三延 爪

つま って読みます。 爪を切るのが苦手です。 ...どこの誰かも知らないあなたに届けたい

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最近の記事

夏休みという束縛

夏休みが嫌いだ。 嫌いになったのはいつからだろうか。 具体的にはわからないけれど、いつしか私にとっての夏休みは、自由という名の束縛を思う存分に味わわされる苦痛な時間となっていた。 休みという言葉とは裏腹に、何かをしていなければならない時間。遊びにいそしむのも勉学にいそしむのもよし。部活動や課外活動でもいい。何なら趣味でもいいし恋愛だっていい。 何かに没頭する夏休みがたたえられ、何にも没頭できず、画面を眺めてアイスを舐めているだけで過ぎていく夏休みには、世は何の価値もくれな

    • 藍色の女

      歯がゆいってこういうこと 勝手に仲間なんじゃないかとか、 私とおんなじ独りなんじゃないかとか、 そんなこと考えてたし けど きっと 私の記憶と あちらの記憶は 藍色と 着古して色落ちしたTシャツの水色 くらい違って 私は勝手に落ち込んでるだけ あちらからしたら迷惑な話だ たぶん私だけじゃなくて 他にも藍色に染められた女はいるんだろう そういう力 があの人にはあるんだろう そういう力 をあの人は嫌がる "藍" 色の女をあの人は嫌っている

      • 憧れ

        私が憧れたあなたは、悩みなどないといった。 それはあなたがなぜかハタチという若さで、身の程を知りすぎているから。 そんなあなたがほほ笑む瞬間を、私はいつも見ていた。 当分会えないらしい。家に帰るのだという。悩みなどない人が家に帰るのか、私は疑問だったけれど、仕方がない。 私が特別に思っているあなたが帰りたいのなら、仕方がない。 私が憧れたあいつは、私のことを何か勘違いしていた。 私はあいつに快感をあたえるために、あいつを褒めたわけではなかった。 あいつと心で一つになりたく