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時代の要請に沿った法務・コンプライアンスへの対応

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの8つ目は
8.法務・コンプライアンス
です。

  法令は時代の要請を反映して制定・改正されてきました。法令については、それを単に遵守するということではなく、その背景にある時代の要請を理解して、対応を行うことが大切です。

8.(10)時代の要請に沿った法務・コンプライアンスへの対応
 時代の要請に沿った法務・コンプライアンスへの対応が必要であることを理解していますか。

 法務・コンプライアンスへの対応について、組織において最も重要なのは、リーダーがコンプライアンスに積極的な意識を持ち、自ら範となることです。

将来を見据えたリーダーシップ(Visionary Leadership)
 組織のリーダーは、組織のビジョンを設定し、顧客に焦点を当て、明確ではっきりした組織の価値観と倫理観を示し、従業員に高い期待を設定する必要があります。ビジョン、価値観、期待は、すべての利害関係者のニーズのバランスを取る必要があります。
 リーダーは、自らの倫理的な行動と、計画立案、イノベーションのための支援環境の提供、意思疎通、働き手の指導と動機づけ、将来の幹部の育成、働き手一人ひとりの認証、公平で分け隔てない扱い、および、組織パフォーマンスのレビューへの個人的な関与を通じて手本となる必要があります。手本となることで、組織全体にわたるリーダーシップ、コミットメント、率先垂範を構築する一方で、倫理観、価値観、期待感を強化することができます。
ボルドリッジ「核となる価値観と概念」より部分引用。翻訳筆者)

 組織としては、適正な会計・税務処理がなされていることは、大前提になります。

 その上で、従業員に対しては、公私のけじめ、飲酒運転の禁止、など基本的な倫理を周知徹底することが大切です。
 また、外部との関わりにおいて、政治活動等に関する公正な姿勢の維持、公務員との適切な関係の維持も大切です。最近ではSNSなどの普及に伴い、風評への対応について、従業員に周知徹底することが重要になってきました。
 海外事業展開にあたっては、必要となる注意事項を確認し、遵守することも重要です。

 従業員の働き方の多様化、多様性(ダイバーシティ)の重視、など時代の変化に伴い、柔軟な働き方を許容できる制度作り(テレワーク、副業、フレックスなど)に取り組むことや、SDGsに配慮した企業活動も求められています。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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