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ビジネスパートナーの確保

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの2つ目は
2.経営資源の確保・維持
です。

 経営資源というと組織の内部に保有しているもをまず考えがちですが、組織と一体となって事業を展開するビジネスパートナー、良い関係を築いている顧客、組織が事業を営んでいる地域社会なども、事業を行う上での重要な経営資源と見ることができます。

2.(9)ビジネスパートナーの確保
 購買、販売、財務等に関する重要なビジネスパートナーの選択・確保・維持について、基準・ルールに従って承認、決裁されていますか。

 組織が顧客に価値を提供する上では、サプライチェーンを構成する仕入先や販売先、業務の一部を委託する、あるいは、労働力や設備、ノウハウの提供を受ける外注先など、外部の組織との協力、良い関係づくりが重要となっています。
 事業を持続可能なものとするためには、受発注の立場を利用した一方的な条件提示や、支配関係でなく、対等な協力関係を構築し維持していくことが求められます。

 関係構築において重要なのはコミュニケーションです。主要なサプライヤーやパートナー、協力者とは、ビジョンや価値観、戦略なども共有しすり合わせを行います。
 最近では、製品・サービスの提供だけでなく、それに関わる社会問題、例えば、人権問題への対応や地球環境保護などにも協働で対応することが求められるようになってきました。

 ビジネスパートナーの選択・確保・関係維持のためのポイントとしては
・ビジネスパートナー(仕入先、販売先、外注先等)を選択するための基準が明確である
(例えば、価値観、期待する役割、事業領域、経営成績、財政状態等)
・ビジネスパートナーとの取引を停止するための基準が明確である
(例えば、価値観の相違、期待する役割が得られない、事業領域の競合、経営成績及び財政状態の不振等)
・ビジネスパートナーが反社会的勢力でない
・経営環境の変化に対応するため、ビジネスパートナーの変更も視野に入れた上で、既存のビジネスパートナー及び潜在的なビジネスパートナーの情報を定期的に収集している
などが挙げられます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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