パラダイムシフト

2019年中国武漢より発生した新型コロナウイルスは、まだ年末では少し人ごとな出来事だった。
年末のニュースで初めて知った時、まだこれ程大きなインパクトを全世界に与える出来事になるとはよもや思ってなかった。

ただ、動物的感としか言いようがないが、とてつもなく嫌な予感はして、背筋に寒気を覚えたのを覚えている。

翌2020年1月、
まだ国内では他人事だった。
マスコミは大したことない。手洗いうがいを徹底しましょうというコメントで溢れ、中国の団体旅行の受け入れを行なっており、街にはその旅行者目当てのドラッグストアが一等地に乱立しており、店員の中国語での大声の呼び込み合戦が繰り広げられていた。

一部の知識人はこの、未知のウィルスへの対応が杜撰すぎると危機感を訴えていたが、その訴えは、大勢の正常化バイアスにかき消されていた。

2月に入り、いよいよ国内問題化してきたが、まだまだこの正常化バイアスに侵されていた人が半分近くいたのではないか。

2月に入り、武漢でのデータが流れ始め、初めて、僕は試算してみた。

日本国内の人口に置き換えると、大変な惨劇になる。死者が今月には出てしまう。
急いでSNSにも書き込み、これは大変なことになったと実感し始めた矢先、国内の感染者が急増し始めた。

しかし、今思えば、最大のきっかけは今でも、3月の大学生達の卒業旅行だったのではないか。
今でもそう思う。

当時のデータとは明らかに違う種の新型コロナウィルスがヨーロッパに広がり始めており、そこに日本の大学生達は卒業旅行に行ってしまった。

2月後半から3月、明らかに違う、早いスピードで国内で感染の拡大が始まり、死者も増えはじめた。当然、受注が止まり始めた。

突然来た、パラダイムシフト
隕石が衝突し、巨大恐竜が絶滅した、あのパラダイムシフトが始まった。
僕たちは突然、違う世界の住人になったのだ。
もう、昨日までの常識も、価値観も、生活慣習も終わった。

さて、どうしようか。

会社は解散か?
せっかく過去最高の決算をあと数ヶ月で迎えようとしていたのに。
無念、などと項垂れる時間もない。

会社にある、残された技術や資産で乗り越えるしかない。頭を使うんだ。

4月、僕らは生まれ変わった。
業務内容を変え、イベント会社から通販企業へ。いきなりの業態変更でも、できた。

6月、僕らは移転します。社名は変わらないまま、僕らは生まれ変わりました。誰一人、リストラすることなく。

生き残るのは強いモノではない。変化に対応できるものが生き残る。

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