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核となる価値観と概念から描き出される経営の形は一般に言われる米国流の経営とは異なるようです

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークがその基盤としている核となる価値観と概念を概観しました。

ここから描き出される組織経営のモデルは、一般に言われている米国流の経営とは異なっているように見えます。

米国流の企業経営の特徴と言えば、まず挙げられるのが「株主第一主義」「短期的業績重視」です。

ボルドリッジでは、すべての利害関係者の利益のバランスをとることを重要としています。そして目指すは、成功とイノベーションに焦点を当てるにあるように、現在および将来の成功であり、組織学習に示された継続的改善により、長期的な視点での成功をより重視しています。

一般企業だけでなく、非営利組織や行政機関、教育機関、病院なども対象としていることもあるかもしれません。しかし、それらがボルドリッジの対象となる以前から、こうした特徴はありました。

人を大切にするは、「三方よし」に通じます。売り手であるサプライヤーやパートナー、買い手である顧客、そして世間である地域社会を大切にします。社会貢献もまさに世間よしを言っています。

人を大切にするのもう一つの主役は働き手です。働き手のエンゲージメントと幸福を追求します。
実際に、2020年度3度目のボルドリッジ賞を受賞した、パイプラインおよび関連機器の腐食制御を専門とする従業員260人規模の中小企業MESA社は、従業員の94%が自分のエンゲージメントが高いと考えています。
米国流経営にある、個人主義、成果主義の人事制度では考えられない数値です。

恐らく、ボルドリッジが、日本企業など当事高いパフォーマンスを挙げていた組織の研究を反映したものであることが大いに影響しています。

ボルドリッジでは、制度やツールを規定しておらず、組織プロフィールで描いた自組織の姿にあったものを採用するものです。人事評価制度なども、米国流の人事制度に規定されてはいないのです。

こうしたことが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークが、一般に言われる米国流経営とは異なる国々、アジア各国でも広く採用されている理由と考えられます。

逆に見れば、ボルドリッジは、米国発の優れた経営フレームワークではあるけれども、米国の企業がすべてボルドリッジをもとに経営しているわけではないことがわかります。

あなたの組織はどうしますか?

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核となる価値観と概念は、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、4ページにその要点がまとめられています。

筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。







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