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イノベーティブ人財

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。

 カテゴリー7.環境変化に合わせたイノベーションの実現について見ています。

 イノベーションはある特定の個人が起こすものではなく、組織的なプロセスにより実現するものですが、その各フェーズにはそれを担うに適した能力、適性を持つ人財が求められます。

7.(5)イノベーティブ人財の教育・育成
 イノベーティブ人財の教育・育成の仕組みを構築・運用していますか。

 イノベーティブ人財とは、イノベーションに関わる能力を持つ人を言います。

 イノベーティブ人財の能力・資質としては、次のものが必要です。

・常識の捉われない発想力
・顧客への共感、関心
・観察力
・質問力
・実験力
・関連付ける力
・その仕事が好きであること、夢中になること
・工夫し続ける粘り強さ
・社内外のネットワーク
・イメージをモデル化し、人に伝える能力

 一人の人がすべての能力に秀でている必要はないが、いくつか突出した能力が求められます。不足したものは、他の人との協力で補えばよい。

 実際、イノベーションに関わる人財には、イノベーションを実現する過程で、大きく3つの役割があり、これらそれぞれに適した適性を持つ人財を当てます。

①イノベーションに関わるアイデアを出し、それを実現可能な形でイメージできるところまでまとめる。すなわち、顧客価値を見出し、それを実現可能であることを示す。
②見出した価値を実証し、具体化するためにプロセス全体を推進する。
③見出した顧客価値を、事業化までの過程で関係する多くの人に伝える。

 イノベーション実現プロセスでは、それを構成する5つのフェーズごとに、必要なイノベーティブ人財のタイプを明らかにしています。

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(1)iイニシエーター
環境変化やビジネスイノベーションの方向性を確認し、イノベーション活動を始動させる人財
(2)iファインダー
イノベーションアイデアに必要な要素を発掘・調査・分析し、イノベーションアイデアを産み出す人財
(3)iデザイナー
イノベーションアイデアをもとに顧客価値を設計し、その実現方法と収益を上げる仕組みを具体化する人財
(4)iディベロッパー
デザイナーが示した内容のパイロットプロジェクト等を実行し、実環境で検証・評価・修正する人財
(5)iエグゼキューター
ビジネス・イノベーションを事業化し、新事業(製造・販売・マーケティング・回収)を責任を持って推進する人財
(出典:イノベーティブ人財診断™ [個人編][SX]ver2.0資料(㈱ネクストエデュケーションシンク)

 こうしたイノベーティブ人財の発掘・育成を重要な経営課題の一つとし、イノベーティブ人財の教育・育成の仕組みを構築することが求められます。

 従業員のイノベーション人財としての適性を把握し、イノベーションのプロセス・フェーズに合わせて、適性を持つメンバー構成を検討します。

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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

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ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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