前回は、占星術の「1の世界」である " 牡羊座 " と、タロットの「1の世界」である" 魔術師 " について触れた。
今回は、その続き。
noteで文章を書くひとなら、0から1が生まれる瞬間を知っているはず。
神々しさ、尊さ、気高さ、ある種の傲慢さ、唯一無二感を理解してくれそうな気がするのだ。
1の世界観を味わい尽くしたい。
ここまでで、共通したキーワードはあった。
はじまりとか赤ちゃんとか。
わたしがここに在るのはあたりまえじゃない、そんなことを思う。
そして、あらためてメッセージを受け取る。
すべての ” 1 ” はたったひとつの ” 1 ” としてそれぞれ生まれてきた掛け替えのない存在なのだ。
3. 数秘術の示す "1" の世界
●キーワード
Initiative
物事の根源・すべての始まり
絶対・一つしかないもの
自立
革新・創造・チャレンジ
明るく積極的、生まれながらのリーダー、野心家でナンバーワンを目指す
直感が鋭く、考えるより体が先に動く
ピュア
新しいものが好き
目立ちたがり
色:赤
イメージ:スポーツカー、ピッチャー
男性の象徴。
「何かを生み出す機能」がある。
あとに続く数字を統一し、全体の先頭に立って道を切り開き、集団を引っ張っていこうとする。
魔術師でスポーツカーで赤ちゃんて。
1の世界って、なんてパワフルなんだろう。
やっぱり、生命そのものだ。
4. 生命の樹(旧約聖書)・セフィロトの樹(カバラ)の示す "1" の世界
下記の図を本当にざっっくり説明する。
上の方が宇宙とか神に近く、下の方が現世とか人間に近い。
だんだん修行して上の領域に上がっていくのがスピリチュアルでいう ” 悟り ” の境地に近づいていくようなイメージである。
左の柱(ビナー・ゲブラー・ホド)は女性性、右の柱(コクマー・ケセド・ネツァク)は男性性、真ん中の柱は均衡をそれぞれ表している。
第一セフィラ:ケテル(王冠)
天使:メタトロン
神:AHIH
惑星:海王星
色:白
宝石:金剛石
象徴:王の横顔
対応するタロット:各スートのA
第一セフィラであるケテルは、セフィロトの樹の頂点に位置し、思考や創造を司る。トップに君臨するものとしての自信、栄光、志、統率力など、権威の象徴とされているのが ” 王冠 ” である。
最高神や支配するもの、神の意志を表す。
同時に最後の剣として称されるマルクトと通じ合っている。
●小径に対応するタロットカード
アレフ (ケテル → コクマー):0. 愚者
ベート (ケテル → ビナー):1. 魔術師
ギーメル (ケテル → ティファレト):2. 女教皇
生命の樹では、一番上の神様に近いところに、" 1 " がある。
わたしたちはみんな神様のこどもと言われたりするし、たしかに赤ちゃんて神々しい。
地上に人間として産まれ落ちたときに " 0 "から" 1 "として切り離されたわたしたちは、いつかもう一度" 0 "に戻るまで、今旅をしているんだろうか。
5. タロットカードの ” 1 ” 〜小アルカナ編
前述した生命の樹でも対応カードとして出てきたので、書こうか迷っていたけど書いてみよう。
それぞれのAが示す "1" の世界
●四大元素
トランプと同じ、Aは 1 を示していて、数字の1は男性的なエネルギーが強く、行動力や思考力などのパワーが詰まった数字。
また、すべてのカードに共通して描かれるモチーフは、" 雲 " と ” 手 ” 。
" 雲 " は天からの啓示を象徴している。
啓示によって、各元素を手にして動き出したり進み出したりする瞬間、つまり選択した四大元素それぞれの物語のスタートを意味する。
そして、それぞれの元素を掴む ” 手 ” についても気になることがひとつ。
棒と聖杯は右から突き出ていて、金貨と剣は左から突き出ているのだ。
タロットカードでは、右は未来、左は過去を表すから、きっと意味があるのだろうと思うけど、その意図を書くにわたしでは至れない。
●ワンドのA
ワンドのエレメントである火は、神から与えられたものではなく、人間が自らの力で獲得したものだ。
火をおこすことで、闇夜を制し、鉄を作り出すことで近代文明は発展した。
神の庇護のもとから飛び出し、人間が自分の力を発揮して得た文明の発展はときに環境を破壊につながり、人間は自らの首をしめる事になる。
火は、地上の人間のはじまりで、” 1 ” のテーマに還るのだ。
●ペンタクルスのA
●ソードのA
ソードの世界観
雲から伸びた右手にはしっかり剣が握られ、勝利を象徴するなつめやしの葉が添えられています。剣が王冠を貫通しているのは、強い信念の証です。
●カップのA
カップはワンドと対になるものだ。
カップが女性性を表すのに対し、ワンドは男性性を表していて、ワンドが " 1 " であるなら、カップは " 2 " であり " 1 " でもある。
上にもある通り、「受け手」なのだ。
「受け手」がいるのだとすれば、その前に「送り手」がいるはずで、「受け手」は 2人目なのだけれど、もうひとりの " 1 " でもあるということ。
数秘でも、奇数は男性性を、偶数は女性性を表す。
けれど、占星術だとこのふたりの " 1 " は それぞれ別の " 1 " という考え方でどちらの属性も内包しているんだろうか。
占星術の" 2 " は少し性格が違う気がするからだ。
とはいえ、あたりまえだけれど、" 2 " は " 1 " + " 1 " だ。
両極性という言葉がある。
陰陽や、プラスとマイナス、男女、昼と夜、生と死、光と闇などのこと。
" 1 " の次の概念である " 2 " については、タントラヨガのパートで少し描いてみたいと思う。
タロットカードの世界に戻る。
では、ソードやペンタクルスはなんなのか。
占星術と合わせて考えると、ソードがコミュニケーションを表すなら " 3 " であり、ペンタクルスが金銭を表すなら " 2 " であると理解できる。" 2 " にはハウスという考え方からすると、さらに進んだ意味を持つ。
ここまでで、また共通した概念が形作られてくる。
” 1 ” は神様とか宇宙にまだ近いところにあり、性別などの属性をもたない無垢な存在であるということ。
それは、赤ちゃんが天使に、ときにおじいちゃんに見えることと通じる気がする。
人間としては ” 1 ” はスタートなのだけれど、同時に神や宇宙に、そして死に近い。
わたしたちは、” 1 ” として地球に生まれおち、人間としてはじまって、最終的にそこに還るのだ。
つまり、” 1 ” は始まりであり同時に終わりなのだ。
…終われなかった。
もう、6,000字を超えている。
ということで、また次回。
最近タントラヨガ講座で学んだことのアウトプットの場になりそう。