「 #KuToo (クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム」への批判点の整理

変更履歴
2020/03/31
・関連リンク修正(1件削除)
2020/03/10
・「「石川氏の反論がツイートから書き換えられているのは著作権侵害だ」という主張をしている人物は…」→「「石川氏の反論がツイートから書き換えられているのは著作者人格権侵害だ」という主張をしている人物は…」に訂正
2020/03/07
・「※出版社の現代書館の抗議文において、この点への批判を「著作権侵害だ」と …」→「※出版社の現代書館の抗議文において、この点への批判を「著作者人格権侵害だ」と …」に訂正
・全文引用のページについて、当該ページを写真に撮った画像を追加(5枚)

このまとめの目的

 「#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム」2章『#KuToo バックラッシュ実録 140字の闘い』に対する批判点の整理。
 2019/11/20の発行以降、3か月経った現在においても批判が続いており、批判されている点を一か所にまとめた記事の必要性を感じたため作成した。
 いわゆる「まとめのまとめ」のため、批判を追っている方から見て目新しいものは無い。詳細な経緯を知りたい方は飛ばして「参考リンク」(特に吉峯弁護士のTogetter)をご覧になることを勧める。
 また、「批判1.(3)については批判したいが、その他の批判されている点については問題だと思わない(批判をしたくない)」という場合も考えられるため、同じツイートや同じ文章を重複して掲載している。

※当記事内での書籍の引用について:
 公表された著作物への正確な批評を目的とするものであり、「引用」と認められると認識している。
 ただし、打ち間違いの可能性がある。その場合、気づき次第ただちに修正する。

 また、記事内において誤認がある場合、具体的な指摘を頂ければ修正を検討する。具体的でないものは考慮しない。

批判点1.本書における「リプライ」の定義への批判

P.7 ページ下部注記

クソみたいなリプライ(ツイッターの返信機能を使って、見当はずれな内容や中傷的な言葉を投稿すること)

P.58 編集部による2章前書き

彼女へのリプライや引用リツイート機能による誹謗中傷、#KuTooのハッシュタグをわざわざつけたバッシングツイート――いわゆる“クソリプ”

批判①:
P.58の定義は「クソリプ」の定義として一般的とはいえず、P.7の定義に当てはまる(石川氏に@を飛ばしている)ツイートはごく僅か(検証によると51ツイート中12件)である。
それらすべてに「リプライ」と名付けるのは不当ではないか。
4.デザインへの批判も参照)

批判②:
一冊の中で矛盾しているうえ、どちらの定義にも当てはまらないものが掲載されている。
(下記1.(2)(3)参照)

1.(1) 石川氏に@を飛ばしていないが、#KuToo タグ付きのツイート
(P.58の定義には当てはまるが、P.7の定義と異なる)

例:P.60 上段に掲載

批判:
こういったツイートを見つけるためにはタグで検索を行うしかないにもかかわらず、まるで石川氏に話しかけたかのように「リプライ」と名付けるのは不当ではないか。
また、本書P.7の定義に当てはまらない。

1.(2) 石川氏に@を飛ばしていないが、「石川優実」とフルネームが含まれるツイート
(本書内の定義と異なる)

例:P.144 上段に掲載

批判:
こういったツイートを見つけるためには「石川優実」で検索を行うしかないにもかかわらず、まるで石川氏に話しかけたかのように「リプライ」と名付けるのは不当ではないか。
また、本書P.58の定義にすら当てはまらない。

1.(3) 1.(1)(2)に当てはまらないツイート
(本書内の定義と異なる)

 これについては、「#KuToo」「石川優実」のいずれの語で検索しても見つからず、特に批判の対象となると考えられるため、6件すべてを例示する。

例①:P.62に掲載

例②:P.76に掲載(批判2.(1)も参照)

例③:P.86に掲載

例④:P.106に掲載

例⑤:P.108に掲載

例⑥:P.140 上段に掲載

批判:
上述の通り、「#KuToo」「石川優実」のいずれの語で検索を行っても見つからない(いわゆる一般的な「エゴサーチ」を行っても見つからない)にもかかわらず、まるで石川氏に話しかけたかのように「リプライ」と名付けるのは不当ではないか。
また、本書P.58の定義にすら当てはまらない。

