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リーダーの4つの役割

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

 ボルドリッジが大切にする核となる価値観と概念で2番目に位置するのが将来を見据えたリーダーシップ(Visionary Leadership)です。

 この将来を見据えたリーダーシップの原典と言える図書、バート・ナヌス著「ビジョン・リーダー」(原題は”Visionary Leadership”)から、リーダーの役割を概観しました。

リーダーは、次の4つの役割を同時に果たすことが求められます。

それぞれをの役割を見ていきます。

ディレクション・セッター(方向決定者)
組織が力を合わせて目指す目標を、未来と外部環境の領域の中に見出し、そのことを明言する。
優れたディレクション・セッターは、目標に向かって進路を定めなければならない。
その目標は、組織にとって本当の前進を意味していると、周囲の人々が理解できるようなものでなければならない。

チェンジ・エージェント
ビジョンの実現を可能にするために、内部環境の変化を円滑に進めていく責任を持つ。
内部環境とは、人財、資産、設備などを指す。

ここに含まれていると思いますが、ボルドリッジでは、内部プロセスなども変革の対象です。

スポークスマン
話し上手で聞き上手で、組織のビジョンを体現する。組織とそのビジョンについて、外部関係者に対して先頭に立って提唱し、啓蒙する。

優れたスポークスマンに必要なのは
・中心に立って他の組織と折衝できるだけの力量
・組織にとって役立ちそうなアイデアや資源や援助や情報を交換し合えるような、外部とのネットワークの構築力
・自らの存在と自らのビジョンが、組織の将来にとってわくわくするように魅力的で価値のあるものであることを伝える表現力

ボルドリッジの将来を見据えたリーダーシップでも示されている、重要な要素です。

コーチ
組織に属する個人い権限を与え、自ら情熱的にビジョンを体現していく人々の集団を編成する。それによって、リーダーは指導者の役割を果たしながら、ビジョン実現に向けて努力する人たちの手本となる。

ボルドリッジの将来を見据えたリーダーシップでは、「従業員に高い期待を設定する」という表現でこれを求めています。

以上の「4つの役割は等しく重要で、すべてに秀でていない限り、リーダーとしては成功できない」と本書では述べてます。


★★
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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