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評点の仕組み(プロセス)

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークに含まれる「パフォーマンスエクセレンスに向けた審査基準」は質問集であり、その質問に答えて、その回答を評価することで、強みと改善の機会を特定します。次に、強みを活かして改善の機会に取り組むと、組織の中に改善のサイクルが生まれます。この改善のサイクルにより、組織成熟度が高まります。

 プロセスの回答はADLIで、結果の回答はLeTCIで評価します。

 この評点の仕組みを、詳しく見ていきます。

 ボルドリッジの審査項目への回答の評点は、2つの評価軸、プロセス(カテゴリー1~6)および結果(カテゴリー7)に基づきます。

 審査項目への回答に評点をつけるには、審査項目の質問に関係する以下の情報と評点ガイドライン(別途紹介します)とを考察します。
・組織プロフィールで表明した事業の主要な要因
・方法の成熟度と適切性、それら(方法)の展開の広がり、および、学習と改善のプロセスの強度
・パフォーマンスのレベル、および、結果を他の適切な組織やベンチマークの結果と比較する方法

評点の軸

プロセス

 プロセスとは、あなたの組織が使用し、改善に導く手法を指します。プロセスは、カテゴリー1~6の質問に対応します。プロセスを評価に使用される4つの要因には、アプローチ、展開、学習、統合(ADLI)があります。ボールドリッジベースのフィードバックは、これらの要因の改善の強みと機会を反映しています。 プロセスの項目の評点は、これら4つの要因を考慮に入れた、総合的なパフォーマンスの全体的な評価に基づいています。

「アプローチ」とは以下を指します。
・プロセス遂行に用いている手法
・ 審査項目の要求事項および組織の事業運営環境に対する手法の適切性
・組織が活用している手法の有効性
・アプローチの再現性と、信頼性の高いデータや情報に基づいているかの度合い(すなわち体系的)

「展開」とは以下に対する範囲を指します。
・組織にとって関連性があり重要な審査項目の質問にアプローチが対応している
・アプローチが一貫して適用されている
・適切なすべての業務単位でアプローチが使用されている

「学習」
とは以下を指します。
・評価と改善のサイクルを通じてアプローチを精緻化している
・革新を通じてアプローチの飛躍的な変化を促進している
・精緻化や革新を組織における他の関連ある業務単位やプロセスと共有している

「統合」とは以下の程度を指します。
・アプローチが、組織プロフィールや他のプロセス審査項目で明らかにされている組織的なニーズと整合している
・評価尺度、情報、改善システムが、プロセスや業務単位を横断して補いあっている
・組織全体の到達目標を達成するために、計画、プロセス、結果、分析、学習及び行動が、プロセスと業務単位を横断して調和がとれている

 プロセス項目の評点では、アプローチ、展開、学習統合が関連づいていることに注意してください。アプローチの説明は、常に展開を示す必要があります。これは、審査項目および組織内の特定の質問と一致しています(質問はあとで確認しましょう)。 プロセスが成熟するにつれて、説明には、学習のサイクル(イノベーションを含む)、および他のプロセスや業務単位との統合も示されること必要です。

 結果については次の記事に続きます。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


 

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