見出し画像

内部統制評価を組織のパフォーマンス改善ツールとして用いる試み

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは質問集です。質問に答え、その回答を評価し、改善に結びつけます。そして組織の将来の成功を確実なものにしていきます。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークそれ自身がパフォーマンス向上のシステムですが、ボルドリッジと互換性のあるアプローチとして、シックスシグマ、リーン、ISOなどが挙げられています。

 ここではシックスシグマ、リーン、ISO、あるいは、PDCAサイクルに加えて、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」に基づいた内部統制評価による組織の仕組みの評価・改善を、組織のパフォーマンス改善ツールと捉えて、それを活用してボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの目指すパフォーマンスエクセレンスの基盤づくりとすることを提案しています。

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」の8つのカテゴリーは、

1.顧客・社会との関係維持
2.経営資源の確保・維持
3.個人・組織の学習の仕組み
4.経営管理の実践・改善
5.知の経営の実現
6.情報セキュリティ
7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
8.法務・コンプライアンス

であり、それぞれの目指す姿は次の通りです。

 8つのカテゴリーはもともと内部統制のフレームワークであるCOSOフレームワークから派生したものです。

 内部統制のフレームワークとしては、「COSOのフレームワーク」が広く採用されています。COSOのフレームワークは、「業務の有効性と効率性」、「財務報告の信頼性」、「関連法規の遵守」の3つを目的としていますが、それをもとに制定された日本版SOX法(金融商品取引法)では、COSOの3つの目的に「資産の保全」を加えて4つの目的としています。

 「財務報告の信頼性」については、すべて組織に求められるもので、その仕組みは確立されています。このため、NPO法人 内部統制評価機構では、このうち特に、組織の「業務の有効性と効率性」と「関連法規の順守」に焦点を当てた評価項目を設計しました。

 これらを8つの側面(カテゴリー)に分け、それぞれをさらに10項目に分けて、それぞれの要求事項を明確にしました。全体で80項目の要求事項があります。

 ボルドリッジは、それぞれのカテゴリーにおいて特定の仕組みを用いることを規定していませんが、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、こうして具体的な要求事項(仕組み)を提案しています。

 さらにその目的である「業務の有効性と効率性」の追求は、結果として組織のパフォーマンス向上につながります。

 こうしたことから、まずこれら(のいずれか)に取り組むことにより、ボルドリッジが求める組織の基盤をつくることができます。

★★

内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?