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製造業のボルドリッジ

 ボルドリッジ・プログラムはもともと、米国の製造業者が世界市場で競争力を持つことを支援するために1987年に創設されました。当時は、ドイツや日本が世界の製造業をリードしていたのです。

 すでに30年以上の年月を経ていますが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークとその審査基準は、時代の変化に適応して2年に一度改訂が続けられており、今日の製造業の課題にも役立つものとなっています。
 最新版は2021-2022版(2021年改訂)です。

 そのポイントをいくつか挙げます。

戦略とレジリエンス
 審査基準のカテゴリー2は戦略に焦点を当てており、自己評価を通じて、組織運営を進める上での問題点と課題を特定することができます。

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組織運営上の有効性の第三者認証
 ボルドリッジ・プログラムは、国家表彰のプログラム(マルコム・ボルドリッジ国家品質賞)のほか、ボルドリッジベースの州および地域のプログラムがあり、製造業者にすべての領域(7つのカテゴリー)における組織運営の有効性についてフィードバックを提供し、組織が国家、州、地域で高いパフォーマンスを持つことの認証を得られます。
 これが、製造業者が、契約、助成金、あるいは顧客を、獲得し維持することに役立つ場合があります。

デジタル化とインダストリー4.0
 ボルドリッジ・プログラムが提供する、ボルドリッジ・サイバーセキュリティ・エクセレンス・ビルダーは、組織がサイバーセキュリティのリスク管理の取り組みの有効性をよりよく理解し、改善すべき点を明確にするのに役立つ自己評価ツールです。米国政府の機関NISTが規定するサイバーセキュリティ・フレームワークと連携しています。

サプライヤー管理
 総合的なボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークと、その要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、組織のリーダーシップ、測定、アウトソーシング、サイバーセキュリティ、および結果に影響を与える可能性のあるサプライヤーに関連する詳細な評価の質問を提供します。

働き手に関する問題
 ボルドリッジ・フレームワークは、組織文化を強靭にし、合併/買収を処理し、働き手のエンゲージメントと維持を確立するために、組織によって使用されてきました。

 以下は、ボルドリッジ賞を3度受賞したMESA社のトップの声です。

 私たちのビジネスは過去20年間で指数関数的に成長し、その成長はボルドリッジ・ジャーニーとほぼ完全に一致しています。平均成長率はほぼ10%を維持しています。ですから、ボルドリッジのプロセスが時間とお金のどちらの価値があるのか​​疑問に思っている人のために、私はこれを提供します。
 ボールドリッジに取り組む前は成長の途上にありましたが、取り組みを始めた後は、その成長線は指数関数的にシフトしました。
—テリー・メイ、MESA社長兼創設者(2020年、2012年、2006年にボルドリッジ賞を受賞)

★★

 以上はボルドリッジのブログに最近出ていた記事をベースにして、その有効性を紹介しました。
 2020年には、初めてボルドリッジ賞を3度受賞した組織がありました。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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