 なお、下記のツイートについては、これに当てはまるか不明である。

P.70に掲載
(リンク先のタイトルに #KuToo タグが含まれる)

P.72に掲載
(#が全角のため、タグの体裁となっていないが、kutooの語は含まれる。ただしこのツイートについては、石川氏以外との会話の一部であるため、批判2.(4)文脈が変わっているにて改めて取り上げる)

批判点2.「引用」が全文掲載でないことに対する批判

 出版社である現代書館の見解を下記に引用する。
 なお、書籍内には「全文を引用していない場合がある」旨の注記は無い。

 本書におきまして、特にその「2 #KuTooバックラッシュ実録 140字の闘い」は、#KuTooの趣旨に賛同していない投稿、石川優実さんを批判する投稿について批評し考察する章となっておりますため、著作権法第32条の規定に従いまして投稿発言(リプライ以外も含む)を原文のまま引用し(割愛する場合は[…]を表記しております。著作物の中〈投稿内〉にリンクを貼った記事の見出しなどが含まれている場合は引用をしておりません。)、同第48条の規定に従いまして投稿者のアカウント名、URLを記載いたしました。

 また、上記の見解と異なり、記事の見出しとURLが掲載されているページも存在する。

例:P.66(記事タイトル、URLいずれも掲載されている)

神楽坂優二(ばかぐら) @kagura0
朝日が煽って国会質疑という「#KuToo」運動への溜息 https://www.dailyshincho.jp/article/2019/06280558/#デイリー新潮
◆>> 女の敵は女。しかし、それでは「運動」が成り立たないのだ。
辛辣w

実際のツイート

 批判については下記にて個別にまとめる。

2.(1) ニュース等へのツイートについて、見出しとURLが削られているものがある

例:P.76に掲載されている文章

ichi @ibaichi10
冠婚葬祭業でお客さんから「正装でないのは失礼だ」とクレーム来たら退職して職業変えるしかない。訴える前に転職の発想は無いのかな。自分で起業するてもある。楽して儲ける事はできない。

実際のツイート(批判1.(3)も参照)

批判:
ニュース記事に対する感想ツイートであるにもかかわらず、石川氏に話しかけたかのように「リプライ」と名付けるのは不当ではないか。
また、上述の通り、書籍内には「全文を引用していない場合がある」旨の注記が無いため、ツイートの一部を掲載されているケースがあることが、書籍を読んだだけでは分からない。

2.(2) 2.(1)に当てはまらないが、ツイートが削られているものがある

例:P.70に掲載

みやびmama @miyabi39mama
[…]それにしても、いまだに、性差別だという主張を下げないんですね
慰安婦のイベントに参加するし、本丸は靴ではなくて、性差別をなくすことですね

実際のツイート

 なお、石川氏はツイートで「Twitter内容は、誤字も含めてそのまま」と主張している。

批判:
引用ならば全文を掲載すべきではないか。
また、上述の通り、書籍内には「全文を引用していない場合がある」旨の注記が無いため、ツイートの一部を掲載されているケースがあることが、書籍を読んだだけでは分からない。

2.(3) 石川氏の反論部分が実際にツイートされたものと異なるものがある

例:P.114に掲載されている石川氏の反論

石川優実
私ずっと、「男性の履いているような革靴を選択肢に入れてください」っていってます
「本題」と偉そうに議論ぽくしてるけど、「何も調べずに発言してます」って言ってるみたいですごくユニーク。もはやコント。「単なるポリコレこじらせ人間」とまで言ったくせに……笑。

