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グランマ初めてのニュージーランド留学(4)ホストファミリーとクラスメイト

 ホームステイ先により悩みはいろいろ違うものだとクラスメートの話で痛感しました。日本人のKさんは、留学経験も英語力も豊かでお兄さんの経営する会社の重役として働く現役バリバリの女性。彼女が滞在したのは留学生が何人も滞在する大きな家。午後の校外学習でバーベキューをしたほどの広いお庭もあり、素敵で羨ましく思っていました。ところが彼女曰く、滞在中の食事は粗末で果物など一切出ず、自分で買い出しに出かけてるとのこと。一方、もう一人の日本人女性Aさんは独り暮らしのおばあさんのお家。おばあさんは彼女の帰りを待っていて、学校の様子を尋ねたり、毎日でる宿題も一緒にしてくれたり、遠慮していた洗濯までしてくれるとのこと。私のホストファミリーは東欧から移ってこられたようで、優しいハズバンドと働き者でとてもしっかりしたワイフのカップル。カフェも経営する彼女が作る食事はとても美味しく、なんの不足もありませんでした。しかし、目まぐるしく無駄なく働く彼女のペースに合わさなければと、とても気を遣いました。小さい家でお手洗いに行くのも気を遣うほど。ある時「暗い顔をしている。」「やつれてるよ。」とクラスメートから指摘されるほどでした。きっと若い学生ではなく、自分達より年上の私に、向こうもやりにくかったことでしょう。そういう気づかいを避けて初めからアパートメントに滞在する人もあり、賢明な選択だと思いました。

 クラスメートも個性的。ハンガリー人のEさんは事務所を持つ会計士。プライドが高く、納得しなければ先生に対してもなかなか自分の間違いを認めません。そして、自分の国にとても誇りを持った女性でした。途中でEさんとの仲が微妙になったフィンランド人のSさんは積極的な女性。クイーンズタウンで若い男子学生に混じってバンジージャンプをしたくらい。裕福らしい彼女からは、同じくフィンランドから来ていたHさん、Rさんカップルに対する差別意識が感じられ、少し嫌な気がしました。名古屋から来ていた唯一の日本人男性Nさんはそれほど英語が出来ず、いつも私の横に座り、いろいろ聞いてきたものでした。スイス人のMさんは可愛い女性でみんなから愛されていましたが、途中から若いクラスに移籍してしまい残念でした。中でも帰国後も交流が続いているのが、大好きなフィンランド人HさんRさんのカップル。グランマ旅行の相棒Sさんとフィンランドに会いに行ったり、彼らが来日した際には京都を案内したりと、今も交流が続いています。彼らからは、優しい心遣いや、飾らない正直な生き方を、いつも教えられます。そして、フィンランドはフランスと並び最も好きな国になりました。

 帰国後すぐに、大地震が起きクライストチャーチは大きな被害を受けました。幸いホストファミリーは建物に被害は出たもののご無事でした。たった4週間のシニア留学で英語力が向上したとは思えませんが、それ以上に貴重な体験が出来、挑戦して良かったと実感しています。そして、10年経った今もコロナ収束後を見据え、グランマ旅行の計画を立てる意欲も得たように思います。



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