湿気たせんべい
湿気たせんべいが好きだ。
「ぬれせんべい」も悪くはないが、ナチュラルに湿気た“天然物”のほうがより好ましい。
かつて働いていた会社でそのような話をしたところ、部署で一番美人のRさんが翌日に、「家にあったから持ってきたよ」と言って湿気たせんべいをくれた。
美人の家の空気で湿気たせんべいは格別だ。
私はついそれを正直に口に出してしまい、Rさんやその周囲にいた女性たちにドン引きされた。
(それを機にRさんと仲良くなれたので、結果としてはよかった。)
湿気たせんべいのあのメリメリした感じを人工的に作るのは容易ではない。
やかんから出る蒸気に当てるとよいと聞いて試してみたことがあるが、自然に湿気たものとはやはり少し違った。
しかし先日、ようやく湿気させるよい方法を思いついた。
スーパーの惣菜が入っている容器に少量の水とせんべいを入れ、フタをして放置するのだ。
惣菜の容器は底にくぼみがあるので、水を入れるのにちょうどよい。
放置しておく時間はその日の温度と湿度、せんべいの種類と大きさなどによって変わるが、数時間でよい感じに出来上がると思う。
注意点は以下のとおりである。
せんべいが水に接触しないようにすること
濡れると表面がふやけてしまう。
霧吹きで濡らすようなことは絶対にしてはいけない。傷まないうちに早めに食べること
おそらく雑菌が増えているので、自己責任で食べること。我に返らないこと
「いい歳をして何をバカなことをやっているのだろう」などと考えてはいけない。
せんべいよりも自分の気持ちのほうが湿っぽくなってしまう。
トップ画像:Amazon/天然生活
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