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プロセスを評価する4つの軸

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、高いパフォーマンスを実現するための「証明された」リーダーシップと経営の実践的な方法(プラクティス)を示したものです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、「核となる価値観と概念」「質問集(MB賞審査基準、評価基準)」「評価の仕組み」の3つで構成されています。

 「評価の仕組み」をまずプロセスについて見ていきます。

 組織のプロセスに関する質問は次の6つの区分(カテゴリー1~6)に分かれています。
1. リーダーシップ
2. 戦略
3. 顧客
4. 測定、分析、ナレッジマネジメント
5. 働き手
6. オペレーション 

 プロセスとは、組織内外の顧客に向けて製品またはサービスを提供することを目的とした一連の活動のことです。それを上記6つの区分に分けて確認していきます。
 アプローチとは、組織がプロセスを実行するために使用する方法です。

 プロセスの質問への回答は、次の4つの視点(ADLIと覚えます)で評価します。このことはすなわち、プロセスの質問に答える際には、主要なプロセスに関する次の4つの情報を含めることが求められているということです。

A)アプローチ
 組織の仕事をどのように達成しますか?あなたの主要なアプローチはどれくらい効果的ですか?
 組織の仕事をどのように達成しているか、その方法を質問しています。さらに、その方法が効果的かどうかも聞いています。
D)展開
 組織の関連する部分で主要なアプローチがどの程度一貫して使用されていますか?
 その方法が適用されている範囲を質問しています。
L)学習
 主要なアプローチをどの程度評価および改善しましたか?改善点は組織内で共有されていますか?新しい知識はイノベーションをもたらしましたか?
 その方法に新しい知識やスキルが埋め込まれているかどうかを質問しています。
I)統合
 アプローチは、現在および将来の組織のニーズにどのように整合しますか?
 その方法は組織のニーズと整合しているかどうかを質問しています。

 プロセスの評価は、この評価の4つの軸(ADLI)それぞれがどのような状態にあるかを、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークにある「プロセス評価ガイドライン」という表の記述と照らし合わせて、プロセスごとに評点(%)を決めていきます。

 新しい言葉が多く出てきたので、混乱されているかもしれません。

 プロセスのADLIと結果のLeTCIはボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの評価の基本的な事項なので、度々取り上げます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーには評点(%)はありません
 でもやはり、この4つの軸(ADLI)それぞれのの状態を評価し、成熟度の4つの段階、
     場当たり的 → 初期的 → 成熟した → 模範的
のどの段階であるかを決定します。

成熟度の4段階

 ちょっと慣れないと「難解」ですが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの段階(こちらは6段階)の例も参考に示しておきます。

プロセス評点ガイドライン 
評点(%):30%, 35%, 40%, or 45% (筆者注:6段階の下から3段階目)
■審査項目の基本的要求事項に対応した、効果的で体系的なアプローチが明らかである。(A)
アプローチ展開されているが、一部の領域や業務単位では展開の初期段階にある(D)
■主要なプロセスを体系的に評価、改善するアプローチが実施され始めた段階であることが明らかである。(L)
アプローチは、組織プロフィールやプロセス審査項目で明らかにされた基本的な組織ニーズとの整合が図られる初期段階にある(I)
(2011-2012パフォーマンスエクセレンスへ向けての審査基準書【対訳版】、日本経営品質賞委員会、2011より引用)

筆者注:0%から100%までを6段階に分けて、それぞれにこのような記述があるとうい感じです。

★★★

 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。




 



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