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働き手のエンゲージメントを高める環境

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの2つ目は
2.経営資源の確保・維持
です。

 ヒト,モノ,カネ,情報の4つが主要な経営資源のうち、ヒトのモチベーションに影響を与える要因について見ていきます。

2.(2)能力評価の仕組み
 各従業員は直接上司から、業務に関する能力、経験、労働意欲、向上意欲が正当に評価され、その結果が、給与、昇進、報奨に適切に反映される仕組みとなっていますか。
2.(3)職場環境への配慮
 従業員が快適に働けるような職場環境と生活環境(労働条件、オフィスレイアウト、衛生環境等)には常に深い配慮がされていますか。

 働き手に持てる能力を最大限に発揮してもらうには、文化や風土、上司や同僚、チームメンバとの関係などを含めた広い意味での職場環境が大切です。

 働き手を支援するための機会として
・柔軟な勤務時間や勤務場所、
・選択性の福利厚生、
・子供や高齢者のケア、
・家族として責任ある行事や地域社会への奉仕のための特別休暇、
・プライベートなカウンセリングやキャリアカウンセリング、
・将来のキャリア開発、
・レクリエーションや文化活動、
・職場での健康管理
・公式および非公式の表彰、
・直接業務に関係のない教育、
・ 現在受給しているサービスの退職後の継続も含む退職者給付
などがあります。

 働き手を大切にすることは、働き手のエンゲージメント、働き手の成長、働き手の幸福に責任をもって取り組むことを意味します。
 これには、職場や生活のニーズの変化に合わせた、より柔軟な仕事のやり方を提供することが、ますます必要とされるかもしれません。

 働き手を大切にする際の主な課題としては、
(1)働き手の成功に対し、組織のリーダーが責任をもって取り組んでいることを示すこと、
(2)通常の報酬制度を遥かに越える動機づけと称賛を提供すること、
(3)時によって変化する職場や生活のニーズに合わせた柔軟な仕事のやり方を通じてワークライフバランスを支援すること、
(4)多様な働き手のための包括的で公平な環境を創り出すこと、
(5)組織内での能力開発と成長を提供すること、
(6)中断や移行中にサポートを行うこと、
(7)組織の知識を共有して、働き手が顧客に対してより良いサービスを提供し、戦略目標の実現に貢献できること、
(8)イノベーションを達成するためにインテリジェントリスクを取ることを奨励する環境を創り出すこと、
(9)働き手および組織がパフォーマンスに対して責任をもつシステムを開発すること、
などがあります。

★★

 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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