ツイートされている文章

※詳細はsushikennsyou氏によるTogetterを参照

 これについて、石川氏は「自分のツイートは出典元を表記しておらず、引用ではない」と主張している。

批判①:
P.58(編集部による2章前書き)に下記のように表記されていること、

 しかし、石川は怖めず臆せず、それらひとつひとつに平静に、真っ当に、あざやかにリプライしていく。

また、ページ上部に「Tweets」と表記されており、Twitterにおけるスレッドのような線のデザインがある(詳細は4.デザインへの批判を参照)ことから、ごく普通に読めば石川氏によるリプライだと考えられる。
しかし実際には石川氏のツイートした文章から修正がなされており、これは捏造と呼べるのではないか。

批判②:(批判①からの派生)
対向ページにて丸々1ページ、石川氏による「研究」がなされているのだから、書き足すのであればそちらにすればいいのであって、なぜ石川氏がツイートしたように誤認させるデザインとしているのか。上記引用部のように、「石川氏があざやかにリプライをした」と誤認させたいがためではないのか。

出版社の現代書館の抗議文において、この点への批判を「著作者人格権侵害だ」という批判だと誤認しているような文章が見受けられる(下記に引用)。

石川さんが「他人の著作物」に手を加えた部分はなく、自己の著作物を補充したに過ぎないのであるから、そもそも同一性保持権侵害の問題ではない。何故なら、同一性保持権侵害とは、引用その他において、「他人の著作物」に手を加えることだからである。反論すら不要と判断して無視した理由はここにある。

 しかし、批判はおもに「石川氏の反論がツイートから書き換えられているのは捏造ではないか」というものであり(吉峯弁護士のTogetter、およびsushikennsyou氏のTogetterを参照)、「石川氏の反論がツイートから書き換えられているのは著作者人格権侵害だ」という主張をしている人物は(少なくとも目立ったところには)存在しないと思われる。

※『図書新聞』2月8日号に掲載された書評(下記に引用)では、「一種のパロディ」という擁護がなされた(おそらく、「Twitterのデザインのパロディ」という意味であろうと思われる)。詳細はsushikennsyou氏によるTogetterを参照。

そして、これらの下部に位置する石川の応答は実際にTwitterで行ったリプライも含め出典なしに記載され、本書の地の文として読めるかたちで提示されている(研究者であれば自身の過去の論文に対しても出典を示すが、本書は学術書ではなく一般書であるため、こうしたことは新書と同様に煩雑さの観点から許容されうるだろう)。そのため、引用された者と著者が実際のTwitterで直接的なやりとりをしていない場合、「やりとりをしていないのに事実を歪曲している」と思い込んでしまうひとがいるようだ。このようにして、一種のパロディをパロディとして理解できなかったり、引用文とそれ以外の文の差異を識別することに慣れていなかったりするひとびとによって本書は誤読されている。

2.(4) 他の人との会話のうち1ツイートだけを抜き出されるなど、文脈が変わっているものがある

例①:P.70 前半部分を省略されている

みやびmama @miyabi39mama
[…]それにしても、いまだに、性差別だという主張を下げないんですね
慰安婦のイベントに参加するし、本丸は靴ではなくて、性差別をなくすことですね

書籍P.71での取り上げられ方

その通りだよ自爆系
その②

 なんかあかんことあんのか……? まるで「こいつはただ性差別をなくしたいだけの女ですよ! みなさん騙されてはいけませんよ!」とでも言いたそうな感じ。本丸って……何か明らかに悪いことを企んでいる裏切り者が出てくる映画のシーンとかで使うセリフでしょ? いやいや、そうだよ? としか言えません。だって靴は性差別を考えるきっかけのひとつだから。こういうリプを平気で飛ばしてくる人って、「自分は男尊女卑な日本を正すつもりはないんです、女性を差別し続けたいんです」って言ってるようなもんなんだけど、気は確かなのかな? しかも日本人としてTwitterを通して全世界に向けて。挙げ句の果てにはアカウント名含め書籍にまで載っちゃって……あ、私が書籍デビューしたと同時にこいつのおかしな思想が私の本に載っちゃったのか。一緒に載るのちょっとやだな。引用掲載おめでとう。この方は署名初期からずっとがんばって私を叩いている方ですね。いったい私にどれだけの時間を使ってくれたのでしょうか。

※注1:「本丸」(ほんまる)は「比喩的に、物事の本質、組織の中核を指すために用いることがある」(Wikipediaより引用)語
※注2:「リプを平気で飛ばしてくる」とあるが、下記のとおり@は飛ばしていない

画像4

実際のツイート

批判:
なぜ前半を削ったのか? 前半部分は、KuToo 署名ページに当初掲載されていた写真の靴がかなり高いヒールのものであり、誤解を招くこと(下記吉峯弁護士のツイート参照)に対する指摘で、真っ当な指摘といえる。それを削ったのは、「このツイートはまったくの『クソリプ』であり、正当性などない」と主張するためではないのか?

