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4.経営管理の実践、改善

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの4つ目は
4.経営管理の実践、改善
です。

 カテゴリー4.経営管理の実践、改善は、次の10個の項目で構成されています。

4.(1)経営環境情報収集
4.(2)事業運営遂行リーダーシップ
4.(3)方針・戦略の伝達と理解
4.(4)活動状況の報告・通報
4.(5)活動状況のモニタリング
4.(6)法令順守・誤謬防止の意識徹底
4.(7)業務牽制の有効化
4.(8)業務改革の意識浸透
4.(9)財務報告の体制整備
4.(10)リスクの特定と予防

 組織を取り巻く経営環境の理解から始め、ミッション・ビジョン達成に向けて、戦略を策定し、実行計画に落とし込み、計画に沿って事業活動を行い、活動状況をモニタリングしながら、必要に応じて改善や変更を行いながら組織運営を効果的に進めるために必要な項目です。

 これらの項目はそれぞれに質問があります。その質問が、内部統制の要求事項になります。

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では別々のページに離れて記載されている項目およびその質問を一覧してみます。

          4.経営管理の実践、改善
4.(1)経営環境情報収集
 経営者は、経営環境(経済動向、業界動向、自社の業界での位置と競争関係等)に関し、情報収集とその分析を行い、これを基に経営方針、経営戦略を策定していますか。
4.(2)事業運営遂行リーダーシップ
 経営者は、経営方針、経営戦略に基づく業務運営の遂行のための必要なリーダーシップ発揮しつつ経営活動を実施していますか。
4.(3)方針・戦略の伝達と理解
 経営者の経営方針、経営戦略は、社内ルールに基づき、経営幹部・管理職・従業員に指示説明され、彼らの十分な理解と協力が得られていますか(上意下達)。
4.(4)活動状況の報告・通報
 会社内各部門の活動状況や経営に影響する重要な情報は、会社のルールに従い、遅滞なく会社内組織を通じ、経営者にも報告される仕組となっていますか。
4.(5)活動状況のモニタリング
 経営者、経営幹部、管理職は、全社あるいは各部門の活動状況とその結果をあらかじめ定められた目標に照らして常に観察、監督し、必要に応じ改善策などの施策を指示・実行していますか(モニタリング)。
4.(6)法令順守・誤謬防止の意識徹底
 コンプライアンスや誤謬防止の意識は、経営者から従業員に至るまで徹底し、実行していますか。
4.(7)業務牽制の有効化
 不正、誤謬の防止や発見を目的とする、管理職による従業員の、或いは従業員相互間の業務牽制については社内ルールが設けられており、このルールに従って、業務牽制は有効に機能していますか。
4.(8)業務改革の意識浸透
 経営価値の増加を図るため、経営全般や各々の業務の効率化、コスト削減の意識は会社内に浸透し、その実現のために創意工夫、実施、指導等を行っていますか。
4.(9)財務報告の体制整備
 会社の会計、財務、税務、決算書作成等の業務を担当する専門部署等の整備(人財の確保と配置、有効な業務牽制、正確性の確保と粉飾防止のための自己チェック機能の充実等)は行われ、有効に機能していますか。
4.(10)リスクの特定と予防
 会社において想定されるリスクの種類は特定され、リスクの発生を予防するための方策は講じられていますか。
(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」より引用。)

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、それぞれの質問(要求事項)に、10のポイントが示されており、それをチェックする仕組みです。

 10のポイントは、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を見ていただくとして、このノートでは、それぞれの質問の意味するところ(要求事項)を、ボルドリッジの視点から確認していきます。



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