ウルトラ観て欲しいぜ!

2020年夏、新しいウルトラマンの放送が始まった。そのタイトルは「ウルトラマンZ」。例に漏れずウルトラマンが大好きな私も、この夏のビックウェーブにしっかり乗り今作のウルトラマンを楽しんでいる。

そして嬉しいことに私の周りの友人から「このウルトラマンZでちょっとウルトラマンにハマってきた」と言う方が出てきてくれているのだ。そんな友人たちからよく聞かれるのが「他のウルトラマンも観てみたいんだけど、何から観たらいいかな?」と言う質問だ。そこでこれからウルトラシリーズを観たいという方の為に、私の独断と偏見で選んだ「ウルトラ初心者の方にお勧めのウルトラ作品」をいくつか選んでみた。もし良ければウルトラ初心者の方の参考にして貰えればと思います(取り敢えず今回は平成以降の作品から選んでます)。

「ウルトラマンティガ」(1996)(全52話)

まずは平成1作目の「ウルトラマンティガ」だ。平成1作目ということで「それまでのウルトラシリーズへのリスペクトも忘れず、新しいウルトラマン」と言う作品に仕上がっている。顕著に上がるのは状況に応じて3タイプを使い分けて戦う点。またシリーズ初の女性の防衛チームの隊長が登場する。V6の長野博演じる主人公のダイゴはウルトラマンとして戦う宿命を帯びて時にその力や重圧に思い悩むシーンも多くある。「なぜ怪獣は現れるのか?」「なぜ戦わなければいけないのか?」など。そしてチームの仲間、守るべき人たちの存在を通してそれらの壁を越えて成長していくドラマもこの作品の魅力である。新しい要素も沢山取り入れてある本作は、正に大人から子供まで楽しめる新時代のウルトラマンだ。

「ウルトラマンダイナ」(1998)(全51話)

個人的に一番好きなウルトラマン。前作ティガの10年後の物語として描かれいる。その為最初にお勧めするのは…とも思ったが、それを抜きにしても充分に楽しめる作品に思えたので今回取り上げてみた。基本的な設定はティガと同じだが、違いとしては主人公の性格、ストーリー、怪獣の戦いに爽快感が増していることだろう。「なぜ怪獣は現れるのか、戦わなければならないのか」と根本的なことに悩みながら戦うことのあった前作と違い「怪獣はいるものだ」という前提で戦いを描いている。たがそれは決して子供向きになったと言うことでは無く、全体的に明るい作風の中でシリアス回やホラー回と言ったお話が良いバランスで混ざっている。ティガと合わせて楽しんで欲しいが、単体でも充分満足のいく作品に仕上がっている。

「ウルトラマンガイア」(1998)(全51話)

個人的に「ウルトラマンはあんまり観てないんだけど、仮面ライダーは好き」と言う人にお勧めしたいのが「ウルトラマンガイア」だ。基本的に1話完結の話が多いウルトラシリーズの中で、ガイアは全話通じて1つの物語となっている。そしてシリーズ初の試みとして2人目のウルトラマンが話の軸になっている。複数のヒーローが軸になっているのも仮面ライダーと近いものがあるのではなかろうか(因みに2人目のウルトラマンのアグル=藤宮を演じる高野八誠さんは後に仮面ライダー龍騎などの仮面ライダーシリーズにも出演している)。また、タイプチェンジで戦うティガ、ダイナと違い、作品の途中で強化体になっていくと言うのもこれまでと違った熱さがある。そして全ウルトラシリーズの中でもトップクラスのクオリティの特撮が楽しめる。かなり作り込まれた特撮は全話映画並みの迫力で描かれている。ウルトラマンが地球、人間の意思の具現化と言う形で登場するのもこれまでの作品と違う点として挙げられる。新たな試みと全編通して高いクオリティで完成されたストーリーと特撮は是非一度ご覧になって貰いたい。

「ウルトラマンマックス」(2005)(全40話)

前作のネクサスや次作のメビウスが比較的有名だが、敢えてその間で作られたマックスを紹介してみたい。今作も前述とダイナと近く明るい話からとんでもなくシリアスな話までバラエティーに富んだストーリーが展開されている。また大きな特徴としてはレッドキング、ゼットン、バルタン星人といった過去の人気怪獣たちが登場するのも観ていて楽しい。話数が全40話でそこまで長くないのと、現在YouTubeで配信されているので今なら比較的楽に1話から追えるのもお勧めしやすいポイント。第15話「第三惑星の奇跡」は人生で一度は観て欲しい傑作です!(大声)

「ウルトラマンX」(2015)(全22話)

ギンガ以降の所謂ニュージェネ世代のウルトラマン。作品としては2001年のコスモス以来の「怪獣との共存」が作品のテーマとなっている。Xから顕著に見られるのが、現代技術をフルに活かした特撮とカメラワーク。製作陣の遊び心を感じる映像は観る者を決して飽きさせない(16話など特に)。また過去のウルトラマンの力を使って戦う傾向にあるニュージェネの中でウルトラマンそのものが多くゲスト参戦しているのも嬉しい。全22話と観やすい話数に加えウルトラマン自身のキャラも立っていて非常に楽しめる一作だ。

「ウルトラマンオーブ」(2016)(全25話)

個人的ニュージェネの中で一番熱い作品。歴代ウルトラヒーロー2人の力を使って変身するフュージョンアップを始め過去作のオマージュや製作陣の遊び心がかなり織り込まれている作品。しかし、過去作を知らなくてもストーリーとしてかなり楽しめる作品になっている。王道なようで少し斜め上のお話が展開される。なんと言っても見逃せないのは主人公のガイとライバルキャラのジャグラーの関係だ。話が進むにつれて明るみになるこの2人の関係性が非常にエモなのだ。それを踏まえてEDを聴くとかなり込み上げてくるものがある。ウルトラシリーズ50周年記念作として製作された本作はオールドファンは勿論、ウルトラマン初心者の方にも充分楽しめる作品に仕上げられてある。派生作品も多くあるので、もし観て面白かったと言う方はそちらも合わせて楽しんで欲しい。

「ウルトラマンジード」(2017)(全25話)

悪のウルトラマン、ウルトラマンベリアルの息子である主人公が自らの運命に立ち向かいながら真のヒーローになるまでの話。デザインで食わず嫌いをしてしまっている人もいるが、ストーリー自体は個人的にウルトラマンだけでなく近年の特撮作品の中で一番好き。初めはヒーローとして世間から受け入れられてなかったジードが最終話までいく過程でみんなにとってヒーローになっていく様子がとにかく熱い。17話は「子供の頃に憧れたヒーローがいた人」にとってはもう涙無しは観られない。過去作の設定なども使われてるので少しハードルは高いかもしれないが、作中の説明だけでも充分に1つのストーリーとして仕上がっているので、ぜひ食わず嫌いせずに楽しんで欲しい作品。

以上、今回はこの7作品を紹介してみた。これら以外にもウルトラマンは面白い作品ばかりなので、興味のある作品があれば是非近所のTSUTAYAで観てみて欲しい。個人的な話だが、今年は毎年夏の楽しみだったウルフェスが中止になってしまったりして落ち込んでいたが、新作の放送。劇場版タイガの公開。そして周りでウルトラマンに興味を持った方が増えていて、いつもとは違ったウルトラマンの夏が来そうでとても楽しみにしている。この機会にぜひウルトラマンを楽しんで、ウルトラマンの夏を盛り上げていきたいと思う。こんな時勢だからこそ、より色々なメッセージや元気を貰えることだろう。


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