参考:署名ページに以前掲載されていた写真についてのツイート

例②:P.72 石川氏以外との会話の1ツイートを取り上げられている―その1

引用されたツイート

書籍P.73での取り上げられ方

逆が全然逆じゃない系
 なんで女性の靴問題の逆が水着になるんだよ 笑。全然よろしくないわ! 「逆に」の使い方おかしいよ! #KuToo を男性が海パンで出勤する話に繋げるこの人の思考回路、どうなっているんだろう。この人が海パンで出勤したい願望あるのかな? 海の家とかプールで働くことをおすすめしたいです……。そこで女性のみ水着での勤務が許されていて、男性はサウナスーツです、という状況だったら「俺たちにも水着を着る権利を!」ってなるんじゃないかな。逆に(ってこういうふうに使うんだよね?)、女性が「私たちにもサウナスーツを着る権利を!」とか。#KuToo っていうのはそういう感じの運動です。
 こういう人たちって、リアルな会話はどうなってるんだろうか……。リアルでもこんなに会話が噛み合わないのかなぁ。でもさすがに対面でこんなへんてこりんな人に会ったことないしな……。Twitterになると急にバグるとか?

注:「噛」は書籍では印刷標準字体だが、環境依存文字のため簡易慣用字体とした。

画像5

 該当ツイートのスレッドをたどっていくと、下記のような会話であったことが分かる。

 また、当時にも石川氏に対し、「他の人との会話である」ことがリプライされている(はるかちゃん氏が@を飛ばしている)。

批判:
上記から分かるように、きちんと流れがあって海パンの話が出てきているし、そもそも石川氏との会話ではない。
それを「石川氏に突然海パンで出勤する話をリプライしてきた」ように取り上げるのは不当ではないか。また、上記のとおり前提が間違っているので、P.74の「研究」は全文間違っているのでは。

 なお、掲載を知ったはるかちゃん氏に以下略ちゃん氏がインタビューを行っている。記事はこちら

例③:P.100 スレッドにはなっていないが、関連するいくつかのツイートがある

書籍P.101での取り上げられ方

仮想敵を勝手につくる系
 「丸投げ」という言葉の意味を知っているのか? 逆に丸投げしているのは私が署名提出した後に「それぞれの職場がどのような状況にあるかということで、それぞれの職場の判断だと思います」と言った厚労省側の方なのでは?* 「様々な選択肢を提示」したり、「双方が幸せに」なれるように行動しているのはむしろ私たちのような気がするんだけど。私はツイートにも書いているけど、#KuToo の運動をするにあたってかなり色々なアクションを起こしてきたつもり。多くの時間と労力とお金を使ったけれど、そんなのこの人にとったら何にもせずにただ楽して文句言ってるだけに見えるんだろうなぁ。
 最後の「そうして世界は進歩してきたのだから」って名言っぽく締めるのはクソリプ界で流行ってるんかな? ちょこちょこ見かける気がする。そうですよ、そうして世界は進歩してきたのだから、こうやってクソリプで邪魔しないでって思う。そうしてクソリプによってジェンダー平等は後進していくのですね。

* https://www.huffingtonpost.jp/entry/kutoo_jp_5cf79a66e4b0747b8c5efe26(ハフポスト 根本匠・厚労相が「#KuToo」運動に否定的な見解。)

