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ポジテイブ組織心理学を学んでみた其の三

こんにちは。グランドデザインの高野です。
前回の記事では、
●なぜ今well-beingが企業経営において注目されているのか?
●良い組織、チームとは?
マズローの欲求五段階説から考える良い組織・チーム

をベースに書かせて頂きました。
今回は「良い組織」「良いチーム」にする為に必要なリーダーシップとは?についてご紹介したいと思います。


良い組織って?

そもそも良い組織ってなんでしょう?
もしかしたらそれは人それぞれ定義が違うかもしれません。

なのでここではポジティブ心理学観点から

●心理的な安心感(Psychological safety)
●信頼性(Dependability)
●組織構造と透明性(Structure & clarity)
●仕事の意味(Meaning of work)
●仕事のインパクト(Impact of work)

が仕事そのものや職場の環境において満たされており、

「ウェルビーイング(well-being)=心身ともに良好な状態であること」

が個人、組織として保たれていると定義したいと思います。


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Positive Leadership

私が学んだポジティブ組織心理学の中ではより良い組織・チームを作る為にはポジティブリーダーシップが必要であるとされ、それは以下のような項目を満たすことで発揮されるとされています。

1.自分の仕事や他人の仕事に積極的な意味を見いだしそれを育む
2.自分自身と周囲の人々を鼓舞するビジョンを作る
3.自分と周りの人のために、より質の高いつながりを築き、促進する
4.自分や他の人が主体的に行動する方法を探し、積極的に行動する
5.好ましい行動(徳のある行動)を優先する


ポジティブと聞くとなんでも楽観的にGoGo!(表現が昭和w)と思われがちですが、そうではなくてポジティブ心理学に密接に関係するwell-beingにあるように、その行いをすることで人や組織が幸せな状態となり、繁栄し続けられる状態を創造する為の大切なマインドと捉えて頂ければと思います。

ではひとつずつみていきましょう。

1. 自分の仕事や他人の仕事に積極的な意味を見いだしそれを育む

そもそもよいリーダーとは「自分自身や部下である自分の仲間たちの小さな行動や成長が、時間の経過とともに、個人または集団に固有の卓越性の能力を与え、いずれ大きな変化をもたらす可能性があるという意識を常に持ちリーダーシップを発揮している人である。」としています。

組織の中で執り行われる色々は一つ一つに意味があり、それを軽く見ることなく育んでいく。小さなことからコツコツと、、、という言葉がこの世に存在するように、意味のないことなど何もなく、どこに成長のきっかけが潜んでいるかはその時に見えないものだったりしますよね。


2. 自分自身と周囲の人々を鼓舞するビジョンを作る

明確なゴール、ビジョンは仕事以外においてもとても大事ですよね。
そこから逆算して今自分が何をすべきなのかを明確にすることは個々のモチベーションを維持するうえでもとても重要であり、授業の中でもポジティブ感情を保つ為の大事な要素の一つとして明確なビジョンは何度も出てきました。
ここで大事なことは独りよがりではなくビジョンを共有し、それが個々を鼓舞されるものでなければならないという点です。
互いに意識をすり合わせながら一緒に汗を流し、困難な直面に対しても時に血(苦労)を流しながらも乗り越えていく。そんな組織は繁栄する未来一択なのでは?と思います。


3. 自分と周りの人のために、より質の高いつながりを築き、促進する

質の高いつながりは、個人の繁栄とチームや組織が力を発揮し続けることに貢献する。という研究結果があります。
質の高いつながりを築く為にすべきこと、それは「常に敬意を持って接する」ということです。そしてそれは行動、言葉できちんと相手に示さなければいけません。
敬意を持つと言うと、少し大袈裟に聞こえるかもしれませんがその人のいろんな側面を知っていくことで生まれていくものです。

例えば、「あなたのことをよく知りたいし、私のこともよく知ってほしいから、1時間くらい時間をくれませんか」なんて声がけをしてみる。(できればですが)淡々と人生年表を説明するのではなく、ライフラインの起伏にあらわされるその時の感情(達成感、喜びや悲しみ、落ち込みなど)を含めて話すことが大事です。

そして、次は相手にパーソナルヒストリーを語ってもらいます。
「良かったらあなたのことも教えてください。職歴だけではなくて、小さいころの話、家族の話もしてくれますか。」なんて聞いてみる。

ここで話したことはもちろん口外してはいけません。
はなしてくれた相手はあなたを信頼しなくなってしまいます。
すこし踏み込んだ話のなかでその人の仕事だけでは見えなかった側面がみえるのではないでしょうか?

