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30歳すぎて錯覚資産とか言ってて大丈夫ですか?

ごきげんよう。錯覚資産という言葉をよく目にするようになりました。
流行ってるんですね。
錯覚資産という言葉自体の意味は提唱者であるふろむださんの話を見てもらうとして、
(林修先生も注目する「錯覚資産」とは? 著者自らがそのポイントを解説 | 錯覚資産 | ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/181427 )

最近この言葉を連呼している若い人を見ていて心配なのは、ストーリー性を無視して所謂錯覚資産として凄そうな「型」だけを追っている人が少なからずいるように思うことです。
30代くらいの勉強熱心な方のキャリア相談に乗る機会がちょくちょくあるのですが、その時に僕が必ず言うのが「自分としてのストーリーはありますか?」ということです。

ピカピカの学歴や難関資格、業界トップティアの超一流企業でのキャリア。
まぁいいのですが、結局のところキャリアに熱心な人が本当に手に入れたいものはなんなのか?を注意してみていると「組織や看板に頼らなくても生きていけるという自信」という場合が多いように思います。
田端信太郎氏が「ブランド人」と言ったりするのが支持を得るのも、そういう人たちの心に響くからでしょう。
不安定で先が見えづらい世の中に漠然とした不安を感じるご時世ですから、前向きになんとかせねばと考えてのことだと思うので良いことではあるとおもいます。
しかし、すごそうな「型」を手に入れれば、周りはそれを積極的に評価してチャンスや高い報酬が得られるというのは完全に間違いと言わないけれど、何か違和感があるのは、実際のビジネスの最前線や胃がいたくなるようなガチンコの駆け引きの中で見られているのはそういう錯覚資産?ではなくてその人個人のストーリーではないかなと思うからです。

その人個人のストーリーに信ぴょう性やリアリティを与えてくれるという意味での「型」はとても有効だと思いますが、ストーリーなき「型」は特に30歳を超えてくるとその人の評価を下げてしまうような気すらします。

ストーリーというのはつまりその人が自分の人生をどのような物語にしたいのか?という強い意志そのもののことです。

自分が人生をかけるテーマは最初から持っている必要はないと思いますが、30くらいまでには自分の好き嫌いや向き不向きも見えていると思いますから自分が一生をかけて取り組みたいテーマがあってしかるべきだと思います。
これまでの学校での勉強や会社選び、取得した資格などがその自らのテーマに向けてしっかり説明がつくストーリーになっているか?これからの選択はテーマに向けたどのような位置づけになるのか。
もちろんすべてが無駄なくうまく行ってる必要なんてありません。むしろそういうピンチやクライマックスがないキレイすぎるストーリーは陳腐に見られかねません。
10年後から見て今の選択が自分のストーリーの中でどのような意味を占めるのか?そういう視点で組み立てた時にあくまで演出としてならわかりやすい「型」は彩(いろどり)になるのでいいと思いますが、「型」それ自体が目的になるのは、まるでアクション映画の面白さを火薬の量で測るようなもので、そんなものに真剣に手を叩くような人は大した人間ではなく、まさに「錯覚」が「実」に変化することはないと思います。

■コンサルティングファーム人気について

先日、東大京大の就職人気ランキングトップ10をコンサルティングファームが多くランクインしているのを見ました。
おそらくもう、複数の会社でのキャリアを通じて自らの人生を作っていかないといけない時代であると学生さん自身は理解しているので、「ネクストステップで最も有利な最初の就職先」という選び方なんだろうなと思いました。
それ自体は有効な考え方であるし、僕はプロフェッショナルな意識を持ったコンサルタントの方々をとても尊敬しているので悪いとは言いませんが、同時に「まだ自分の中でのテーマが定まってないのだな。自分のストーリーへのコミットを賢く繰り延べたのだな。」と思われるのでは?とも思います。

■自身のキャリアをストーリー化するためにテーマの設定の仕方とは

あまりガチガチに若いころから明確なテーマを設定する必要はありません。多少抽象的なくらいでいいと思います。「とにかく世界の流行の最先端にいたい」とか「インターネットと〇〇をかけあわせたい」とか「誰かがビックリする顔をとにかくみたい」とか「とにかくユーザーの声に耳を傾けたモノづくりをしたい」とか。
そのテーマにプラスになりそうなところにとにかく身を置き、勉強し、交流をしていく中で、後から自分の選択や取組みが点と点でテーマに向かってつながって星座のようになんとなく説明がつくことが大事で、それが貴重な「ストーリー資産」なのではないでしょうか。
キレイな絵である必要はないし、空を見上げて「ほらほら!あれがさそり座!ですよ!」って言えば、そういえばそういう風に見えなくはないな。。みたいな多少強引なので十分だと思います。
僕あまりスティーブ・ジョブズを引くの好きじゃないのですが「コネクティングドッツ」というやつですよね。
個人的にはそう思いますし、キャリア相談をされた時もこの話をすることが多いです。

さて、では今日も我々のストーリーを構成する大事な1日です。
今日も持ち場でがんばりましょう。

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