画像6

 関連するツイートについては下記。なお、「靴師」と名前にあることから推察できると思うが、靴の木型を設計している人である。

批判:
本に掲載する前に、対話をしてほしかった(本人のインタビューより引用)とご本人も仰っているが、クソリプとして掲載するよりもリプライを送るべきだったのではないか。味方にできそうな人を敵にしていっているのは石川氏の方なのでは。

例④:P.112 石川氏以外との会話の1ツイートを取り上げられている―その2

引用されたツイート

書籍P.113での取り上げられ方

#KuToo アクションを舐めてる系
 プロフィールに「フェミさんのことが気になってしょうがないんよ」とあるけれど、嫉妬かな? どう考えてもこんなにたくさんの取材受けて署名集めてって、「お菓子ボリボリ食べながら」できることではないんだけど。この人だってそれくらい本当は分かってるよね? それとも本当に私が行動している背景が浮かばないのだろうか……。だとしたら想像力がなさすぎ。
 何してようと私の勝手じゃない? この人にどうこう言われる筋合いはない。というかバイトもしながらずっと活動してるし、石川優実としてこうやって本出したり靴のプロデュースする仕事に繋がっているんだけどな。私がただ単に遊んでいるように見えているのだろうか? 確かに楽しんでいるような面はあるけど。こういう人たちは仕事に対してどのようなイメージを持っているんだろう。楽しみながら活動や仕事をすることがいけないのかな? 舐めてるのはこの人の方だよね。人がアクションを起こすことを舐めてる。匿名で、他人に対してそんなに上から目線だと、あなたこそ信用されないよ。みんなが私のことを信用してくれたからこんな行動に繋がったんじゃないかな。

画像7

 該当ツイートの引用RTをたどっていくと、下記のような会話であったことが分かる。

批判:
上記から分かるように、jamesetta氏が批判している「お菓子ボリボリ食べながらでもできる「行動」」とは、「 #kutoo なんてタグでTwitterでクダ巻いてる」ことであり、批判されているのは石川氏ではなくぽっぽ氏(最初のツイートの人)である。
それを石川氏への批判であるかのように取り上げるのは不当ではないか。また、上記のとおり前提がすべて間違っているので、P.113の「研究」は全文間違っているのでは。

例⑤:P.114 引用されたツイートの後、石川氏と会話が続き、ツイート主が納得するに至っている

引用されたツイート

書籍P.115での取り上げられ方

実は自分がこじれてる系
 私、同じことずっといちいち色んな人に丁寧に教えてきたおかげで一時期iphoneで「だ」って打つと「男性の履いているような革靴を選択肢に入れてくださいって言ってます」って予測変換で出てきてたもん。それくらい何百回とうんざりするほど「パンプス履かないんなら何履くんだよ?」って言われた。署名サイトにしっかり書いてあるし、受けた取材でもずっと答えてたのにね。もう定型文登録しようかと思ったくらいだわ。こういうツイート本当に多かったです。何か発言する時って、間違えてたら恥ずかしいから最低限のことは調べない? あ、匿名なら恥ずかしくないか! 自分の疑問についてすでに話題にされているかもしれないとか、提案されているかもしれないとか、その辺を想像できないって……ダサい! 少しは考えろ! プロフィールに「愛国心を育む教育を進めたい」とありますが、その前に「想像力を働かせる教育」を進めた方がいいのでは?
 あとこの手の人たちって、ポリティカル・コレクトネスに対してアレルギー反応示すこと多いけど、ここではその議論してないよ。お前がこじらせ人間だ!

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Twitterでのその後の会話 ※書籍発行前

批判:
このようなやり取りをした相手に対し、プロフィールまで挙げつらい、「匿名なら恥ずかしくないか!」「ダサい!」「お前がこじらせ人間だ!」とまで書く必要があるのか? それは研究と呼べるのか?

