
通常時は高値に設定しておいた商品を、期間限定で半額です!と謳って通常価格で販売するようなことをしていたのが非常に納得できなかった。

まあ、彼は売り上げを求められる立場の人間だったし、それをしないで利益を上げる手段を、自分は何一つ提案できなかったのだけれど。

一刻も早く彼の下働きから解放されるべく、最短でソムリエの資格を取った。
そして将来を考えた時に、せっかく資格があるんだし、ワインショップをやるのはアリかもなあと考えるようになっていた。

そして当時、資格を取るために通っていた酒屋が、販売あり、飲食スペースありの店だった。

ああ、自分が将来やりたいのはこれなのかも、と思った。

あとは、Web屋時代に壊した身体をまだ引きずっていて、座りっぱなしは寿命が縮む!という話を真に受けて、これからは立ち仕事がしたかった、というよくわからん理由もある。

その後ご縁があり、その酒屋に転職することになったのだった。

役に立ったらサポートしていただけるととってもうれしいです。