もものかんづめ
まさに「食わず嫌い」であった。
食べ物の桃の缶詰ではなく、エッセイ『もものかんづめ』のことだ。
作者のさくらももこさんは53歳の若さで亡くなってしまったが、私と同じ昭和40年生まれだった。
同世代どころか同い年なのだから、テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』を見て懐かしく共感できる部分はたくさんあった。
しかし、その画風があまり私の好きなタイプではないこともあって、これまでコミックやエッセイを買って読んだことはなかった。
それでも読んでみたいと思ったのは、私が好きな天気予報士の片山美紀さんがこの年末に薦めていたからだ。
片山さんは美人で美声なだけでなく、頭もいい方なので、こんな感じの本(失礼)を推薦していることがちょっと意外だったが、その意外さも手伝って読んでみたくなった。
「好きな人が読んでいる本を読んでみたい」という、中学生みたいな気持ちもあった。
食わず嫌いとは、まさにこのことを指すのだろう。
それぞれの話ごとに、必ず1回は笑った。
さくらももこさんがこんなに文章のうまい人だとは思ってもみなかった。
久しぶりに味わった「好きな人が読んでいた本を今読んでいる」という感覚もよかった。
次は林美沙希さんが読んだという山本文緒さんの『自転しながら公転する』を読んでみようと思っている。
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