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『トランスワールド』

2011年のアメリカのSF・スリラー映画です。
監督はジャック・ヘラー。
出演はスコット・イーストウッド、キャサリン・ウォーターストン、サラ・パクストンなど。


この映画について書くと、必然的にネタバレを含んでしまうので、その点は予めご了承ください。


この映画主な登場人物は3人。中盤からプラス1人といった感じで、とにかく登場人物が少ないです。

冒頭とラストのシーンの登場人物を含めても、プラス3人の計7人で全キャストと結構少なめです。エキストラさんもいないので、正真正銘出てくる人物7人のみです。


で、主な登場人物3人プラス1人というのも、この映画基本的にずっと山奥の小屋が舞台となっていて、そこに迷い込んだ見ず知らずの3人のお話なんです。

山奥の小屋に迷い込むという設定、完全にB級ホラー映画のド定番設定。
迷い込んだ小屋で、殺人鬼が忍び寄り、一人一人殺されていく…的なやつです。

でも、この映画は違います。

序盤は、斧が出てきたり、演出的にホラーっぽさあるんですけど、徐々にホラーっぽさからSFっぽさへと変わっていきます。

暗い夜のシーンより、明るい昼間のシーンのほうが多いですからね。(ホラー映画は暗い夜のシーンが多いという固定観念。)

なんにせよ、見ていくうちにホラー映画ではなくてSF映画なんだと実感します。


好青年のトム
妊婦のサマンサ
悪女のジョディ

この3人が、小屋に迷い込み、行動を共にします。
それぞれのキャラクターが立ってはいるんですが、説明不足というか、ニュアンスがふんわりしている部分があったりして、少し引っかかるんですが、それらほとんどが伏線になっているんですね。

そう、伏線回収系映画なんです、この映画!


ざっくり言うと、3人のズレが徐々に分かっていき、最終的にある事実が判明して、それを解決していくという展開。

そのズレと言うのが、まずは【場所】です。

3人がそれぞれいると思っている場所が、それぞれ違うんですね。

サマンサ→ニューハンプシャー
ジョディ→ウィスコンシン
トム→サウスダコタ

ってな感じです。

日本に例えると

サマンサ→千葉
ジョディ→滋賀
トム→京都

みたいな感じかと。緯度は同じくらいだったので。

この状況はビックリしますよね。というか、何言ってるの?ってお互いなりますよね。お察しの通り、映画の中でもそうなっています。ご明察。


そして、次のズレが【年代】です。

今何年?の問いにそれぞれこう答えます。

サマンサ→1962年
ジョディ→1985年
トム→2011年

ってな訳です。
この段階で、ものすごいSF感。

実を言うと、このことが分かる前に、小屋から抜け出そうと山の中を歩いていくと、気がつくと小屋に戻ってしまう、ループ現象が起こっているので、その時点でもだいぶSF色強めです。

それに加えて、【年代】のズレ。
初めのホラーっぽさは何処へ。
時代を超えると急にSFっぽくなりますよね。


で、この時点でお気づきの方いるかもしれないですね。

実はこの3人…


とその前に、もう1人の主要な登場人物のご紹介。

ナチス党員のハンス

出ました!ナチス!1930年代〜1940年代!

ということは?
改めて4人の【年代】を確認しましょう!

ハンス→1930年代〜1940年代
サマンサ→1962年
ジョディ→1985年
トム→2011年


もうお分かりですかね?

そうです。

実はこの登場人物たちの関係性は…





















実際に映画を観てお確かめください!!!


いや〜言いたい!正直言ってしまいたい!
けれども、こればっかりは言うのもったいない!

気がついた方多いかもしれないんですけど、伏線回収含めて答え合わせしてほしいです。

結構いろんな伏線貼られていて、話が進めば進むほどスッキリするので。

ラストシーンに関しては、なかなか考えさせられますが、その感じ方も人それぞれな気がします。



気になった方も、大体察しがつく方も、よければこの週末ご覧になってはいかがでしょうか?
時間も89分と観やすい長さです。


最後に、なぜこの映画が今週のテーマ「小屋とTシャツとあなた」の映画に選ばれたのか?

それは、以下の3つの点から選びました。

・舞台が小屋である
・you(あなた)という英単語が使われている
・トムがインナーに着ているのはTシャツ(のような気がする)



以上、海上の映画noteでした!

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