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宮城県岩沼市での第九を振り返って

少し経ってしまいましたが、宮城県岩沼市での第九が終演致しました。

思えば、僕が国立音大の大学院1年の時に、こちらの第九にソリストとして呼んで頂き、初めて第九のソリスト=初めての出演料と呼べる出演料を頂く=プロのソリストとしての初舞台、という、渡邉公威にとっては、とってもご縁のある第九が岩沼の第九なのです。

そんなわけで、去年の第九に久しぶりにお声をかけて頂いた時は大変嬉しかったのですが、残念ながら去年はコロナにより延期。
一年待っての今年の第九でした。

さてこちらの写真は、本番当日のゲネプロの写真です。
写真を撮っているのは僕で、ソリストがステージの前側に座り、僕らの後ろ側には指揮者とオーケストラがいるわけですが、コーラスの皆さまは、客席前半分を使い、客席で客席後半部にいらっしゃるお客様に向かい歌う、つまり、指揮者やオーケストラが背中越しとなる状態で歌うという、コロナ対応の演奏スタイルです。

ちなみに、当然、指揮者はコーラス側からは見えないので、客席に副指揮の方がいらして、指揮者のタイミングを身図りつつ、コーラスに指揮をするという、二元式の指揮スタイル。

いかに、このコロナ禍で、限り無く安全にできるかをコーラスの皆さんが考え抜いての方法だったようです。
頭が下がります。

いつもとは全く違うスタイルでの演奏。
本番ギリギリまで、様々な調整がされ、無事本番を迎えることができました。
そして、いつもはソリストの後ろから聞こえてくるコーラスのお声は、今回は前から響いてくる。
その調和がなされたハーモニーが、ソリストの席には、心地よいミストのようにふりかかり、とても癒された気持ちになりました。

もちろん、普通に演奏することができれば、それにこしたことはないのですが、それでも、音楽は素晴らしいということを再認識した公演となり、忘れられぬ第九となりました。
実行委員会の方々のご苦労と熱意に、心から敬意を表したいと思います。

岩沼のコーラスの皆様、スタッフの皆様、仙台フィルの皆さん、副指揮者のキハラ良尚さん、指揮者の岩村力さん、そしてソリストの皆さん、素晴らしい時間と音楽をありがとうございました!

また皆様とご一緒できる日がきますように!

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