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【院試解答】東大院 情報理工 数学 2022年度 第1問【線形変換による面積変化】

割引あり

東京大学大学院 情報理工学系研究科の入試過去問の解答例です.2022年度の数学(一般教育科目)第1問について解答・解説します.問題は研究科のWebサイトから見ることができます.

問題PDF

この解答例は大学院・研究科に認められたものではありません.正確性についての保証は致しかねます.


(1)

解答

$$
0\lt z-(x+y)^2\lt -xy
$$

より

$$
x^2+y^2+xy\lt z-xy\lt x^2+y^2
$$

となる.これと$${0\lt z-xy\lt 1}$$の両方を満たすような$${z-xy}$$が存在すればよい.よって,集合$${\Omega}$$は

$$
\left\{
\begin{aligned}
x^2+y^2+xy&\lt x^2+y^2\\
x^2+y^2+xy&\lt 1\\
x^2+y^2&\gt 0
\end{aligned}
\right.
$$

となる.第1式は$${xy\lt 0}$$となる.このとき,第3式は常に成立する.ゆえに

$$
\left\{
\begin{aligned}
xy&\lt 0\\
x^2+y^2+xy&\lt 1
\end{aligned}
\right.\tag{答}
$$

である.

解説

実数$${z}$$が存在するような$${x,y}$$の条件を求める問題です.
基本的な方針として,不等式$${A\lt z\lt B}$$において$${z}$$が存在するのは$${A\lt B}$$のときであるということを用います.
本問では不等式が2つありますので,その両方を満たすようにしなければなりません.イメージしにくい人は数直線を書いて不等式の領域を図解するのがよいでしょう.

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