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判断と印象と事実を区別する

半導体産業の30年の推移を示した経済産業省の一枚の図表から、日本国内だけで見ているのと世界の中で見るのでは、見え方が違うこと、また、それがどちらも、予てから持っていた自身の印象と異なっていたことがわかって、ボルドリッジの言っている意味を再確認しました。

事実に基づく分析と言っても、実際には、単なる「印象」に捉われていることが多くあります。
その印象も、自分で確かめたものではなく、新聞や雑誌、ニュースなどに出てきたことの受け売りであったりします。

また、事実として提示された数値は間違いなく事実ですが、それをどのように捉えるかには、その数値を評価する人によって異なります。半導体産業の例で言えば、例えば、その人が国内市場でモノを見ているか、あるいは、グローバル市場でモノを見ているかによって、印象も異なってきます。

ボルドリッジでは、「盲点」ということで、説明しています。

盲点 盲点は、競争環境および組織が直面する戦略的課題の理解において、誤った、不完全な、時代遅れの、あるいは偏った、ギャップ、脆弱性、リスク、あるいは弱点を引き起こす、仮定または結論から発生します。盲点は、業界の内外からの、新規のあるいは代替となる製品・サービスやビジネスモデルから発生する可能性があります。
(Baldrige Excellence Framework 2021-2022より。翻訳筆者)

自分が判断だと思ってやっていることが、基本的諸事情と戦略的方針をつかんで、実践行動の方向を出しているものなのか、それとも単なる印象を述べているのか、あるいは他人の言葉やニュースの受け売りにすぎないのかを、この盲点に沿って検討してみることが必要です。

また判断が一部の事実、事実の一側面をもとにしたものか、全体的事実を基礎にしておこなったものかもチェックが必要です。

分析については、それ自身が経営における重要なプロセスであるとして、「測定、分析、およびナレッジマネジメント」というカテゴリーを設けて、そのプロセス自体を評価対象としています。

4.測定、分析、ナレッジマネジメント
測定、分析、ナレッジマネジメントのカテゴリでは、あなたの組織がデータ、情報、および知識資産をどのように選択、収集、分析、管理、および改善しているか、レビューの気づきを使用してどのようにパフォーマンスを改善しているか、そして、どのように組織として学習しているか、を尋ねます。
(Baldrige Excellence Framework 2021-2022より。翻訳筆者)

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。







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