【書評】人生を面白くする本物の教養
ライフネット生命の社長である出口治明さんが書かれた本書を読みました。教養とは何かと、なぜ教養を身につけるべきなのか、その方法と独自の視点で書かれています。
出口さんはロンドンでの海外駐在の経験から、海外のグローバルリーダーと比べて日本人の教養の無さを嘆いています。本書では、世界の視点から見た出口さんの日本人の教養レベルに対する考え方と、自信がどう教養を身に付けてきたか、具体的な体験談を踏まえて語られています。
深い教養を身に付け、深みのある人間になりたい方に、本書はオススメです。
本書をオススメする方
自分は教養が足りないと感じている方
グローバルなステージで仕事をしている方、今後してみたい方
向上心のある20代〜30代のビジネスマン
本書の概要
要点
自分の頭で考えられることが教養である。
外国人マネージャーと比べ、日本のリーダーは教養が無さすぎる。
美術や建築、歴史や音楽など、幅広く知見を持っておくべき。
読みどころ
1. 教養とは人生を面白くするツール
出口さんにとって教養とは、「人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツール」であると述べています。他人からの評価のためではなく、自分の人生をより楽しむために教養を身に付けるのだと。
また、教養の本質として、たとえ専門外のトピックだとしても、自分の頭で考え自分の意見を言えること、これが重要だと仰っています。知識だけあっても、自分の意見が無ければ他人の意見に流されてしまう。知識はあくまで手段であって目的ではありません。
大事なことは、知識を身に付けた上で、自分の意見を持つこと。
2. 日本のリーダー層は教養が足りない
出口さん曰く、欧米のビジネスで重要なのはお互いの利益になること、つまりウィン・ウィンの関係を築けるかどうかが全てで、それ以外の要素が入る隙はないというイメージが先行しているが、現実は異なるそうです。
実際にビジネスの現場で重要視されているのは、意外と「人間力」とのこと。ビジネスは言わずもがな、美術や文学、音楽など幅広いジャンルでの造詣の深さが現場ではモノを言うようです。「この人は面白そうだ」と思ってもらえるかがキーと仰っており、いかに「広く、ある程度深い」教養を持っているかが大事なことであると述べています。
3. 出口流:知的生産の方法
物事を深く、多角的に捉えるには、「タテ」と「ヨコ」の関係で見るといいと述べています。「タテ」は時間軸と歴史軸、「ヨコ」は空間軸と世界軸とのこと。
例えば、日本と中国を横に並べて、縦に歴史を軸に眺めてみると、相対的かつ俯瞰的に日本を見ることができ、物事の本質を捉えやすくなると仰っています。これは、ちきりんさんも同じ考え方をオススメされていたと思います。
また、常に「数字、ファクト、ロジック」の観点から物事を考えることを推奨されています。
本書を通して学んだこと
出口さんご自身の豊富な経験談を踏まえ、多数の修羅場を乗り越えてきたからこそ、説得力のある内容になっています。若い頃から読書が趣味だそうで、会食のある日でも寝る前に1時間程度の読書は欠かさないそうです。
また、読書だけでなく、人との交流や旅も頻繁にされるそうで、様々な角度から色々なインプット=経験を積んできており、物の見方にも深みがあるのだと思いました。
教養というのは決して一朝一夕で身に付くモノではありませんが、私も出口さんのようなグルーバルで戦える人材になれるよう精進していきます。
では、最後までありがとうございました!
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