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効果的なビジョンを示す

 リーダーの役割は、効果的なビジョンを示し、ビジョン実現に向けて行動することです。

 効果的なビジョンの具体化は、次の7つの基準を満足させることが必要です。

1.すぐ覚えられる
 ビジョンは全ての社員が躊躇することなく暗誦できるものであること。長すぎたり、以下の基準を満たしていない場合は覚えるには値しない。
2.鼓舞する
 全社員を団結させ、ビジョン達成の改革運動に奉仕団に自ら参加させるようなものである。
3.個人のニーズを満足させる
 ビジネスにおける個人の目標を極めるための力となる。
4.社員が実感できる将来を描く
 社員はビジョンと一体感を持つことができる。
5.ワクワクさせる
 社員一人ひとりに誇りを持たせ、自分もその一部に参加し、努力したくなるような情熱を湧き上らせる。
6.目標を示す
 今日の変化して行く複雑な世界へ、思わず挑戦する明確な手法を示す。
7.人を動かさずにはおかない
 社員一人ひとりが参加し行動を起こしたいという気にさせるようなものでなくてはならない。行動なくして利益なし。

 これらの基準を満たした、ビジョン、あるべき姿の事例は、例えば、「美味創食社」の例で言えば:

ビジョン
 お客様が満足する選り抜きのファストフード・レストランである
あるべき姿
・町で一番清潔で魅力的なファストフード・レストラン
・最高の料理を手ごろな価格で提供
・地域全体に知れ渡るめざましいビジネス運営
・いつも満席
・働いて楽しい場所
・財務的に確実で利益が得られる
ミッション
・美味しい食べ物を迅速に提供する
・すべての人々に素晴らしい食体験を提供する
・環境と食べ物を調和させる模範的なサービスを行う
価値観
・お客様サービスがビジネスを動かす
・我々のビジネスの鍵はすべての社員、お客様、ビジネスパートナーの相互信頼と尊敬である
・プロセスの絶え間ない改善が我々の基準である
・自分がして欲しいように他の人にする
・個人の誠実さが重要である
・地域社会に貢献する
・お客様の満足のために第一線の社員をエンパワーメントする

 価値観はガードレールとなって、ビジョンに焦点を当て続けることを助けてくれます。
 ミッションは目標がいつでもわかるように標識の役目をしてくれます。
 ビジョンは社員にとって魅力のあるものでなくてはなりません。自分の意志で受け入れる気持ちがなかったならば、どんなマネジメントをしても、社員をビジョンへ導くことはできません。
 あるべき姿を明確にすることは、その組織がビジョンを達成した時の自分の生活がどの様なものになるか、眼に浮かぶようにさせることです。

★★

 この記事は、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの参考書、Quality Handbook for Small Business, 2nd editionを参考にしています。
 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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