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評点ガイドライン(プロセス)

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークに含まれる「パフォーマンスエクセレンスに向けた審査基準」は質問集であり、その質問に答えて、その回答を評価することで、強みと改善の機会を特定します。
 実際に、プロセスの回答はADLIで、結果の回答はLeTCIで評価します。

 プロセスの評点は、次の「プロセス評点のガイドライン」に基づいて決まります。

プロセス評点のガイドライン

0% or 5%
・審査項目の質問に対して体系的なアプローチが見られず、情報が逸話的なものにとどまっている。(A) 
・体系的なアプローチの展開がほとんどもしくは全く示されていない。(D)
・改善への方向づけが見られない。改善が、発生した問題への対応にとどまっている。(L)
・組織内での整合がとられていない。個々の領域もしくは業務単位が独自に活動している。(I)

10%, 15%, 20%, or 25%

・審査項目の基本的な質問に対する体系的なアプローチの初期段階であることが明らかである。(A)
・アプローチの展開状況がほとんどの領域もしくは業務単位において初歩的な段階にあり、審査項目の基本的な質問の達成への前進を阻害している。(D)
・問題対応型から全般的な改善に向けた体質への転換の初期段階であることが明らかである。(L)
・アプローチは、主に共同で問題解決に当たることを通して、他の領域もしくは業務単位と整合が図られている。(I)

30%, 35%, 40%, or 45%

・審査項目の全般的な質問に対応した、効果的で体系的なアプローチが明らかである。(A)
・アプローチは展開されているが、一部の領域や業務単位では展開の初期段階にある。(D)  
・主要なプロセスを体系的に評価、改善するアプローチが実施され始めた段階であることが明らかである。(L)
・アプローチは、組織プロフィールやプロセス審査項目で明らかにされた基本的な組織ニーズとの整合が図られる初期段階にある。(I)

50%, 55%, 60%, or 65%

・審査項目の全般的な質問に対応した、効果的で体系的なアプローチが明らかである。(A)
・業務単位によって展開の度合いが異なるが、アプローチはよく展開されている。(D)
・主要なプロセスの有効性や効率の改善に向け、事実に基づいた体系的な評価と改善のプロセス、および革新を含むある程度の組織的な学習が行われている。(L)
・アプローチは組織プロフィールやプロセス審査項目に記述された全般的な組織ニーズと整合している。(I)

70%, 75%, 80%, or 85%

・審査項目の多面的な質問に対応した、効果的で体系的なアプローチが明らかである。(A)
・アプローチはよく展開されており、大きなギャップはない。(D)
・事実に基づいた体系的な評価と改善、革新を含む組織的な学習が経営上の主要なツールになっている。組織水準での分析と共有の結果として、業務の改良が行なわれている明確な証拠がある。(L)
・アプローチは、組織プロフィールやプロセス審査項目に記述された現在および将来の組織ニーズと統合されている。(I)

90%, 95%, or 100%

・審査項目の多面的な質問に完全に対応した、効果的で体系的なアプローチが明らかである。(A)
・アプローチは完全に展開されており、どの領域や業務単位でも目立った欠点やギャップがない。(D)
・事実に基づいた体系的な評価と改善、革新を通した組織的学習が、主要な組織全体にわたるツールとなっている。分析と共有に裏付けられた改良と革新が組織全体にわたって明確に認められる。(L)
・アプローチは組織プロフィールやプロセス審査項目に記述された現在および将来の組織ニーズとよく統合している。(I)

Baldrige Excellence Framework 2021-2022(冊子)より引用)

 審査基準の質問は3つの階層で示されており、「基本的な質問」、「全般的な質問」、「多面的な質問」はそれぞれの階層の名称で、この順に、より詳細な質問内容になっています。

 評点は6つの段階に分かれており、数字(%)の大きい方が優れてます。それぞれの「評点」の段階に対応して、アプローチ(A)、展開(D)、学習(L)、統合(I)それぞれの状態が示されています。

 この「学習(L)」のそれぞれの状態をマンガで示したのが、「消火活動からイノベーションへ:学習に対する比喩」です。このマンガでは、上位の2つの階層(70%~100%)が一つのマンガ⑤で括られています。

 各段階のアプローチ(A)、展開(D)、学習(L)、統合(I)それぞれを読み比べて見ることで、それぞれのもつ意味をより深く理解することができます。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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