例⑥:P.124 記事の内容を引用してツイートしたものを、自分の発言のように取り上げられている

ヤヤー @yaya_weedflower
”水着写真”を撮られることが嫌な女性が、やがては”過激な姿勢のヌード写真”を撮られることにもなり、「自ら好きでやっている」と言えるようになってしまうこと。

書籍P.125での取り上げられ方

あなたは洗脳されているんだよ系
 これは今もヌード写真を楽しんで撮ってもらっている私へのツイートですが、私が嫌だったのは「水着写真を撮られること」じゃないんだよ。そこを間違えてもらったら困る。事前にどんな撮影になるかしっかりと打合せがあって、それに見合ったギャラが提示され、どこの媒体でどういう扱われ方をするのか納得した上でやる撮影は当時から楽しかった。嫌だったのはそのような説明がされず無理やり強行されたような撮影。その場になったら断れないだろう、といった詐欺的なもの。「撮られること」じゃないです。これって、レイプとセックスの違いが分からないやつに通じる問題だと思うんだよね……。外から見たら同じ行為かもしれない。だけどその心中は真逆のものであったり、暴力だったり。私は現在、ぜーんぶ自分で選んでやってる。自分で企画もするしね。どれくらい脱ぐかも毎回違うし、衣装やロケ地、どういう作品にするかの企画から写真のセレクトまで自分が関わった上で、取り上げられ方や媒体、ギャラなどを加味して最終的に決める。その決定権は絶対に私にある。私が幸せだと感じていることを勝手に洗脳されてるように言わないで。私の幸せは私が決める。

画像9

実際のツイート

 この後、石川氏はこのツイートがヤヤー氏の発言ではないことに気付いている。 ※書籍発行前

批判:
本書を読んだだけでは、この発言がヤヤー氏のものであると誤認するであろうが、それは事実ではない。事実ではないことを石川氏も認識しているのに、誤認するような掲載をしているのは不当ではないか。

掲載されていると知ったヤヤー氏の反応

批判点3.「研究」に対する批判

 著作権法上、「引用」が認められるのは「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」(第三十二条)である。
 引用の目的について、石川氏は取材で下記のように語っている。(以下に引用)

――新刊では、100ページにも渡って実際に石川さんが受けたクソリプを紹介していて、さらに石川さんがそのひとつひとつを分析したうえで解説やコメントを入れているのがとても面白かったです。アカウントごと引用している点が画期的だなと思いました。
石川:クソリプはスクリーンショットに撮って保存しているんですが、本に載せるにあたっては約50種類のクソリプを厳選しました。推敲の時点では、倍の100種類近くはありましたね(笑)。
 公表された著作物は、引用して利用することができるという著作権法第32条を担当編集さんに教えてもらいました。今回の書籍はクソリプを飛ばす人たちのメンタリティを研究するという正当な範囲内で引用しています。最初は相手のアカウント名まで載せるのはどうなんだろうって話にもなったんですけど、引用のルールに則ると出典を明示することが必須なのでアカウント名を入れました。書籍からの引用も、著者を明記しますよね。私としては「責任を持って書き込みしないとこうやって使われることもあるぞ」と示したい気持ちもあって、最終的にはアカウント名も載せました。URLも載せていて、きちんと法に則って引用しているので、もし変に絡まれたとしても問題はありません。

 しかし、そもそも研究と認められなければ、引用も認められないであろう。

注:研究と認められるかどうかは、裁判にならなければ分からないため、現時点で「研究ではない」と言い切れないことは事実である。

3.(1) 自己剽窃にあたるのでは?

 自己剽窃については一般社団法人情報処理学会のWebページに下記のような定義がある。

Q10: 自己剽窃とは何ですか? 自己剽窃を避けるにはどうすればよいですか?
A10: 自分が過去に書いた原稿の一部を、自身の投稿原稿中で引用せずにそのまま流用することを自己剽窃と呼びます。これは、文章だけではありません。例えば、論文Aにおいて作成した「評価用データX」があるとします。この時、別の論文Bで「評価用データX」を利用する場合、論文Bにおいて、当該データXについて作成方法を含め説明することがあります。このような場合、論文Bにおいて、あたかも「評価用データX」を新たに作成したように説明することは避けなければなりません。このような場合には、論文Aを引用した上で、論文Bの中で「評価用データX」を説明しましょう。

批判:
2.(3)で挙げたように、石川氏の反論部分は実際にツイートされたものと異なるものがある。
しかし、実際にツイートされているものもある。
これは自己剽窃にあたるのではないか。研究倫理に反するのではないか。

3.(2) 研究ではないのでは?

