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事実に基づくマネジメント

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、質問に答え、その回答を評価し、改善に結びつけます。そして組織の将来の成功を確実なものにしていきます。
 その基盤にあるのが11個の「核となる価値観と概念」です。ボリドッジ・エクセレンス・フレームワークは、それらを組織経営に埋め込む仕組みとも言えます。

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(図は、ボルドリッジ「核となる価値観と概念」の役割。翻訳筆者)

 その一つに「事実に基づくマネジメント」があります。「事実に基づく経営」と訳されることもあります。

事実に基づくマネジメント
 事実に基づくマネジメントは、組織内および競合環境の両方で、組織のパフォーマンスを測定し分析することを求めます。評価尺度はビジネスの必要性や戦略から導き出される必要があり、主要なプロセス、アウトプット、結果、成果(outcome)、競合他社および業界のパフォーマンスに関する主要なデータや情報がもたらされなければなりません。組織は、パフォーマンスを効果的に管理するために、多くの種類のデータと情報を必要とします。データと情報は、数値、グラフィック、定性などのさまざまな形式で、内部プロセス、調査、インターネット(ソーシャルメディアを含む)など、多くの情報源から提供されます。パフォーマンスの評価尺度には、顧客、製品、およびプロセスのパフォーマンスの測定、運用、市場、および競合のパフォーマンスの比較、サプライヤー、従業員、パートナー、コスト、および財務実績、ガバナンスとコンプライアンスの結果、戦略目標の達成を含めることが求められます。
ボルドリッジ「核となる価値観と概念」より引用。翻訳筆者)


 組織のリーダーが経営の判断を行うには、情報を集め分析して得られた事実に基づいて行うことを求めています。

 情報は、当人がその目で見たり触れたりした確定的な事象、信頼できる人がその目で見たという話を聞いたもの、こういう話があったという世間の噂の3つに分けることができます。

 リーダーが判断の基礎とすべきは、当人が見た確定的な事実および誰もが知っている普遍的な情報です。
 誰もが知っている普遍的な情報には、例えば、日本は37万平方キロの国土があり、1億2千万にんの人口がいて、資源はほとんどない、といった情報があります。こうしたことを前提において判断します。
 当人が見た事実にも「普遍性」が求められます。実際に見たのは事象の一面でしかないかもしれません。見たのは一面であっても、そこから事象の全体像は把握することが求められます。
 それが情報力になります。

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 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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