メタバース×「地方創生」
「地方創生」という言葉は私が霞ヶ関に入省した2014年(当時は第2次安倍内閣)に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され初めて世に出たワードになります。
しかしながら、東京一極集中が是正されないまま10年が経ちました。
これまでの自治体は分散型の地域モデルで自治体間で人口を奪い合っていたために国全体で豊かになる将来像は描けていないのが現状だと思います。
そもそも、政府が提唱する地方創生のビシネスモデルが間違っていたという指摘もありますが、今後目指すべき一つの解決策として、人々の生活様式や価値観が変化するに伴う「移動」のあり方も変化してきている状況を前提とし、各地方都市がそれぞれ異なる役割を持って、協調しながら、広域的に人が循環(=当該都市との関わりを持ち続ける「関係人口」を増やす)し、活気・熱量を高める地域モデルを目指すという方法もあります。
三条市の人口減少についても、歯止めをかけることが必要となる一方、単純な転出抑制・転入増加を目指すだけではなく、この関係人口を拡大させ、地域ごとの魅力を守り、多様性を発展させる働きには繋げる必要があります。
このような認識のもと、先週に三条市・大日本印刷株式会社・PwCコンサルティング合同会社の3者による連携包括協定を締結しました。
関係人口創出を通じた持続可能なまちづくり/三条市 (city.sanjo.niigata.jp)
締結式では、実際にメタバース空間を活用し、各社のアバターを用いてバーチャル締結式を実施しました。
実際に会場にお越しになられた方々はメタバース活用のイメージができたのではないかと思います。
目指すべきゴールですが、デジタル経済圏と関係人口の創出を通じた持続可能なまちづくりを推進し、誰1人取り残さないインクルーシブなスマートシティの実現に資する、これかなと思います。
デジタル空間を利活用するメリットですが、デジタル空間でのオンラインイベント(移住促進、ふるさと納税、地域企業サポート、産業振興、空き家対策、子育て支援等など)はリアルのイベント等と比較して、参加ハードルが低いことや身体的・時間制約が少ないことに加え、新たな出会いの場を提供することが可能であり、関係人口の裾野の拡大に寄与します。
戦略策定のポイントは
➀創る、➁使う、③続ける
の3点だと思いますが、メタバース空間の設計➀や実際の運用③については専門スキルに依るところが大きいので、DNP様とPwC様からそれぞれ担当職員を隔週で派遣していただくことになりました。
PwCの担当者には事業の企画立案を担っていただき営業戦略室に配置します。DNPの担当者にはプラットフォーム運営などのシステム面の面倒を見ていただき、こちらは地域経営課に配置します。
さっそく今週からお越しいただき、プロジェクトを進めていきますが、
大切なのは両企業に甘えないこと、三条市のそれぞれの部署としても、引き続き課題抽出を行い、両企業と共に伴走する必要があるということだと思います。
これまで三条市はKDDIをはじめ、首都圏から三条市にて勤務してもらっており、月末にはBPR(業務改善)の関係で某社からも派遣人材を受け入れます。
当たり前の話ですが、これらの方々がいつまでも三条市にいていただける訳ではありません。職員が共に伴走し、技を盗みつつ、汗をかきながら三条市の課題解決に努めてほしいと思います。
すでにDNP様はメタバース役所の実証事業を開始しており、「育児」、「教育」、「介護」、「不登校」、「引きこもり」等様々な分野にも対応、また市民との交流の場の設置や電子申請手続きの総合窓口を設置する等、先進的な取組を進めておられます。
公開して終わりにならないよう、ここからが大変ですが、これを機に自治体間同士のプラットフォームとしての位置づけも狙っていきたいと思いますので、全国の地方自治体様におかれてはぜひ三条市とタイアップしていただければと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?