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ピアノ楽譜の電子化について考える-電子楽譜化のメリット・デメリット-

2021年に書いて下書き放置していた機材の記事に、伏線はあった。
「楽譜のためにiPad Proとか欲しくなりそうだけど我慢」
我慢できなかった2022のはじまりはじまり~~~!

はじめに

このマガジンでは主に下記のことに触れていきます。

  • 電子楽譜化のメリット・デメリット

  • 電子楽譜用の端末はiPad Pro一択な理由

  • 電子楽譜を利用するためのソフトと環境作り

  • 電子楽譜化のためのスキャンアプリ

  • 楽譜のOCRソフト比較

  • OCRした楽譜の編集

楽譜の電子化については様々な記事が出ていますが、楽譜のOCR化やそのためのソフトについて深堀りした記事はなかったため、全部まるっとまとめてみることにしました。まとめたらいいマニュアルになったので、途中から有料でお送りします。

この記事は無料noteで電子楽譜化のメリットやデメリットについての記事です。これは導入編なのでサラサラっと流してくださいませ。

1.ブランク明けの楽譜事情にびっくり

わたしが子どもの頃といえば、楽器店に小さく取り扱っている楽譜コーナーか、月間ピアノくらいしか楽譜を手に入れる方法がなく、しかも流行りの曲は2000円位する大型本にまとまっている、そんな時代でした。

レッスン用の教本は買ってもらえたけど、流行りの曲の楽譜はお小遣いで買わないといけないので、楽譜は吟味したものです。

それから10数年のピアノブランクの後、再びピアノに触れてみたら今はネットで1曲ずつPDFダウンロードで購入できるようになっていて、すごくいい時代になったなと感動しました。

楽譜を売ってる貴重な本屋さんを探さなくていいし、楽器店にも足を運ばなくていい。レベル別に楽譜を見て選べる。

練習用に書き込んだ楽譜、保存用のデータに分けられるし、紛失しても再生が効く。何より1曲ワンコインくらいなのが気軽でいいですよね。

さらに言うと、今は曲のデモ演奏をYouTubeで見られるし、鍵盤の上に音が落ちてくるSynthesia(シンセシア)で作られた動画で、音符が読めなくても位置で覚えてピアノをやれるようになっていて、これもびっくりでした。

Synthesiaより

そうしてきれいなPDF楽譜を見ると、手元にあるボロボロになったコピー楽譜をきれいなデータにしたくなり、調べてみたら「無料で使える楽譜作成アプリ(MuseScore)」があることを知ります。
古くボロボロになったお気に入りの曲を、手間だけど1つ1つ音符を打ってデータにしました。めちゃくちゃ大変でした(笑)

2.楽譜は紙か電子か?

ピアノを再開するにあったって、ハノンなどの教本は1曲ずつ買うメリットがないので、書籍版をさくっと購入しました。家から持ち出すことも頻繁にないので、これは書籍でOK。
J-POPやジブリなどの弾きたい曲は、1曲ずつでいいものはPDFデータ、ジブリなどのジャンルでまとまってほしいものは書籍の方がお得なので書籍で購入します。

しかし、書籍とPDFの楽譜には決定的な違いがあります。
PDF楽譜は「A4」書籍楽譜は「A4より一回り大きい」のです。

楽譜に直接書き込みたくないので、練習の時はコンビニでコピーするんですが、スキャンエリアがA4 ギリギリなので縮小するしないに関係なくはみ出るし欠ける。書籍楽譜の最もイラッとする所。
PDF楽譜はA4プリントが想定されてるので、楽ですよね。

わたしの基本的な使い方は、練習用にコピーした楽譜をファイリングしてコピーした楽譜にメモ書きして行きます。バインダーを使えば、ページ抑えが難しいとかもなく快適。

ハノンのような分厚い教本はクリップを使いますよね。(ハノンのパワーに負けるけど)

そうしてブランクから明けてあっという間に増えた楽譜。弾けるか弾けないかではなく興味がある楽譜を買っては増えていき…ずっと繰り返していくととんでもない量の楽譜になることは間違いありません。

この時はじめて電子楽譜を意識するようになり、調べてみると出てきました出てきました電子楽譜端末グイド。書き込みもできる13インチの両開き他楽譜専用タブレット。すごい。欲しい。

GVID公式サイトより

世界初の電子楽譜専用端末『GVIDO(グイド)』¥ 180,000(税別)

価格に目玉飛び出て当時は買えず。
そして残念ながら2017年頃に発売したこの端末は、2022 年 3 月末日で終了することになり、諦めててよかったーーーーー!!!になってる2022年です(笑)
音楽に限らず、サポートが終わってしまう可能性があるシェアの低いものは避けたいものです。

それでまた紙楽譜に落ち着いたわたし。

一方、AppleのiPad Proにも2017年に12.9インチが登場しました。
でかい、まな板と言われた端末ですが、わたしの中ではApple Pencilのイメージが強く、お絵かきする人向けの端末という認識でした。
これがいつの間にか、電子楽譜の端末として注目を浴びるようになるのです。

3.電子楽譜のメリット・デメリット

紙の楽譜はかさばるし、劣化もするし、コピーして練習用に使うのも使いにくい。
では、電子楽譜なら紙楽譜のマイナス面を全てカバー出来るのでしょうか?


電子楽譜のメリットは

  • 端末ひとつにたくさんのデータをまとめられて嵩張らない

  • 元データを汚さずにメモ書きができる

  • バックアップをとれば紛失や破損のリスクも減る

電子楽譜のデメリットは

  • 端末の電池が無くなると使えない

  • 炎天下では端末がオーバーヒートを起こして使えない

  • フリーズすると最悪演奏が止まる

  • 見開きで見れるページ数に限界がある

  • 電子媒体に書き込む操作に慣れる必要がある

メリット、デメリットはこんな所でしょうか。
ギターなどのコード楽譜であれば、大抵楽譜は見開き2枚で済みますが、ピアノの楽譜は4ページから6ページのものが多く、電子化すると一ページずつか見開き2ページずつしか見ることができません。

ここは慣れていくことである程度は解消できると思いますか、繰り返し記号などで楽譜を行ったり来たりする曲なんかは弾きづらさが出てきます。

ほかのデメリットの部分は電子ならではの部分なので、炎天下のステージや万が一に備えて、事故が起きたら取り返しがつかないシーンには紙の楽譜も備えておくことが必要になるかもしれません。

4.電子楽譜に決定した理由

電子楽譜、令和の時代に完璧な選択肢かと言うと、そうもいかないデメリットもそれなりにあるのですが、やっぱり【全ての楽譜をデータ管理できる】【嵩張らない】というメリットが大きく感じて、わたしは電子化に踏み切ることにしました。

やるなら早い方がいい。
これから増えていく楽譜を全部電子化する作業を思ったら、手持ちの楽譜が少ない時にはじめるべきです。

  1. これから買う楽譜は基本はPDFに統一

  2. どうしても紙になったものはスキャンでPDF化

  3. 移調したい時はOCRする

そう決めたら、端末選びです。
次の章では、私が買った端末とそれに決めた理由を説明して行きます。


(つづく)

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