尊敬は相手の存在や価値を尊重することであり、人と人とが関わり合うことで生まれる状態です。
他人から価値を認められたと感じることができると,
マズローの五段階欲求でもお話したように承認欲求が満たされ、このことは人が成長していく上でとても大事なプロセスなのです。


4. 自分や他の人が主体的に行動する方法を探し、積極的に行動する

次回以降でお話できたらと思うのですが、ポジティブ感情が生まれる要因の一つに「Autonomy=自律・自主性」があると研究結果から証明されています。
何もかも指示をされた上で動くことは楽かもしれません。
ですが同時に創造性が失われ気がつくとポジティブ感情が生まれにくくなってしまうと言われています。

個人の主体性を育む為にはリーダー自らも少し高い壁に挑戦しすること、「失敗してもいい。」と周囲の人たちが心から感じることができる土壌を作り出すこと。これがとても大事だと言われています。自らの行動で示すことは、何よりも周囲に大きなインパクトを与え、ゆくゆくは創造性の高い組織が生まれていくのです。


5. 好ましい行動(徳のある行動)を優先する

これは仕事云々に関わらず、全てにおいてそうですよね。
困った人がいたら助ける、ボランティア活動に参加する、人として正しい方を選択する等々。こういった当たり前とも思える行動はダイレクトに信頼へと繋がっていきます。その人の人間性は1日だけで作られるものではなく、そして真の姿はふとした瞬間に垣間見れてしまうものですよね。


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Positive Leadership を発揮する為に

上でつらつらとこれらができたら完璧だわ!!というご意見を頂きそうな内容を書いてみましたが、もう少し現場感覚で、これをしたら上記項目に該当していくであろうポイントをいくつか紹介したいと思います。

①まず、自分が幸せになりましょう!

腹が減っては戦はできぬ、、ではないですが、自らが満たされている状態でないと他人に力を与えることはできません。
自らが幸せであることはとても大事なことと言えます。

例えば、、、
●毎日一人以上の人に感謝を伝える
●エクササイズ
「健全な精神は健康な身体に宿る」とは昔からよく言ったもの。体を動かすってやっぱりだいじです
●生の音楽・スポーツ、精神的・芸術的な刺激を楽しむ
●親切な行いをする
リーダーの仕事をしていると、時に直面するしたくない選択を迫られることもあるのでは・・。時に自分は悪人では?と悲しくなることもあるかもしれません。とある方は1日1善でバランスをとると決め、ジョギング中に公園でゴミ拾いをされているそうです。(上に立つって大変だな。。。)
●自分にご褒美を与え、小さな成功を祝福する
●明るく前向きな数名の友人と楽しい休みを取る

と実際に実践されている方の声を集めてみました。どれか一つでも取り入れてみてはいかがでしょうか?


②組織の中ではポジティブな人に注目しよう!

どんな組織でも20%は何を言われなくても自ら前向きに仕事をやっていってくれるエンゲージしている人、60%は日和見集団、残る20%は積極的にエンゲージしない人からなっていると言われています。

リーダーはいつも足を引っ張るメンバーのことはいったん脇に置き、潜在的にいる、自分で前向きに仕事をする人たちにまず注目をする。その人たちが成功する仕事をしやすい環境をつくって、真ん中の6割がそこに引っ張られて全体がばっと動き出すような状況を作り出す。そうすることで自ずと良い状態で稼働するチームが作りあげられるスピードが加速するそうです。


③弱みの克服より強みをどう生かすかが大事!

これは一番最初の記事でも書かせていただきましたが、弱みばかりに着目するのではなく、すでに備わっている自身の強みに着目し、時に楽観的にことを進めてみるのはいかかがでしょう?
長所と短所は表裏一体なように、強みと弱みも表裏一体です。
ご自身が考える弱みは、強みを伸ばしていくことでじつは弱みではなかった!と気づくこともあるかもしれません!


③行き方は知らなくてもよい、どこに行くかを明確に皆に示せばOK!

「東西南北のうち目指すは北。結果として15度くらい外れて北北東位までは許容範囲だけれど、東、西、南ではないぞ」といった目標を伝えられることが重要です。その時、北への行き方は正確に分からなくても、プランすることができなくてもよいのです。「行き方は、みんなで考えればよい」、これがポジティブリーダーシップの捉え方です。

また、リーダーは過去の原因究明より将来の課題解決に注力すべきだと言われています。もちろん問題の種類によっては(品質など)原因究明が重要ですが、もう少し複雑系の問題、例えば「将来うちの会社はどうしたらよいだろうか」を話し合う時に、過去の失敗を繰り返さないためにどうしようかという発想ではエネルギーが出てきません。

ポジティブ心理学の考え方は、将来の課題に皆の注意を集め、皆のエネルギーを引き出します。つまり、なりたい自分、なりたい会社、なりたい事業、それは何ですか、その障害を解決するにはどうしたらよいですか、という発想で話をしていくことが大事です。


まとめ

長々と書いてきましたが、組織やチームの繁栄のためにリーダーがすべきことは自ら率先して行動で示す。その一言に尽きるのでは...と思います。
時に誰よりも先にリスクを冒す。そんな選択ができる人には自然と信頼が生まれ、周りの人々も自ら行動するという循環が生まれます。

例えるならば良いリーダーとは周囲にとって父親、母親のような存在なのかもしれません。
周囲の人等が自分の子供だとして、成長のためのチャンスと教育、時に罰をも与える(度合いは慎重に)。全てはその人が成長し自分より大きなことを達成できるようにするために。。。


自身が関わったチームメンバーが仕事で組織やチームに大きな貢献をするか否かももちろん大事ですが、自分がリーダーとして1人の人と向き合い、その人が自分が関わることで成長していく姿、自信を付けていく姿、そんな時間を共有できたらそれは何よりもの喜びとなり、相手を育てているようで実は自らをも幸せにしてくれるのだと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。


こちらのYoutube、優れたリーダーについてを実際にあった話をもとにお話されています。字幕もついていますので覗いてみてください。
私の記事より格段にわかりやすいです笑。


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