見出し画像

読書の夏

   夏になると読みたくなる本、暑くなってから最近読んだ本の紹介をします。夏バテで三度の飯より読書がしたい、みたいな人がたまたまこのnoteを目にする可能性も0%ではないだろうと思って、その人に向けて書きます。でも多分あまり内容には触れません。そして私は最近自分の異様な食欲に驚いていました。やっと落ち着いて良かった。

TUGUMI/吉本ばなな
   
まずはこれでしょ。中高生の頃毎夏読んでいた気がする。私の中での『サマーウォーズ』的な立ち位置。病弱で口の悪いつぐみがいる海辺の町が舞台で彼女と姉妹のように育ったまりあが帰省する最後の夏が描かれる。つぐみのヒリヒリした感じと生へのエネルギー、小説全体に感じるじゃりっとした汗と切なさ。いいよなあ、思い出したら読みたくなってきた。少し前好きなイラストレーターさんがブックカバーになるペーパーを配信していて、とても夏っぽい涼しげで綺麗な柄だったのでこの本にかけようかと思ったんだけど、元の装丁が好きすぎてやめた。ところで『サマーウォーズ』も昨日映画館で観てきたんですがスクリーンで観る&CMが入らないってこんな違うんかってくらい良かった。何年経っても名作は名作だな。

夏物語/川上未映子
   
これはちょっとまじで性や子供を産むことに関心がある、何か思うことがある全女性読んで欲しいな。どえらいから。沢山の人に読まれている作品と思うけど未読の方いたら是非。読んでとしか言えない。

アルケミスト/パウロ・コエーリョ
   
羊飼いの少年が自分の夢を信じてエジプトのピラミッドへの旅に出る物語。正直ストーリーがどうこうよりも作中に散りばめられているメッセージの数々が凄い。前兆に従えだとか全ての人と歴史は繋がっているだとか。中でもとても響いた文章がひとつあった。ここでいう運命というのは方向性と言い換えられると思う。合う人には合うんじゃないかな。ここまで書いてなんだけど夏感はあまりないかも。

一瞬の風になれ/佐藤多佳子
   
これは陸上をしていたことがある全人類に読んで欲しい。いやもう部活でスポーツをしてた人でもいいや。私の中学時代のバイブルと言っても過言ではない。授業の読書感想文これで出した。練習中に汗だくになりながら仰ぎみる青空とか仲間を信頼して託すことの出来る自分への嬉しさとか熱いタータンに鳴り響くファンファーレとか。見事に全部蘇ってきて苦しくなるから。全三巻。佐藤多佳子さんで夏といえば『サマータイム』もめちゃくちゃおすすめ。これも良い。

すいかの匂い/江國香織
   短編集。大好き。出てくるのは少女たちばかりだけど読者層は多分問わない。人と自然と昼と夜とが混ざりあってしんみりするしちょっと怖い。こういう夏の記憶って皆ひとつくらいもってるのかな。あれはなんだったんだろう、みたいな。読みやすいのでおすすめ。

東京奇譚集/村上春樹
   
ここから最近読んだ本です。こちらも短編集。不思議な話たち。でも村上春樹にしてはオチがあるものが多い気がする。私は最初の「偶然の旅人」が一番好きだった。最後の文章でうっかり泣きそうになってしまった。日常の中でなんとなく行き詰まる、頭が完全にすっきりなんてしていない、意識を遠くに飛ばしたい、みたいな時に読むといいかも。

むらさきのスカートの女/今村夏子
   
帯に"何も起こらないのに怖い"みたいな文句が書かれていて読んでいくとそういう感じか~となる。この人は本当に独特な怖さをもたせるのが上手い。村田沙耶香さんのようなグロテスクさはないんだけど人の目線が一方通行であることの怖さ。えっ?ってなると思う。

さいはての彼女/原田マハ
   
これは夏。実は原田マハさんの作品を読むの初めてで、ずっと気になっていた後これを最初に手に取った。ちょっと私には合わなかったかも。あっさりしているなという印象。皆最後は仕事なりなんなり自分の道に戻っていくのがいいなと思った。


   以上!今は江國香織の『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』を読んでいます。再読。書きながら、これ私紹介する気ねえなと思った。あらすじとかは書く気起きないし感想もふわふわしてるし。

今日はカレーを作って食べました。明明後日はお母さんが来るし来週頑張ればお盆休みだ。余裕余裕。







この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?