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実行計画の変更が必要になった場合にどのように対応していますか

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、戦略について見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「2.2戦略の展開」(p8)で、戦略をどのように実行に移しているかを見ていきます。

 実行計画の変更について尋ねます。

(7)実行計画を見直し、新たな計画を速やかに実行することが必要な状況になった場合、それをどのように認識し、どのように対応しますか。
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022, p8より。翻訳筆者)

 実行計画の変更と新しい計画の迅速な実行が必要になる可能性のある状況には、
・組織内や組織外部で起きる破壊的な事象
・競争環境の変化
・経済状況の変化
・破壊的技術の出現
・顧客の要望や期待の突然の変化
などがあります。

 こうした状況になった、あるいは、なる可能性が出てきたことをどのように把握していますか。

 基本的な方法の一つは、直前の質問にあったパフォーマンスのモニタリングです。
 パフォーマンスを図る評価尺度・指標を定め(2.2(5))、パフォーマンスの現在の状況の確認と予測を行い(2.2(6))、到達目標や競合などとの比較を行います。

 パフォーマンスの予測と比較によって、何がパフォーマンスに影響するのかその要因を理解することができます。それを戦略や実行計画の策定や見直しに活かすことを繰り返すことで、組織能力の向上につながります。

 予測されたパフォーマンスは、
・新しい事業の展開
・新しい市場への参入
・新しい技術の導入
・製品のイノベーション
・ある程度のインテリジェントリスクを伴う可能性のあるその他の戦略的取り組み
などによって生じる変化が含まれます。
 この追跡プロセスを通じて、競合組織や比較対象としている組織の改善や変化の度合い、および、自組織の目標やストレッチ目標と比較した、自組織の改善や変化の度合を考慮して、準備を整えることが必要です。
 このような追跡プロセスは、取り組みの開始、加速、あるいは中断の意思決定に使用し、必要な組織変更を実行するための、主要な診断ツールとして機能します。

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ボルドリッジ主要用語集にある定義も確認しておきます。

パフォーマンス予測(Performance Projections)
パフォーマンス予測は組織の将来のパフォーマンスの見込みです。
予測は、過去のパフォーマンスの理解、改善率、将来の組織内部の変化やイノベーションに関する仮定、および内部の変化をもたらす外部環境の変化に関する仮定に基づいている必要があります。このことから、パフォーマンス予測は、業務運用の管理および戦略の策定と実行における重要なツールとして機能します。
パフォーマンス予測は、予想される将来のパフォーマンスの表明です。到達目標は望ましい将来のパフォーマンスを示します。競合組織や類似の組織のパフォーマンス予測は、組織が画期的なパフォーマンスやイノベーションが必要な分野が直面している課題を示している可能性があります。組織が画期的なパフォーマンスあるいはイノベーションを達成しようとしている分野では、パフォーマンスの予測と到達目標は重なり合うことがあります。
2021-2022 Baldrige Excellence Framework, Key Terms より。翻訳筆者)

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 筆者らが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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