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環境変化の適切な認識・共有・対応

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。

 カテゴリ7.環境変化に合わせたイノベーションの実現について見ています。

 イノベーションの実現に向けて、環境の変化をどのように捉えているかを確認します。

7.(1)環境変化の適切な認識・共有・対応
 組織は経営環境の変化を適切に認識・共有・対応する仕組みを構築していますか。

 コロナ禍の今はまさに生き残ることを第一に考える必要がありますが、短期志向になりがちな事業環境において、ポストコロナや更にそれより先の長期的な成功にも目を向けることが大切です。
 現在および将来の組織の成功を確実なものにするために必要なことは、まず、組織やその市場に影響を及ぼす短期的および長期的な要因を理解することです。

 これは例えば次の観点から理解を進めます。
・顧客の短期的および長期的な期待
・新しいビジネスモデル
・新しい協働および協力関係構築の機会
・経済状況の変化を含む潜在的な危機
・働き手の充足度と熟練度のニーズ
・競争の激しいグローバル市場
・技術開発
・セキュリティおよびサイバーセキュリティのリスク
・顧客および市場セグメントの変化
・新しく出てくる規制要件
・地域社会および一般社会の期待とニーズの変化
・競合他社による戦略的な動き

 こうした理解の上で、環境の不確実性にいかに対処するかを考え実行することが重要となります。

 経営者は、環境変化を適切に認識すること、環境変化に適切に対応し、社会や顧客に新しい価値を提供することの重要性を、従業員にも理解を広め、現場からの情報も含め、経営環境の変化を認識するための多様な情報を収集する仕組みを構築します。

 環境変化に適切に対応できるように、組織としては。
・失敗と思わずにトライアル・アンド・ファインディングの考えでチャレンジする雰囲気を醸成すること
・迅速な意思決定を実現できるようなフラットな組織を構築すること
・社内の経営資源だけではなく、社外の経営資源を積極的に活用するような文化を醸成すること
などが求められます。

 また、こうした経営環境の変化を認識し、環境変化に対応するための各種仕組みを定期的に確認し、改善を行っていくことが大切です。

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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。


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