もう少し、経営のOSについて
マット・プランバーグ著「スタートアップ・マネジメント」にあった「企業のオペレーティングシステム(OS)」の構成要素を紹介しました。
企業のOSについては、企業の事業活動を動かす基盤という点では同じですが、もう少し詳細に定義を要する別の概念を示す記事があったので、見ておくことにしました。
2015年にInc.に掲載された「あなたの会社のためのビジネスオペレーティングシステムをうまく構築する方法」という記事(Lee Colan著)です。
※2021年Indeedに、2020年Ziplockにそれぞれ別の著者でビジネスオペレーティングシステムの記事が発信されていますが、中身はこの2015年の記事とほぼ同じです。
ここではビジネスオペレーティングシステムを「会社独自の方法であり、運用、市場投入、生産、顧客との取引の方法」と定義しています。
これでもわかりにくいですが、もとはフランチャイズビジネスの成功から学んだものとあります。会社の中のプロセスを効果的、効率的に構成したパッケージのようなものを想像します。
実際、ビジネスオペレーティングシステムは次の5つの要素から成ります。
1.プロセス
2.システム
3.役割
4.スキル
5.構造
これらをこの順に作成していくことを重要としています。
業務プロセスだけでなく、コミュニケーションや意思決定、紛争解決などの他のプロセスも含め、事業活動を行うためのプロセスをまず決め、それをシステム化します。
ここで大切なのは、既存のプロセスをそのままシステム化するのではなく、手動プロセスを合理化したうえで、自動化を図ることです。
次は、そのプロセス、システムを動かす「人」に関し、まず、役割を決め、それに必要なスキルを定義します。
人それぞれの役割を決めていくという方法ではなく、まずプロセスを動かすための役割を職務記述書などで明確に定義し、それに人を充てていきます。一人の人が複数の役割を果たすこともあるからです。
ビジネスに必要な明確な役割ができたら、各役割に必要なスキルを決めていきます。
以上4つが決まったら、組織構造を設計します。
組織構造はプロセスに影響を与えるので、の鍵は、必要になる前に設計し、成長することです。リーダーが組織構造を設計する前に、他の4つのBOSコンポーネントを設計するには、優れた規律が必要です。実際、構造をいじくり回すことは、過去の偉大な幹部の1人です。残念ながら、このいじくり回しは通常、他のより実質的なコンポーネントを無視します。
組織構造はプロセスを左右します。このため、最初に構造を作成すると、ビジネスプロセスは構造によって制約され、ビジネスや顧客のニーズを反映しないことが考えられます。このため、上述の順序の通り、最初にプロセスとシステムを定義します。
ビジネスオペレーティングシステムを構築するための重要なポイントのみ抜き書きしましたが、個々の要素については上述の記事をご覧ください。
2020年Altametricsの記事は、日本語で(も)読めます。
ビジネスオペレーティングシステムを構築するという観点からも、ボルドリッジを見ていきたいと考えており、すこし深掘りしています。
★★
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
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