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三曲☞椎名林檎

   所謂"推し"のような存在がいる方々は、常に好きという感情があるのは前提として、突如猛烈にその感情が膨れ上がる期間ってありませんかね。これは界隈問わずあるあるだと勝手に思っているんですが。

   私の場合その対象は椎名林檎で、なんか、しみじみ好きだなぁのタームと好きすぎてやばいのタームがある。少し前までそのしみじみ期がきていたんだけど、今週Original Loveの「LET'S GO!」のカバーを聴いて、それがあまりにも良くて、ちょっと今椎名林檎の声しか耳が受け付けませんの状態にもっていかれた。

   約二ヶ月前に発表があって、そこから本家のこの曲を聴きまくって大好きになっていたのでそのおかげもあるのかもしれない。夜中にワクワクしながら聴いて、予想外のアレンジと予想以上のぶっ刺さり具合に仰天した。ボーカリスト椎名林檎の、私の好き要素が詰まりすぎてる。ジャジーで低音が効いていて、f音の発声の仕方とか絶対確信犯な"ticket"の発音とかもうめちゃくちゃ好き。言わずもがな、ピアノ独奏になる瞬間も、ザ・ウッドベースな音色も、全部最高。その日は事変カバーの「プライマル」までいけませんでしたね。

   ということで(?)、Spotifyの三曲を熱く語るというタグ、やりたいけどどういう三曲にしようかと悩んでたんですが、結局椎名林檎で好きにやります。ただテーマを決めないと選べないので、ここまで声の話をしたくせに和訳が好きな英詞の曲縛りで、テーマは優しさかな…。多分同じことしか言わない。


と、ここまできてそっから一曲ずつ数百字書き連ねてみたんですが、これ紹介する気ねえなという文章になり、そもそも歌詞のことをここで書いてもなぁの気分が生じたので全部消してここに戻ってきた。

一応は三曲について記しておくと

1.雨傘 2.勝ち戦 3.この世の限り

です。雨傘はTOKIOへの提供曲でそこでは日本語だし、勝ち戦は東京事変の楽曲なんだけど、まあ椎名林檎の作詞ということで。雨傘はもうしょっぱなの”待って 鼻を利かせなよ 今宵は雨だろう”から好きすぎる。自分の耳やら鼻やらを使って、感覚を鈍らせないで、雨が降っていることに気づけよという、そこで雨を使うところがたまらない。経験値かな。あとね、この世の限りの

あなたは私を見て、きっとこう言う
「おめにかかれて光栄です、ここに居てもいいですか?」

とかさあ…。まあもしこんな偏った文章をここまで読んでくれている人がいたならば、気が向いたら歌詞も是非。三曲ともどこかに絶対優しさが隠れているので。心がぽっぽぽっぽするので。

   以上、紹介は終わり。やや書き足りないので話を移して、先日満を持してついに購入した本があって。それが『脚本家 坂元裕二』。別で書こうと思っていたんだけど、購入動機の七割は坂元裕二と椎名林檎の往復書簡に含まれていたので。

   家に届いてすぐ読んだ。それが少し前のこと。だってちょっと時間を設けないと、この私の目の前にある文章の陳腐さに絶望して全て削除してしまいそうだったから。他人のお手紙を読んでこんなにも泣きそうになったことってこれまでもこれからもないんじゃないかな。というかそもそも人の手紙を読む機会ってないか。何を言うにも邪魔になるけど、ただ泣くような内容ではないことは確かで、あの御二方の思慮深さとユーモアと途方もない文才に打ちのめされただけ。

   坂元裕二の作品が好きなの、登場人物が、本当のことを言うために違うことを言う、その部分の日常への溶け込み具合にあるんだって分かった。

『Women』が観たいし『Mother』も観たい。田中裕子さんの演技がみたい。『最高の離婚』ももう一度観たい。『カルテット』はこの前も作業中に流し始めてそのまま四話分突っ走ってしまったけどまた最終話までいって「人生チョロかった!」と笑う吉岡里帆がみたい。

「おとなの掟」を歌いながら、ミニバンを走らせる四人がみたい。


私にしては珍しく結構ちょけた文章になったけど、最後坂元裕二に引っ張られすぎた。でも今回はなんか、書いてて楽しかった。






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