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連絡帳に書くネタがない!広告系アートディレクターのアイデア

こんにちは。アートディレクター狩集です。前回の記事では、魅力的な手書き文集の作り方についてお話ししました。今回はお子様を保育園に預けていらっしゃるパパママへ向けてのお話です。保育園ならどこでもある「連絡帳」。その日の体温、朝食、排便、機嫌の良し悪しなどを先生に申し送りするノートのことです。何か体調などで特記事項があればそれを優先して書くべきですが、特に問題ないとき困りませんか?
我々広告デザイナーは新聞、雑誌、web…いろいろな広告のアイデアを日々捻り出しています。長年培ったアイデア出しのノウハウ、ここで活かしてみようと思います。

広告アイデアの基本5W1H

note3月_アートボード 1

今を遡ること約20年前、私は多摩美術大学グラフィックデザイン科(当時は「学科」ではありませんでした)に在籍していました。2年生までは基礎を学び、3年生からは将来就きたい職種の技術を学べるよう、より専門性の高いコースを選んで進むようになっており、私は広告コースを選択しました。教授陣はとても豪華で、広告界の第一線で活躍する有名人ばかり。すごく充実した2年間でした。
そこで学んだ広告アイデアの出し方「基本の5W1H」。これについてご説明しましょう。
広告にお題というのは必ずあります。例えばこんな感じです。
「〇〇飲料を新発売します。これは20代前半の若者向けで、フルーツ果汁100%の爽やかな味を主に広告したい」。
さてどういうビジュアルにするか。20代にうける爽やかイメージのタレントを探してみたり、フルーツの美味しそうなイメージが一発で伝わるようなアイデアをまず考え、最初は大体みんな似たような案が出てきます。そこで少し角度を変えて考えてみるために使うのがこの「5W1H」です。

When(いつ)
Where(どこで)
Who(だれが)
What(なにを)
Why(なぜ)
How(どのように)

〇〇飲料が欲しくなるシチュエーションを上の6項目に当てはめてみると、意外な面白さや伝わりやすさのあるアイデアが生まれることがあるのです。ちょっとやってみましょう。
When(いつ):朝、おやつ時、夏、喉が渇いたとき、運動後…
Where(どこで):家で、学校や職場で、道で、公園で…
Who(だれが):若者が、子どもが、老人が、動物が、アスリートが…
What(なにを):〇〇飲料(当然ですが)を、グラスを、しずくを…
Why(なぜ):冷蔵庫が空っぽだから、風邪予防にビタミンをとりたいから、ジューシーなものが欲しいから…
How(どのように):飲む(当然ですが)、浴びる、想像で飲む、飲みたくて悶える…

どうでしょう。当たり前なワードから意外なワードまで色々出てきました。
これを組み合わせて広告を作ってみます。
夏の暑い日、公園で、アスリートが、フルーツの爽やかなしずくを、(ジューシーなものが欲しくなったから)浴びる。
謎です。しかし、
爽やかなタレントが美しく〇〇飲料を飲むより何倍も記憶に残ります。
雑ですがこれが広告アイデアを出す時の5W1Hです。

5W1Hを応用すると

note3月_アートボード 1 のコピー

話を保育園の連絡帳に戻しましょう。今朝は子どももいたって健康。特記事項はありません。しかし何か書きたいけど何を書こうか。5W1Hで思い出してみましょう。

When(いつ):昨日、先週末、赤ちゃんの頃、もしくはあなたの幼少期の出来事で、今の我が子の行動につながる事柄はありませんか?
Where(どこで):食卓で、トイレで、お店で、祖父母宅で、公園で、車の中で、我が子が必ずやること、ありませんか?
Who(だれが):あなたが、祖父母が、お友達が、先生が、やっていること。我が子以外で考えると意外と先生に質問してみたいことが浮かびます。
What(なにを):お友達を、食べ物を、おもちゃを、絵本を、おむつを、我が子のこだわる人や物、挙げてみてください。
Why(なぜ):○○だから××します、××するのはなぜなのか?報告・疑問どちらも、とりあえず書いてみると今後役立つ情報になるかも。
How(どのように):Whatで挙げたもの、我が子はこう扱います、と報告したいこと、ありませんか?
書くことがないとき、「直近で私や子どもの身の回りに起きたことあったかなあ?」と考えがちですが、角度をちょっと変えただけで先生にご報告・ご相談しておきたいこと、意外と出てくるかもしれませんよ。

番外編

note3月_連絡帳

私が連絡帳に書いてよかったな、と思ったことがいくつかありますのでここに記しておきます。
・図解
息子(当時1歳)の登園時、ベビーカーの乗り方が独特で苦労した時期があり、それを説明する簡単な図を書きました。百聞は一見にしかず。すぐにイメージが伝わり、先生の記憶に長く残ることとなりました。結局解決策は出せませんでしたが…笑。
・登園/降園のこと
はじめは、園生活に特に影響がないと思って書いていなかったのですが、娘(当時1歳)が一時期ベビーカーにも自転車にも乗ってくれず、息子と3人手を繋いで徒歩で通っていたために通園時間が異常に長くかかっていました。先生から「遅刻ではないが、もう少し早く来て欲しい」とリクエストされ、「実は…」と少し言い訳も兼ねて現状を書きました。すると「徒歩での通園は大変でしょうけれど、そのうち自転車に乗ってくれるようになればあっという間に着いてしまいます。手を繋いで歩ける今を楽しんでください」と先生から励ましのメッセージをいただきました。自転車なら5分で着くのに35分もかかる通園に少し光がさしたような気がしました。
・叱り方
人には良い親だと思われたい欲はありますが、先生からプロとしてのご意見をいただきたく、下の子にはきつく叱ってしまうことを思い切って書いてみました。すると、先生が実践している叱りのコツのようなことが書かれていました。「つい叱りすぎてしまうこと、ありますよね。私は事が起きた1分以内に注意し、1分以内に終わらせることを心がけています。最後はぎゅっと抱きしめてあげてください」と。小さいけれど一人の人間。叱りっぱなしでは心が満たされないんだな、と痛感しました。それとともに、身近な人に理解や共感をいただけたことで私の心が軽くなり、下の子への気持ちに少し余裕が持てるようになりました。
・子どものこだわり
息子(当時4歳)は年中さんで、2歳クラスまでのいわゆる“毎日必須の連絡帳”はなく、特記事項がある場合だけ使う連絡ノートがあります。息子は電車柄のトップスとユニクロのレギンスしか認めない少々面倒なこだわり男子。ある日、私はタンスのこやしとなりそうな星柄のセーター(高かった)を着せようとすると泣いて嫌がりました。「この前ママの携帯で写真見せたら“着る”って言ったから買ったんでしょーが!」と無理やり着せて連絡ノートにこう書きました。「今日のセーターは本人が泣いて嫌がっています。先生、ちょっと試しに“カッコいいー!”と褒めちぎってやってください!」と。笑
その日息子は誕生日でもないのに年中さん学年の先生4人全員とクラスメイトたちに囲まれて盛大に褒め称えられたそうです。他クラスから動員された先生…ありがとうございました。涙
その夜「このお洋服着てよかったよ」と小さく言った息子。胸にキューンと来ると同時に心からホッとしました。なぜなら、高いにもかかわらず色違いで2着買っていたからです。


保育園児ママ・パパの皆さまいかがでしたでしょうか。朝の貴重な時間を割いて書く連絡帳、今よりもっと充実したコミュニケーションがとれるヒントになると嬉しいです!


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