批判①:
2.(4)にていくつか引用したが、石川氏の研究と称する文章は罵倒であり、研究とは言い難いのではないか。

批判②:
「クソリプを飛ばす人のメンタリティを研究する」とあるが、「リプライ=@を飛ばしてくる人」「 #KuToo のタグをつけて批判を行う人」「石川氏のフルネームを入れて批判を行う人」「それ以外の人」のメンタリティはそれぞれまったく異なることが容易に想像できるため、それらを区分けすらしていない本書は研究とは言い難いのではないか。

批判点4.本書「Tweets」部分のデザインへの批判

 本書にて、ツイートを引用されているページは下記のようなデザインとなっている。(下記はP.70、以下略ちゃん氏のWebサイトより引用。なお、下記にて批判点を挙げるが、何が問題となっているのかは上記Webサイトを閲覧いただいたほうが分かりやすい)

画像1

 ページ下部に「リプライ」「リツイート」「いいね」などのボタンがあり、Twitterのデザインを模しているといえるだろう。
 石川氏の見解は下記。

批判:
Twitterのデザインを取り入れて誤認を招いておきながら、都合の悪いところは「そういうデザインなだけ」と言い逃れるのは、不誠実な行いではないか。

注:法的に問題があるかどうかは、裁判にならなければ分からないため、現時点で「法的に問題がある」と言えないことは事実である。

4.(1) Twitterのスレッドのようにデザインされているが、スレッドではない

 「スレッド」については以下略ちゃん氏のWebサイトをご参考いただきたい。

画像2

批判:
スレッドであることを示す線があるが、引用されたツイートは石川氏へのリプライではないし、石川氏のツイートもリプライではない(引用RT)ため、実際はこのような線はできない。

実際のツイート(Twitterに飛んで見ていただきたい)

4.(2) 「Tweets」と表記があるが、石川氏の文章はツイートされたものとは異なる

 石川氏の反論と実際のツイートについては批判点2.(3)をご参照いただきたい。

画像3

批判:
ごく普通に読めば、「Tweets」は「ツイートの複数形」であり、その下位にある石川氏の反論部分もツイートだと認識される。にもかかわらず、石川氏の反論部分は実際のツイートとは異なっている。

参考リンク

(批判側)

吉峯弁護士によるTogetterまとめ
 引用部分の著作権に関する批判では最も有益だろう。

sushikennsyou氏によるTogetterまとめ
 数が多いが、書籍発売以降の流れを追うには最適。

以下略ちゃん氏の記事
 スレッドを模したデザインへの批判や、Twitterの利用規約に関する指摘。また、ツイートを引用された方への取材記事もあり。

 ↑ よく話題にのぼる「実際に訴えようとしている人はいるのか?」という話に触れている。(下記に引用)

当ブログで取材をしたところ、ツイートを無断転載された被害者の方は、実際に昨年末に弁護士さんに相談料を支払って相談されていて、現在訴訟準備中であることは確かなようです。
東京で裁判をするのか、被害者の方の地元でするのかで迷っておられること(Twitterの著作権はむずかしい。東京のほうが著作権問題に詳しいが旅費日当など費用がかさむ)と、最高裁まで争うとして費用が百から2百万円かかるにもかかわらず、損害賠償金がそれだけの金額が見込めず赤字になってしまう可能性が高いことなどで、まだ実行されていないだけです。

 ↑ P.72に引用されている方へのインタビューが掲載。

KSL-Live!の記事

 ↑ 石川氏のツイートの分析、担当編集者への取材など。

MIGTOW NEWSの記事

 ↑ P.100に引用されている方へのインタビューが掲載。

(石川氏側)

 ↑ 発売直後の取材記事。「研究のための引用」について石川氏が述べている。

 ↑ 発売元の現代書館の見解。「引用は原文ままであり、省略する場合は記号を表記している」と主張。

 ↑ 発売元の現代書館による、Wikipedia投稿に対する抗議文。